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2014年5月11日 (日)

歌劇「蝶々夫人」と私が聞いた安倍政権への大打撃(第723回

歌劇「蝶々夫人」と私が聞いた安倍政権への大打撃(第723回)

 ご存知プッチーニの名作。「ある晴れた日」のメロディはおなじみだろう。ストーリーも最近ミュージカルの「ミス・サイゴン」に翻案された位。米国の海軍中尉ピンカートンと芸者(15歳!)蝶々さんとの物語。結末は幼い息子に別れて自刃する蝶々さんの悲劇だ。

 4月29日から5月8日まで、私はNY、ワシントン、ヒューストン、ピッツバーグと回ってきた。5月1日にメトロポリタン歌劇場で「蝶々夫人」を観た。新演出で評判が良かったので楽しみにしていたが、文楽の人形使いも入れてなかなか良かった。主役のフィ・ヒ(中国系)のソプラノも。

 この歌劇でやはり悲劇の根源はピンカートンだろう。現地の一夜妻なのに正式な結婚と蝶々さんに誤認させ、子を産ませて3年間放りっぱなし。米国では別に正式に結婚して、新妻をつれてノコノコと長崎にやってくる。これじゃあ、ね。

 原作も劇化も米国人で、プッチーニはトスカ上演のためロンドンで舞台を見てオペラにしようと決心したとか。

米国が自分の国に都合のいいロジックで他国に押し付ける―というのは、なにもピンカートンに限らずしばしばある。

 実は今回の私の出張は二つの目的があった。

 第一はシェールガス採掘の現場視察。(別に写真を添付しました)。

 第二が本命で、主にヘッジファンドが、手持ちの3兆円の日本株を売るのか、買い増すのか。

 何せヘッジファンドは2012年12月から2013年3月まで4兆円買い、その後2兆円買った。

同時に円を売った。1ドル79円台からご存じ105円44銭へ。

 この手持ち日本株のほぼ半分はあの靖国参拝で売った。つれて昨年末の1万6320円から1万4000円割れへ。その後も1万4000円台の下の方に止まっている。

ヘッジファンドといっても1社ではないが日本に関心のあるところは、正直言って日本株を買う気はない。売っている。

理由は次の通り。

 第一は2015年7月21日から、米国の銀行はヘッジファンドへの投資も融資も禁止される。いわゆるボルカー・ルールによるものだ。

 ヘッジファンドにしてみれば、投資家のニーズはあるのだからビジネスはやめたくない。銀行融資に代って市場からの調達方法はいろいろある。しかし6月に規制が発表されるので、これを見なくっちゃあ、と。

それよりも何よりも。アベノミクスの「第一の矢」つまり異次元金融緩和という、円安と株高の根源が、米国を中心とした国際世論で押しつぶされそうなのが、「日本株はやらないどころか売り」という理由だ。

米FRBとG20の中央総裁会議が連合して「米FRBがテイパリングを推進している時期に量的金融緩和を日銀が推進するのは好ましくないので、縮小の道筋を示せ」と圧力をかけ、日銀は量的緩和を減額せざるを得なくなるっている。

つれてヘッジファンドは円売りをやめはじめている。

シカゴ為替市場では102円台で円の売りからトントン戻して円買いの動きが出ている。シカゴ市場より前の相対取引では円ロング(買い)のポジションが取られている。恐らく95円ぐらいを見ていると思われる。

また日本株のETFでジョージ・ソロス氏も買った「ウイズダムツリー・ジャパン・ヘッジド・エクイティ・ファンド」がこのところ3カ月続けて資金流出が続いている。明らかに円安=日本株買いという、一昨年12月から昨年いっぱい続いた日本株買いのストーリーが、いまやこわれている。株高が安倍政権の高支持率の主因だったが、まことに危ういかな、と感じる。

シェールガスの方は、また改めて。

「ある晴れた日」のイタリア語の名を見ると「晴れた」は、ない。日本でつけたのだろう。何遍も聞いているので、歌詞の中の蝶々さんという意味で「バーベナ」という花の名が耳についた。「美女桜」の意味で花言葉は魅惑、とか。自刃した蝶々さんと同じく、安倍首相は靖国参拝で日本株の魅力を散らしてしまったのでは。

トリビアをひとつ。映画人が晴天のことをピーカンと呼ぶのは、実はピンカートンの略だとか。へええ。

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