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2014年12月21日 (日)

映画「ゴーン・ガール」と私のNY株弱気日本株強気のワケ757

映画「ゴーン・ガール」と私のNY株弱気の理由(754回)

 今年のアカデミー作品賞の有力候補の評判通り。デビッド・フィンチャー監督は後から想い出してもゾッとするスリラー映画をつくった。頭が切れる美人の妻が失踪し、夫は妻殺人の疑惑を受ける。夫は妻の親友も血液型も趣味も知らず、TVに引っ張り出されてあからさまに犯人扱いされる。しかし妻は生きていて―まあそこからネタバレになるからやめておくが、メチャ面白いから―。ただし大人の観客に限るが。

 

 本当に恐ろしいのは、映画の中途まではオハナシ、つまりアチラの世界のことと思わせて、最後は「実はコチラの話しです」というオチに変わってゆくところだ。誰もが自分のパートナーがコワーくなってくる。原作はギリアン・フリンの小説で、米国では大ヒット中。

 

 私が株価の長期動向予想を的中させた例で、一番大きかったのが1989年末の日経平均3万8915円のあとの長期でしかもメチャメチャな下げ相場。この時の私の武器は三重野日銀総裁が金利を引き上げ続けているのにもかかわらず株価がほとんど無視。イールドスプレッドが当時9%台。私はチャートで2万円もあり得ることを「週刊東洋経済」で公表した。まさかデフレ突入と日経平均6000円台までは読めなかったが。

 

 私と違うやり方でウオーレン・バフェット氏が株価の割高、割安を判断している。GDPと株式市場の時価総額との比率で、2009年のリーマン・ショック時には0・6台でここは底値だった。

 ところが2014年12月現在、これは2006年のピーク時、1・2を抜いて1・4に達している。高い。危ない。日本の方はいま1・1だが。89年の日本株も、1・4をつけていた。12月の1万8000ドルを抜いて歴史的高値更新はないとは言えないが、それだけリスクが高まる。ここから上は弱気だ。

 

「 どこいら辺が大天井?」映画の妻の失踪と同じで分からない。私は90%の投資家がダウ2万ドルを確信し、1万8900とか1万9300とか、そこらが天井になると読んではいるが、理屈じゃない。天井近辺には好業績のほか好材料ばかりしか見えないのが通例だから。また危ない危ないといわれてからでも、結構それからの上昇幅は大きいものだ。

 

 でも下げの材料は見当がつく。第一はこのコラムで何回も書いたベンガジゲート事件。問題が表面化すれば共和党が絶対に有利になる。第二は原油安が大幅で、しかも今後この状態が長引く。ジャンク債市場でのリスク急拡大がサブプライムと同じ事態を招く公算大。そして第三はロシアやベネズエラなどの経済危機。それに加えて豪腕プーチン大統領が「何か」をやること。

 

 必ず聞かれるのは、「いつ?」だがこれが分かるなら苦労しない。「下値は?」高値比10%以上はあるだろう。恐らくそれ以上。

 「NYはわかった。日本は?」お付き合いで下がることはあり得るが、12月の日経平均1万8030円を、いずれ明年の早いうちにぬくだろう。理由?日銀ETF買いとGPIF。それに企業収益の急上昇。背景は原油安と円安だ。

 

 米国株で言い忘れた。QEⅢが10月に終わっており、FOMC議事録からみると2015年6月に「金利の正常化」が始まる。長期金利の上昇が始まるかどうか分からないが、始まればだれもが長期金利3^4%を頭に浮かべる。3年以上かかるのだろうが。。恐らく投資家はここ数年の上昇(株も債券も)で投資ポジションは買い一本だろう。これが巻き戻しになってポジションは反対売買または縮小に向かうはずだ。

 

 一方安倍政権は長期安定。第三の矢にあたる成長戦略が次々と実現してゆき、株式市場では次から次へと取り上げるテーマが出て、関連銘柄の株価は上がるだろう。

 

 ついでに。テールリスクとして中国があるが、現時点では不動産バブルの破裂以降、金融不安が発生する前の「何とかしようとしてますます病状がひどくなってゆく」段階。日本の93,4,5年ごろの状況で、まだ2015年、16年はゴマかしが続く期間と見ている。

 

 映画のセリフから。最後にケロリとした顔で失踪から帰った妻は夫に言う。「結婚なんてみんなこんなものよ」。どうぞ結婚したい未婚の若者はこの映画はご覧にならないように。またまだ新婚ホヤホヤのご夫婦も。しかし相場と結婚とよく似ている。上昇期が「あれれ」と思っているうちに下降。ダメになり始まると容易なことでは上昇期のエネルギーは回復しない。来年はどういう年になるだろう。

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