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2014年12月14日 (日)

映画「チェイス!」とシェール革命の蹉跌不安(第753回)

映画「チェイス!」とシェール革命の蹉跌不安(第753回)

 インド映画の歴代第一の興収を挙げているヒット作で、アクションありダンスありのエンタティメント。主演アーミル・カーンが49歳だが見事な肉体美と若々しさで20そこそこの若者を演じる。

 マジックとダンスを融合したショーでシカゴ中を熱狂させたサーカス団。その団長を父に持つ主人公は、父がシカゴの銀行により破滅、自殺に追い込まれたのを恨み銀行強盗を次々に重ねサーカス団を復活。犯人はインド人と断じた米警察は二人の警部を本国から招いて捜査させる。バイクによるチェイスが見せ場。繰り返しが多く少し飽きるが一見に値する。

 

 銀行への復讐は父の遺訓からだが、仇討話はインド映画の伝統とか。私は今回のサウジアラビアによる減産拒否、そして原油価格急落という世界を揺るがす事態と似たようなものを感じた。

 

 6月頃バーレル110ドル台。これが12月に入り50ドル台にまで急落した。サウジの減産拒否からだ。

 サウジの狙いはいくつも。米国に頼まれてロシアを困らせるため、とか。シーア派の大国イラン。産油国内部でサウジと常に対立してきたベネズエラへの圧力。これでOPECの盟主としてのサウジの地位の回復を狙う。

 それよりも何よりも、サウジの石油相が明確に述べたように、米国のシェールオイルの増産にブレーキを掛けること、これが主眼だろう。

 一方米ルー財務長官は先週記者会見で「米国のシェールオイル生産は減少しない。打撃は見られない」と強弁した。

 

 しかし株価は違う。代表的な独立系シェールガス(併産されるオイルも)採掘販売会社のコンチネンタル・リソーセズは9月の80ドルから最近33ドルに6割も下落。EOGリソーセズは120ドルが80ドル、アナダルコ・ペトロリアムは110ドルが75ドルになった。

 ジヤンクボンドの世界ではもっと不安感が漂う。この市場の16%はシェール革命関連の銘柄だが4月に利回りは30年ぶりに5%を切る低金利で絶好調。ところが原油価格低下に伴って7%以上に達する金利上昇」(価格は低下)になった。1兆3000億ドルのジャンクボンド市場では只今モーレツな勢いで資金は流出中だ。

 日本でハイイールド債のファンドを持っている人は儲けのあるうちに利食いをしておいた方がいい。日本のシェール関連銘柄信越化学も8月におすすめしはじめたときは6300円だったが8500円がついたし一応目先の目標達成。2,3年もつ方は別にしてこれも「利食い千人力」。

 

 おカネの世界は株でも債券でもリスクが出ると反応は早い。米国の国債市場でも2年物の利回りは上昇してイールドカーブは横になってきた。景気の現状の年後半好調説を否定し始めたように見える。

 それもそうだろう。米国経済は2005年から2013年まで年1・2%で成長したが、シェール革命がらみの産業の成長は(付加価値ベース)6・5%と高い。革命にブレーキがかかれば景気全体が一挙に見通し難になる。

 ただし、これは米国のこと。日本の方は4~6、7~9とマイナス成長だったが、10~12はかなりいい成長を取り戻す。株価の方は日銀のETF買いが予算満杯となったため、たとえば12月10日の大幅下げは見送ったし年内はまあせいぜい強含み横這い程度。自民党の大勝利は「ウワサで買ってニュースで売る」ことに。

 原油安、円安は間違いなく企業収益の上昇要因。私は来年末までに2万5000円という目標を変えない。

 

 映画のセリフから。死ぬ前の父が何遍も教えた決意の言葉。「われらは神の子。誰が挑められるか。希望の太陽、四方よりいずる。鋼の決意、揺るがぬ歩み。運命を記さんため、いざ今日行かん」。長期の大相場を私は確信している。いざ、行かん。ただその前に利食いも忘れずに。

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