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2015年1月 3日 (土)

映画「ブラック・レイン」と2015年の私の予想とリスク(756回)

映画「ブラック・レイン」と2015年の私の予想とリスク(第756回)

 新年あけましておめでとうございます。このブログもびっくりするくらい読者の方の数が増え、気を良くしています。今年もどうぞよろしくお引き立てください。読者の皆様のご健康とご繁栄を祈ります。

 

 先日亡くなった高倉健がマイケル・ダグラスと共演した1989年の映画。「ブレードランナー」のリドリー・スコット監督で松田優作が犯人役で出ていた。

 高倉健はコチコチのカタブツ刑事。マイケル・ダグラス刑事の方はNYで麻薬の売人から金を盗んだ前歴があり、好対照の二人。やり取りが面白かった。

 「金を盗んだのか」と健さん。

 「金を自由にしてやったのさ」

 「盗みは盗みだ。灰色の部分はない」

 「ニューヨークはどこをとっても灰色だ」

 好対照で、二人の友情が生きてくる。

 

 1989年、年末大納会に3万8915円の歴史的高値を付けた年だったし、私が54歳で山一證券から日債銀にスカウトされた年でもあった。当時の日本経済の勢いは凄かった。バブルだった。

 飲み会をやると三次会までは当たり前、その帰りにタクシーをやっと捕まえて指を2本出すとメーターの倍払うぞという印。これをやらなければ運転手が乗せてくれなかった。千葉でも鎌倉でも代金は会社のチケットだった。

 

 当時は上場企業の発行済み株式の60%は銀行と上場企業の株式の持ち合い、あとは生保の政策投資だった。まあ凍結株で、残りの株は知れているから証券会社はいくらでも株価は上げられた。これが銀行はバーゼル規制、生保はソルベンシーマージン規制でどんどん市場に放出され、3,4年前に8%まで下落した。代わりに外国人が発行済み株式の三分の一を握り、毎日の売買では現物で60%、先物でそれ以上を支配している。

 

 だから靖国参拝で安倍イズムに反対すると、ヘッジファンドの売りで20%近くも下げる。まあ三本の矢を好感して8664円が1万6200円に上げても、日本人は個人も機関投資家も皆売って、外国人が買って上がったのだから仕方がない。

 

 株というものは誰かが買わなければ上がらない。そこらを安倍政権は知っているので、切り札を出した。GPIFと日銀の主にETF買いだ。

 GPIFの運用資産はほぼ130兆円。いま18%の国内株保有比率を25%にするだけで9兆円。これに準公的年金が三つ、それに企業年金も追随するから17~18兆円の買い要因だ。別に日銀が3兆円。合わせて20兆円!これにNISAが加わる。401K年金も。

 

 2014年年間で外国人が買った日本株は15兆円。これなら彼らが売りに回ってもヘイチャラだ。短期売買のヘッジファンドは、何かキッカケを作って売るだろうが、上昇過程の中の休憩時間と考えればいい。買い場作りをしてくれるだけだ。

 

 材料も十分、いや十二分にある。原油安、円安、それに再増税見送りでトリプルメリットだ。加えて春闘で2年連続の賃上げが消費者の財布のヒモはゆるむ。好循環だ。

 

 物価2%上昇に黒田日銀がこだわると、恐らく年後半にバズーカ3が発動される。原油安は物価を押し下げるからだ。だからヘッジファンドは30兆円もの円売りドル買いを、先物市場で積み上げた。マスコミの一部や原油安は物価を押し下げるからだ。

 

 為替の専門家はすぐ1ドル130円というし、騒ぎが好きな、人の注目を浴びたい人は、160円まで言う。しかし30兆円の円売り玉は必ず買い戻す。だから125円がせいぜいだろう。もう少し、バズーカ3があれば円安だが128円か。

 

 どちらにしても、企業収益は上がる。株価の最大の背景は、一株当たり利益が日経平均225種の2016年3月期の予想で1250円ぐらいになり2万1250円(PER17倍)。

 17倍は割高?そんなことはあるまい。金融の超緩和の状態での業績上昇という最高の環境下では18倍でも安いくらいだ。

 

 リスクは数多い。ユーロ圏も中国も回復が遅れ、新興国も資源国も景況に問題がある。

 頼みの米国はジャンクボンド市場の16%を占めるエネルギー関連とくに倒産リスクがある。(もっともシェールオイル、ガスは2015年分の生産はもう売却済みなので、リスクは少ないが。)またベンガジゲート事件を含めワシントンの政治にリスクがある。オバマのシロウト外交のために世界中に火種がある。

 ウクライナ問題に絡んでプーチン大統領が何かやらかすかもしれない。心配し始めたらきりがない。そういう時代なのだ。

 

 大切なのは、日本は今後の数年間が、オリンピック特需、円安による製造業(特に自動車)の国内回帰、などなど。長期政権を約束された安倍第三次内閣は2015年中にTPP、電力自由化、日本郵政グループの株式公開(これでプライマリーバランスはかなり良くなる)。混合診療、労働時間規制改革、それに法人税減税などをやるだろう。

 忘れるところだった。

中国の不動産バブル破裂は先行きどこかで日本の1990年代と同じことになるが、2015年中には起きない。いま必死になって流動性を注入して(ムダな努力だが)体裁を取り繕っているところだ。習金平は権力闘争に自分の力を注いでいて経済は後回しだ。ツケは必ずまわってくる。問題は先送り。2017年だろう。

 

 2014年のキーワードは「インバウンド」「ROE」だった。恐らく今年は「回復」「TPP」だろう。

 改めて言う。ことしの株式市場は何十年かに1回の好環境、大相場の本格的開始の年だ。弱気は禁物。

 

 ヘッジファンドは大納会の日に日本株を売り279円安。先物は360円安だった。売り買いをスクエアにしておきたかったのが、現物は売り残し。そこで先物を売ったのだろう。大発会は売りで始まるかも。しかし1万7000円台の下の方は、やはり買い場だろう。

 

 銘柄?1月5日発売の週刊朝日に第三次安倍内閣の推進するであろう政策に乗った銘柄を特選しておいた。どうぞご覧下さい。

 

 映画のセリフから。高倉健がマイケル・ダグラスに言う。「日本人は力を合わせて経済力をつけた。いまアメリカにあるのは映画と音楽だけじゃないか」。ああカッコいいな。でも皆が「もうアメリカに勝った」と当時は思ったんだ。再び日本が自信を取り戻せると私は信じるが。ことし80歳。生きているうちに―。

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