今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

広告


« 週刊朝日に掲載された私の注目銘柄 | トップページ | 映画「ビッグ・アイズ」と中国共産党独裁体制の余命(第758回) »

2015年1月11日 (日)

映画「トラッシュ!」と外人投資家に対日投資戦略(第757回)

 

映画「トラッシュ!」と外人投資家の対日投資戦略(第757回)

 

 スティーヴン・ダルドリー監督の新作。この人は「リトル・ダンサー」「愛を読むひと」など私の好きな作品を出しているし、脚本も「アバウト・タイム」のリチャード・カーティス。とてもあと味のいい、それでいてサスペンスに満ちた秀作で一見をお勧めする。

 

 ブラジル、リオデジャネイロ郊外でゴミを拾って生活している14歳の少年三人が一つのサイフを拾う。サイフにはお金のほかID、ポケットカレンダー、コインロッカーのカギが入っていた。警察が必死になって探し始めたので、少年たちは生命の危険をおかしながらナゾに挑戦し始める。

 

 

 

 2013年に15兆円も日本株を買ってくれた外国人機関投資家が、2014年にたった6000億円台の買い。まあ売り買いトントンだったといっていい。2015年はどうなるのか。映画で少年たちが財布の中の謎に挑戦したように、対日投資戦略が知りたくなる。

 

 

 

 私が昨年末から外国人特にヘッジファンドのマネジャーたちに聞くと、グローバルマクロと呼ばれるタイプははっきりと「日本株はショートの対象」という。買うときは買うが、それは売るため、ということになる。

 

 ええ?という人がいたら、甘い、甘い、日本人自体が年金つまりGPIFと企業の自社株買いぐらいで、個人投資家を含めて日本株を売っているのに、何を言っているのか。

 

 たとえば2014年10月17日の1万4529円の安値から、2014年12月12月8日の高値1万8030円まで24%も上昇した。2か月の間の上昇としてはかなりな幅だ。

 

 もちろん円安が株高の押し上げ材料の一つになった。10月は105~6円の往来相場だったが、12月8日には121円86銭。

 

 この間に外国人は1兆2000億円の買い越し。しかし日本側は信託銀行つまり年金と事業法人つまり企業の買いを除くと売り越し、個人投資家は2兆円も(!)売り越した。つまり需給関係から言うと外国人サマサマだった。この買い玉?12月下旬から現在まで、売りに回っているのはもうお分かりだろう。

 

 先日日経CNBCを観ていたら専門家と称する人が、「今年の外国人投資家は2-3兆円の買い越し」と言っていた。何とアホなことを。

 

 前記ヘッジファンドのマネジャーは「材料はアベノミクスの第三の矢に対する失望感、不信感だ」という。私は「恐らくTPPで見方は変わるよ」といったがー。

 

 

 

 現物の売買が思うようにいかないので、ヘッジファンドは先物で売買、とくに売りを用いた。その証拠が1月6日の空売り比率37・8%だろう。これは2008年に東証が日々ベースの公表を開始以来最高の数字だ。4割も売り注文のうちのカラ売りがあるということだ。

 

 

 

 ただ、私は今年が外国人の圧力をはねのけて、日本人の買いで戻り高値更新、という見方を変えていない。

 

 GPIF、共済組合、企業年金合わせると10兆円を超え、日銀のETF買い3兆円、自社株買い、3~4兆円。これにNISAが加わるのだろう。2013年11月に8664円台から2013年12月に1万6291円まで88%も上昇させたようなインパクトがあると考えている。これが理由だ。

 

 

 

 考えて見たらいい。金融緩和はこれ以上ない超緩和、しかも円安や法人税減税で企業収益は確実に増益。円安が生産設備の本国回帰を促し、恐らく賃上げが続いて好循環が始まる。

 

 これに原油価格の大幅下げが加わるのだから、安倍さんはツイている。バカづき、だ。2015年度は消費財再増税延期による景気押し下げ回避がさらに加わる。

 

 

 

 外国からの観光客増大つまりインバウンドの消費への寄与も、もっと注目されていい。日本人一人の年間増日は123万円だが、外国からの観光客は一人15万8000円消費する。2012年と古いが観光産業はGDPベースで23兆8000億円、自動車や電機より5兆も多い。GDP比率5・0%、雇用399万人で対GDP6・2%。

 

 

 

 米国の9・6%、雇用10・4%、画鵜の9・9%と10・4%に比べてまだ伸びる余地は大きい。関連銘柄はオリエンタルランドと共立メンテナンス、それにJR東日本、JR東海かな。まだ研究中だ。

 

 映画のセリフから。サイフの中のナゾを追及してやまない少年たちに呆れて警官が言う。「ゴキブリはいくら踏み潰しても次から次へとわいて出てくる。」日本の株式市場は買う材料が次から次へと出てくる。生命力がある。

 

« 週刊朝日に掲載された私の注目銘柄 | トップページ | 映画「ビッグ・アイズ」と中国共産党独裁体制の余命(第758回) »