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2015年1月18日 (日)

映画「ビッグ・アイズ」と中国共産党独裁体制の余命(第758回)

映画「ビッグ・アイズ」と中国共産党独裁体制の余命(第758回)

 ティム・バートン監督の新作。私が注目しているエイミー・アダムスがゴールデン・グローブ賞主演女優賞を獲得し共演は芸達者のクリストフ・ヴァルツ。見ごたえのある演技合戦だった。

 

 1960年代に大ブームになったポップアート「ビッグ・アイズ」シリーズを画いたとされるウォルター・キーンは一躍時の人になる。しかし現実にはその絵はすべて妻のマーガレットが描いたものだった。この実話に基づいた映画。最後は裁判になり、裁判官が目の前で絵を画き真の作者を判定するという前代未聞の事態になる。

 

 ウォルターのパリで修業した絵描き志望の男だったという宣伝が、実はウソだったように、中国の長年にわたる虚偽の経済運営がそろそろ破局になる道が見えて来たと思う。その意味で、上海株式市場が高いのは、私がヘッジファンドのマネジャーだったら確実に売っているが。

 

 李克強首相が「中国経済はGDP統計よりも鉄道貨物輸送量、電力発電量、銀行貸し出しの三つの方が実態をはっきり示している」とかつては述べたことがある。

 最近の数字を示すと鉄道貨物はすでにマイナス、電力は4%、貸し出しもひところの20%の半分以下。公表されている7%成長はウソだ。

 これに加えて不動産がバブルの破たんが次第に明確化している。不動産は農地利用権譲渡という地方政府の打ち出の小槌を軸に、住宅建設、販売など中国GDPの23%を占める巨大産業である。

 ところがご存じの通りバブルが飛んで、投資ブームは退潮、市場は委縮、在庫の増加が顕在化している。

 昨年夏から北京政府も地方政府も「救市」つまり不動産市場救済のため、利下げや規制撤廃を行った。しかし①全国100都市の不動産平均価格は8カ月連続下落②大手不動産開発佳兆業集団のデフォルト③香港最大の財閥の李嘉成グループの中国国内での事業すべて売却などが明らかになった。

 大紀元の報道によると都市部の不動産の空室率は22%で、その空室に81兆円の住宅ローンが投入されている。

 私が講演で「中国ダメ」説を言うと「じゃあいつ、どんな形で?」と必ず聞かれる。「2017年まで持つでしょう」「なぜ?」

 私の経験では、もうダメとわかっても3,4年は持つ。日本の90年バブル破裂から97年まで8年かかったが、中国の場合は外資が入ってこないところに米国の金融政策転換があるのだから、やはり中国は危ない。企業のキャッシュフロー不足があるのだから日本より早い。

 その先の形は「私にはわかりません」。韓国や台湾のような民主的多党体制に移るのが理想だが、エジプトのように軍の実質支配になるのではないか。

 途方もなく多すぎる製造業の生産過剰能力、生産者物価がマイナスなのに賃金上昇の率は8%、これでは企業がもうかるわけがない。また中国国内からの資金逃避もある。日本の企業は早く中国から撤退すべきだと思う。市場はやれユーロだギリシャだQEⅢだ原油安だと目を奪われているが、目先のニュースだけでなく注意を払わなくてはならないのは、実は中国だ。

 東京株式市場の方は目先の底が入っているように思う。今週から反発だろう。米国の方は産油国の政府系ファンドが売っていると思われるのでまだ少々怪しいが。

 

 映画のセリフから。夫のウォルターが妻にウソを強要して言う。「サインはキーン。僕たちは一心同体だよ」。中国のウソが次第にばれてきた。習さんどうなさる?

 

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