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2015年2月22日 (日)

映画「フオックスキャッチャー」と3月16日暴落説(第763回)

映画「フォックスキャッチャー」と3月16日暴落説(第763回)

 アカデミー賞5部門にノミネートートされている注目作。「カポーティ」と「マネーポール」のベネット・ミラー監督。今回も見ごたえのある作品に仕上げた。

 現実に1996年に起きた殺人事件がテーマ。犯人は米国有数の富豪でデュポン家の御曹司で被害者はレスリングのコーチで金メダリスト。

 このコーチの弟でやはりロス五輪で金を獲得したマークに、ジョン・デュポンが自分のレスリングチームの「フォックスキヤッチャー」に参加を誘うところから話は始まる。

 米国ではマイナー競技のレスリングは金メダリストでも生活は苦しい。マークも兄のディヴを破格の年俸で呼ばれて家も与えられ、とりあえず世界選手権で優勝。順調に見えたが、ジョン・デュポンの奇行次第にひどくなってくる。大富豪で鳥類学者で切手収集家は全く家族の暖かさを知らない男で、母親から疎んじられている。マークはソウル五輪で負けて放れてゆき、チームの信望を集めているディヴをジョン・デュポンは射殺してしまう。理由は?いろいろあるが、真相は、わからない。

 このところ「3月16日に暴落があるって噂がありますか」という問い合わせが何件かあった。週刊現代で日本株にブラックマンデーのような暴落があると予言している、と。早速読んでみて吹き出した。この記事を書いた人は、何を考えているんだろう?早速、ジョン・デュポンを思い出した。

 

 下げの理由の第一が「中国リスク」だそうだ。3月5日に始まる全人代で成長率が7%前後という市場予想から下の目標が16日に発表されると市場が動揺するー。バカ言っちゃいけない。電力消費4%の国がもともと7%というのが粉飾決算で、今さらどんな数字が出ても「動揺」なんかしない。

 第二が日銀の金融政策決定合、だそうだ。三度目のサプライズ緩和で3月に前倒しされ、円安と物価高がひどくなる。

 

 これもバカ言っちゃいけない。いま日銀の独立性を尊重しつつ、安倍内閣は物価目標の期限を先延ばしする共同声明を検討中。原油安で2%の物価上昇が「2年以内」の目標が現実的でなくなったのをカバーする策だ。前向きの取り組み、と評価されるべきだろう。

 第三がFRBの3月17,18日に開かれるFOMC、だそうだ。利上げでリーマン以来6年続いた超金融緩和が終わる。そこでー。

 バカも休み休み言ってもらわなくては疲れてしまう。こちとらは忙しいんだ。

 

 暴落、例えばブラックマンデーのようなたった1日で25%もNYダウが下がる事態は、長期金利が急上昇するのがいわば前提になる。いま、日本も米国も、長期金利は上昇どころじゃない。PERだって割高じゃない。いまの金融は緩和状態で、暴落が起きる状態ではない。

 とりあえず日本株。TPPに絡んで海外の長期の投資家が昨年末から買ってきたのが上ッパなれた背景。日銀のETF買いは2月に入って10日以降入っていない。原油安のプラスはご存じのとうり。

 それに輸出数量が昨年後半、7^9月1%プラス、10~12月4%プラスと前半のマイナスから陽転、特に1月は自動車がほとんど横這いでも、非価格競争が強いおかげで増加しているのが目を引いた。恐らく今年前半に貿易収支は黒字化する。最近の東京株式市場は、円高でも株高になる日が増えたし、TOPIXより日経平均に影響力のある業種の上昇が目立つ。自動車株、一流の銀行・証券株、建設株、これが戻り高値更新の主役だ。

 成長率もIMFの2015年予想は1月に0・8%から0・6%に引き下げたが、私は1・6%とか1・7%に行くと思う。そして来年は2%台へ。

 

 それでも5月16日に下がったら?まあ私の負け。その節はどんな悪口もお受けします。このブログは投書はフリーです。講演会ではじゃんけんに勝った方3人に私の髪の毛を3本抜いて、これは私にとって大損害だから、これをペナルティにしますと申し上げている。

 映画のセリフから。デュポンの宣伝用映画を撮る技師がディヴに「デュポンさんはメンター(導師)ですよね」と強制する。週刊現代の記事ではひところ1ドル50円を予想してもてはやされた女性教師がメンターのようなコメントを述べていた。ああいやだいやだ。週刊誌は売れればいいんだろうが、無責任な発言には本当に困ってしまう。円高説では企業が損をした向きが結構多かったのだが。

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