今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

広告


« 2015年3月 | トップページ | 2015年5月 »

2015年4月25日 (土)

映画「セッション」と来週の植木屋の地震(第771回)

映画「セッション」と来週の植木屋の地震(第771回)

 若冠28歳の監督の傑作と呼び声が高いので観に行ったが、評判通りの傑作だった。偉大なドラマーになる野心を抱いた気弱な青年が全米第一の名門校で伝説の教師の猛烈なシゴキに会う。狂気のような練習また練習に青年は追い詰められてゆく。

 教師役のL・K・シモンズがアカデミー助演男優賞を獲得。これが物凄い見物。主人公のドラマーぶりも。

 

 来週はこのスリリングな映画と同じく、大変な出来事あるいは心配事が相次ぐ。江戸っ子の好んだジョークでは「植木屋の地震」だ。そのココロは?木(気)がもめる。

 

第一. 4月29日にワシントンに入った安倍首相が、恐らくこの日にオバマ大統領との首脳会談。そして上下両院合同会議での演説を行う。

第二. 4月30日に日銀が追加緩和をつまりクロダ・バズーカ3を発表するという、それなりに理由はあるものの、かなり一方的な外国人投資家の期待。

 

安倍さんの方は「リップサービスとして、もうこれ以上のドル高・円安は日本としては望まない」という一言が入り、2013年11月のジム・オニールの「円安、日本株買い」のシナリオが崩れる―という不安。

 

 第二の方は、私はNYでヘッジファンドのマネジャーにレターをチラつかせて聞かれた。

 2%の物価上昇を追及している日銀は現実のゼロ物価上昇をどうするのか。追加金融緩和しかない。現に黒田総裁は解釈次第だが、追加緩和を匂わせる発言はしている。ヘッジファンドの連中は「バズーカ3で日経平均2万1000円、円レート140円。」

 来日した世界最大の資産運用会社ブラックロックの社長も同じようなことを言っている。また4月に入り3週続けて外国人投資家は2兆円以上買い越した。これが一転して「失望売り」にならないか。本当なら物凄い買いだがーー。ああ気がモメる。

 

 私としてはAIIBへ「乗り遅れた」というマスコミの扱いも、バッカじゃなかろうかと思い、これまた気にかかる。

 

 実は今週に一番気になる統計が続々と発表されている。中国の不況突入だ。

  3月を中心―  (季調済 年率)

   鉄道貨物   △21・8%

   全貨物     △25・1%

   銀行の融資  △75・0%

   電力消費    △5・2%

   鉄鋼生産    △7・2%

   セメント生産   △36・8%

    輸入額   △36・7%

 そして先日のNHKはシャドーバンク3万社のうち1万がつぶれ、1000万人が被害を受けている、と報じた。

 原因?不動産バブルの破たんだ。5大都市に住宅価格 △4・0%。

 それでも7%成長?ウソに決まっている。スフィンクス・リサーチの藻谷さんによると、2015年1~3月期は期調済年率で5・3%。私の見るところ3%台だ。実体経済が悪いから習近平政権はなりふり構わず、株価が上がりそうな政策を連発している。香港の株価なんて棒上げだ。危ない危ない。

 

 不安な話ばかり?実は一つ、あるソースから将来の安心につながる情報を聞いて、すぐ私の情報源に確かめた。それは先日黒田日銀総裁が安倍首相にオフレコで話したという銀行規制の話しだ。

 銀行の自己資本比率を12%から15~19%にし、「保有しているその国の国債をリスク資産とみなす」というバーゼル規制。これは独、英、仏が賛成し、米、日が反対。これを国別にその国の事情で決め、一律な先進国の銀行全体の規制にしない。このことがワカッているから、オフレコでもばれることが分かっていても黒田総裁に話したのだ、とか。それなら良かった。

 

 ついでに。いま外国人中心に大手の銀行株が買われているが、それは二つ理由がある。

 第一は秋の日本郵政グループの公開。業態から言って成長株ではなくまあ資産株。ところが同業で比較される三菱UFJなどは株価資産比率0・9倍で解散価値を下回っている。せめて1・5倍ぐらいになるのでは、という期待。

 第二は逆張り発想。日経平均こそ2万円と15年来の高値だが、TOPIXでは8%も下。

 それは東証33業種のうち11業種が過去の高値2007年6月の水準を上回っているだけ。もっとも時価総額が減少したのは銀行のマイナス13%。もう下値は乏しく、まあ出遅れだから、だからこそ、狙う。最近急速に値を上げているが、まだ上値は残していると思う。

 

 映画のセリフから。伝説の教師が演奏を始めた楽団に言う。「音程のズレているヤツがいる。続ける前に自己申告してみろ」。株価全体の上昇過程で出遅れた株を狙うのも一策と思うが、いかが? 

2015年4月18日 (土)

「タイタニツク」と訪米中に聞いた面白い話(第770回)

「タイタニック」と訪米中に聞いた面白い話(第770回)

 NY行きの機内で「バードマンあるいは(無知でもたらす予期せぬ奇跡)」を観た。アカデミー賞作品、監督賞など主要賞を獲得した作品だが、少しも面白くない。何でアカデミー賞を取ったのかとさえ思った。

 ところが、何にしようかと考えていたところに、いいヒントが出た。

ちょうどNY滞在中の414日にヒラリー・クリントンの大統領選出馬宣言。またTVを見ていたら「1912年のこの日にタイタニックの沈没事故があった」と聞いた。へええ。

 1977年のこの映画で「ベン・ハ―」以来の11部門でのアカデミー賞を獲得し、世界的な超大ヒットにもなった。レオナルド・ディカプリオはこの一作で大スターに。私は当時サンプロとかサンデーモーニングのレギュラー出演だったが、銀行の女性の部下が2回観たとか私はもう4回、と聞いてその話をしたら、オコられたのを覚えている。

 

 見てない人はいないと思うので、ストーリーは割愛。有名なデッキでのシーンだけを。ローズとジャックの会話。「さあ目を閉じて。ほら、ここに上がって、棚につかまって。見ちゃだめだよ。僕のことを信用してる。さあ、目を開けて。」

 「私、飛んでるわ。ジャック」

 

信じるか、どうかが男女の間でも投資でも極めて重要。しかしNYのヘッジファンドで私が見せてもらったロンドンからの「日銀の追加緩和が近い。21000円、1ドル140円目標」というレポートは「全く信じられない」と答えた。あのハロウィーンの黒田バズーカ2から半年もたっていない。やるわけない、とも。ひょっとして、を思わないでもなかったが。

 

 414日に立候補を公表したヒラリー・クリントン前国務長官の今後も、日本のマスコミは当確、みたいな評価が多かったが、私は容易じゃないと思う。

 理由はいくつもある。第一がヒラリーがEメールアドレスに公私混同し、しかもそのEメールを破棄してしまったこと。これは犯罪行為だ。しかも破棄されたEメールがベンガジゲートに絡んだものだった可能性は極めて大きい。

 第二は同じ政党が大統領選で三連勝した例は、1980年代のレーガン、ブッシュ(父)の一回しかない事実。

 選挙の専門家(エモリー大アラン・アブラモヴッツ教授)によると、与党候補は4・4%のディスアドバンテージがある、とか。

 49日の世論調査ではヒラリー・クリントン対ジェブ・ブッシュの予想比率は4140(アイオワ州)。意外に僅差だ。4%に差がモノを言う可能性は大きい。

 

 日本としては、米国の政権が民主党よりも共和党の方がずっといい。これは別の折に。

 

 NY株式市場は32日の18288ドルが天井で、当分ダメ。とこのブログで何回も申し上げてきた。

 理由は①ドル高、原油安のために企業収益が良くない②45月は最大の米国株買い手の自社株買いが事実上停止③ギリシャ問題に代表されるテール・リスク、などなど。これに政治の混乱があり、週末に一時300ドルを超える大幅下落も。17000ドルで止るか、どうか。

 オバマ政権は以前から外交音痴と考えいるが、キューバ、イランと米国の国益に対してならないことに血道を上げている。まあ安倍訪米でTPPを決めるあたりが、多少は点数になるだろうが。

 

 日本の方は。4月上旬に2本、国内株専門の投信が1700億円設定され、GPPIF、日銀ETFの買いもある。これからの決算発表も楽しみ。

 ただ22日発表の3月通関統計が貿易収支の好転で、一時的かどうかは不明だが円高に。ヘッジファンドはこの5週間で売り越し玉を半減させている。円買い玉は40%増だし、117116円あたりが目標値と思う。

 

 このほか41822日のワシントンでの全米ガン学会で、小野薬品、エーザイがそれぞれの米国パートナーの株価上伸に絡んで動くかも。私はPERが高すぎるのでおすすめはしないが。

 終わりに「ヒラリー、頼むからやめてくれ」というNYの大衆タブロイド紙の写真を。11もNOがある。大衆の反感も相当ある、と感じた。NY在住の方に聞いたら、この新聞は共和党びいきだから、と。それだけでこんな激しい表紙を出すのかしらん。

 あと、いろんな情報は425日(土))の講演会でお話しするつもりです。定員にあと10名しかないので、お早く予約をどうぞ。

 映画のセリフから。ジャックがつめたい海に沈む前にローズにいう。「君は生き延びると約束してくれ。絶対にあきらめないって。なにがあつても、希望が薄くても。」「君は暖かいbベッドで死ぬんだ。」、何があつても私は日本に強気だ。

 

2015年4月 4日 (土)

[椿三十郎」とバイナリーオプションの乱高下(第769回)

 

「椿三十郎」とバイナリ―オプションの乱高下(第769回)

 

 今週は「マトリックス」のウオシャウスキーのつくった「ジュピター」を観たが、呆れ果てたトンデモ映画でコメントもできない。手持ちのDVDで久しぶりに三船=仲代のあの物凄い決闘シーンを見た。

 

 私は黒沢明全集を持っているのでシナリオも。「これからの二人の決闘は、とても筆では書けない。長い恐ろしい間があって、勝負はギラッと刀がいっぺん光っただけできまる」。

 

 一瞬で三十郎が室戸を斬り、身体からおびただしい血がほとばしる。

 

 この映画は監禁されている家老を、若侍と三十郎が救出するところがヤマ場だ。若侍のいる屋敷の隣から椿の花を流すところ。白い椿の花が山のように流れるところが美しかった。

 

 白黒だが赤と白の椿を美しく画にしたのを見て、私は売りと買いを巧みに使い分けるヘッジファンドの市場支配力を思い出した。

 

 ご存じのように日経平均は、3月30,31日と大混乱。瞬間1万9000円をザラ場で割った。バイナリ―オプションの威力だろう。

 

 3月下旬、日経平均は2万円の超大台寸前で、だれもが達成を期待した。ところが日銀のETFもGPIFも期末の31日は空き屋、と見て先物と値嵩株売りで日経平均を操作した。一瞬でも1万9000円を切れば巨額の利益になる。

 

 バイナリ―オプションは証券会社の自己売買部門が取引相手になる。慌てて損失をカバーするために売って下げ幅を増大した、というわけ。私は自分のクライアントへは「この大幅下げで下がったところは買い」と連絡。このヘッジファンドのいたずらは、買いチャンスになった。その後4月2日には日銀ETFの352億円の買いが入り市場は再び上げに転じた。

 

 自慢をしているのでは全くない。慌てて弱気になる必要は全くない、と言いたいだけだ。

 

 

 

 今週は三つ。3月の米国雇用統計は予想の24万人にもゆかず12万6000人という低さで、CNBCには「アウチ!(痛い)」という見出しが出た。株式市場はグッドフライデーでお休みだったが、月曜が思いやられる。前々回にブログで、前回はチャートで、シェール産出州のレイオフが急増していることを述べておいた。

 

 NYダウは工業株30種だが、必ず先駆する輸送株がこのところ激安なところにも私は注目している。

 

 これに加えて、イエメンへのサウジ攻撃で26,27日にバレル3・92ドル、8・3%も原油は上昇した。しかし原油在庫は以前記録的な高水準で再び50ドルを割り込んだ。原油価格の先物を見ても、底入れ時期はまだ見えない。

 

 NY株はやはり3月早々の1万8200ドルが目先天井。4,5月は安い。来週この4,5月安は改めて。

 

つづいて。マスコミの中国主導のAIIB不参加をとがめる論調を私は何てアホな、と思っている。バカじゃなかろか。

 

 中国の外貨準備残は巨大で昨年末3兆8430億ドルある(日本は1兆8000億ドル)。しかし、これを引くと中国は対外資産より対外負債の方がずっと多い。債務国が国際的な銀行を作るなんて、私には悪い冗談としか思えない。米国は基軸通貨ドルを持っているからいいのだが人民元が国際的に通用していないのだから、何を考えているのだろう。

 

 しかも中国は本部は北京、トップは中国人、出資の50%は中国という。そんなところに参加して、日本はのけ者にされるだけ。

 

 英国が参加しているのは、AIIB債を発行してもらいたいからだし、ドイツ、フランスも道路などのインフラ投資のおこぼれにあずかりたいから。

 

 先ほど述べた外貨準備にしても、すでに減少傾向で借り入れを3か月で1500億ドルのペースで増やしてごまかしている。危ない危ない。

 

 

 

 今週は来年の8年ぶりの日本でのサミットに絡んでセキュリティに注目してみた。

 

 綜合警備保障ALSOKは最高益更新で株価も新値更新。ただ株価収益率は22倍で、割安とは言えないがやすいところは魅力的。

 

 セコムもいい。四期続けて最高益更新。株価収益率も21倍。これも安い日に狙って、来年のサミットまで持つ。ただしご投資は自己責任で。

 

 ただほかの銘柄はあまりお勧めしたくない。監視カメラのメーカーもあることはあるが、まだ業績は大したことなし。

 

 

 

 映画のセリフから。「こいつは俺にそっくりだ。抜き身だ。こいつも俺もサヤに入っていない刀だ。でもな、本当にいい刀はサヤに入っている。」

 

 映画の幕切れ。三船敏郎が仲代逹矢をすさまじい決闘で斬ったあとのセリフ。本当にいい銘柄は、長期で持つものです。目先を狙って信用買いするとヘッジファンドのエジキになりますよ。老爺心ながら。

 

 

 

 私は来週のこのブログは米国に行っていますのでお休みします。ご愛読を感謝しておりますが、1週間ご辛抱ください。

 

« 2015年3月 | トップページ | 2015年5月 »