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2015年5月30日 (土)

映画「フォーカス」と中国経済の破綻と上海株暴落時期(776)

映画「フォーカス」と中国経済の破綻と上海株(第776回)

 かつての名作「スティング」とか小説「百万ドルを取り返せ!」とかー。詐欺を扱うコン・ゲームは私の大好きな分野だ。あんまり興業的には当たらなかったが、ウィル・スミス主演の「フォーカス」は十分に面白かった。

 「盗む相手の視線(フォーカス)を操ることが出来れば、なんだって盗むことが出来る」とウィル・スミスが女弟子のジェスに教える。この女優マーゴット・ロビーが何ともセクシー。「ウルフ・オブ・ウオールストリート」のレオ様の夫人役のあの超美人だ。人気が出るだろうなあ。スタイル抜群だし。

 いろんな詐欺が出て来るが、ヤマ場は「スティング」に少し似て「パニック・ボタン」だ。詐欺師が相棒の急所を外して撃ち、命は助けるが、周囲には殺したと思わせる。きわどい作戦だ。

いま、中国がきわどいことをやっている。一方、日本株が11連騰で世界の注目の的だ。円レートも118円50銭から120円50銭の1月から続いていた持合いを一気に上放れている。

 円安の背景はイエレン発言(22日)に反応したコンピューター売買(アルゴリズムという)だろう。円売り日本株買いのプログラムが一挙に動いた。

 株の方は欧州機関投資家が日本経済の前途を確信して長期買い。

 たしかに世界中に金が余っている。加えて日本の場合企業収益はどう固く見ても今期15~18%増益だし、株主優遇のため増配、自社株買いなどを企てる企業は多い。いい環境だし、GPIF、日銀ETFその他の官製相場の買い勢力が下値を支える。

 円レートはチャーチストは128円というが、そこまでゆくまい。G7での要人発言がこれ以上の円安をけん制する。125円、せいぜい126円だろう。

 株?11連騰はあと三日もすれば一休み。そこで出遅れ買いが又入り、2万2000円の達成は案外近いのではないか。

 私は2017年には①安倍・黒田両キーマンの任期満了を翌年に控えて、少なくとも第一の矢は終わりになる②中国がそのころハードランディングに突入する。この予想に立って、今年と来年でオイシイ成果を得なさい、とアドバイスしてきた。幸い、ファンの方々からは感謝の言葉をいただいている。

 どんな銘柄?出遅れ狙いなら、2007年から50%時価総額で下げている。大手銀行株。順張りなら電子部品か警備保障の一流もの。この説明はこのブログの読者なら先刻ご存じだろう。初心者はJPX400のインデックス・ファンドがおすすめだ。

 

 リスクは何か。ギリシャ問題は6,7月が「正念場」だそうだが、もう何回目なのか。EUをギリシャが脱退すれば銀行は取り付け騒ぎになるし、ドラクマが大幅に切り下げられるので、瞬間ユーロ高だ。しかしその確率は高いとは思えない。

 もっと大きなリスクで週刊誌まで騒ぎ出したのが上海株大暴落リスク。

 これも私は、今年、来年には表面化しないと考える。なぜか。上海株こそAIIBと並んで習近平が仕組んだコン・ゲームでバブルそのものだが、映画のように一部の国家をダマクラかし、また金利を引き下げて破局を押さえ込み続ける余地があるとみるからだ。

 上海株のコン・ゲームをはっきりと示したのが図だ。産経の田村秀男さんがつくった。

 

 

 

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 図にある通り、昨年11月と今年2月、5月11日と三度も利下げを行い、上海株は2500から4500に急上昇した。企業収益は悪化しているし、李克強指数として知られている実体経済の指標もメチャ悪い。(最近月、前年同月比、%)

 鉄道貨物輸送量マイナス 27・8

 電力消費マイナス 7・4

 銀鉱の社会融資マイナス 80・8

 

それじゃハードランディングが近い、と誰もがかんがえる。しかし、金利の引き下げ余地がまだ十分ある。現在の政策金利は5・1%。消費者物価は0・7%(コア物価は0・4%)だから、あと何回でも下げられる。3^4%は十分下げられるとすると、今年、来年前半はこのイカサマゲームは、何とか、もつ。

 日本がバブルが破裂してから、銀行破たんまで金利を引き下げ引下げして破局を回避したのを同じことをしている。最後は同じことになるのだがー。

 

 私の上海に住んでいるあるニュースソース(日本人だ)が、最近共産党の高官から「私の息子を養子にしてくれないか。カネはこれこれ」と頼まれた、と言っていた。断ったそうだが、別の高官から同じ話が又あったらしい。ワイロをとれなくなった役人が株で儲けて国外逃亡を図っているのだろう。

 

 普通、利下げすれば人民元は切り下がる。しかし中国人民銀行は人民元の対ドル・レートを小刻みに切り上げている。これは昨年後半以来加速化している資金流出を食い止めるためだ。これもムリな話だ。私は「ムリへんにムリと書いて習近平と読む」といっている。

 中国の外貨準備は昨年6月以来減少の一途。半年で1500億ドル減。9カ月で2630億ドルも減った。国際金融市場での外債発行や銀行借り入れで外貨準備残が減らないよう努めているが、よくまあAIIB設立なんてズウズウしいことが言えると思う。あんなものに日本も参加すべし、と言っている人の顔が見たいものだ。

 

 結論。当分日本株のことは心配せず強気一貫でいい。カラ売りしている向きは早く買い戻しなさい。

 映画のセリフから。主人公が犯罪の教師であるオヤジの言葉を弟子に紹介する。「更生してるか?と聞かれたんだ。」「それで?」「仮出所するたんびにオレは更生しているんだ、とさ。」

いつの日にか日本株もこんないい環境からは変化するだろうが、まあ当分大丈夫。ご心配なく。

2015年5月24日 (日)

映画「黄金」と金相場の今後と投資作戦(第775回)

映画「黄金」と金相場の今後(第775回)

 今週は「駆け込み女と駆け出し男」を観た。井上ひさし原作の「東慶寺花だより」の映画化だがよくまあ脚本としてまとめたものだ。話が込み入っているので映画としてはわかりにくかった。あんまり面白くなかったし。

 今回の「黄金」は1948年の白黒スタンダードのクラシック。監督ジョン・ヒューストン。アカデミー監督賞を獲得した。主演ハンフリー・ボガード。

 メキシコで食い詰めた二人のアメリカ人が金探しの名人らしい老人に出会い、一獲千金を狙って山に入る。首尾よく砂金を見つけるがお定まりの仲間割れで、最後に砂金は風で飛び散ってしまう。

 

 老人のセリフ。「地図とシャベルがあれば金を掘りに行けるが、一人ではさびしくてやりきれない。さりとて仲間がいれば、殺人が起こりかねない」。ジョン・ヒューストン監督お得意のテーマだ。

 

 金を今週取り上げるのは、実はこのブログの愛読者からのリクエストにお応えするため。私はこの15年間、私は第一商品で「最近の投資環境と金相場」という題で月一回講演をお受けしている。株、為替、それから金価格の見通しをお話ししているので、私のファンの方々は情報が重なるかも知れないが、ご辛抱を。

 

 NYで「オンス建てドル建て」でみると、317日の安値1144ドルと、51日の1170ドル。チャートでみるとダブル底がついて、オンス1250ドルのフシメに挑戦しておかしくない。

 一方東京市場の「グラム建て円建て」の方も底値確認だろう。昨年1217日の4460円、今年318日の4446円。427日の4487円と3回底をつけたので、まあこの近辺は底値だろう。

 

 そこで売り買い作戦をどうするか。まず需給の分析が大切だが、産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシルの201513月期のレポートが最近発表された。

 結論は久しぶりの需要が供給を上回った。総供給前年同期比横這いの1089・×トンで総需要はプラス3%の11028トン。136トンの供給不足。

 昨年1012月は1101トン。2014年で1739トンの供給過剰だったから、需給バランスは安定。つまり需給関係は好転しているもののまだ大幅に価格上昇を推し進める力が欠ける状態だ。

 

 ただし、買い手が現れていることは注目されていい。ギリシャ問題に絡んで欧州諸国の投資家が主に米国、英国、ドイツなどの証券取引所に上場されているETF(上場投資信託)を購入していることだ。ことし13月は257トンの買い越し。201313月以来、9・四半期ぶりの出来事である。

 またインド人の金買いも全同期比22%増の1508トン。

 もちろんいい話ばかりではない。中国人は最近バブル相場の株式を選好し13月はマイナス10%の2132トン。何しろ証券口座が5倍の800万になったとか。

 また最大の悪材料のFRBの利上げが9月以降に控えていることも忘れてはなるまい。(もっとも私はもう価格面では、このストーリーは8割方織り込み済み、と考えているが)。

 

 結論。東京金先物は4500円近辺の底値買いは私は自信を持っておすすめできた。NY市場の金基金ものは1200ドルを中心に上下何十ドルの保合だったか。

 

 NYと東京の差は、もちろん円の対ドル安。45月の金価格上昇は、326日の11881銭から413日の12065銭。5月の方は420にCHの11853銭から520日の12110銭の円安。この二つが4700円近辺への金価格高につながった。

 

 では今後円安が続いて、東京金市場の価格上昇になるか。私は520日の12160銭がすぐ1223円ぐらいまでゆくか、行かないと思う。

 なぜか。たしかにチャート上は1月以降の11850銭から12050銭のレンジを上放たれているのだから。円安が進むゾ、と誰もが考える。市場のことだから、全くない、とはいえないが。

 しかし、私は日米双方がこれ以上の円安を望んではない以上、おのずとブレーキがかかる、とみている。

 

 まず日本。5月の国会答弁や記者会見で黒田日銀総裁はこれ以上の円安は望まない旨の発言をしているし、TVで浜田宏一内閣官房長参与は「120円は行き過ぎ、105円が妥当」と述べた。

 米国側も59日に米財務省が発表したレポートで「ドルの実効レートは2014年下半期79%、201513月に4%上昇した」とし、ドル高が米国の輸出に影響を与えていることを強調した。

 

 市場に影響を与えるテはいくらでもある。市場に支配力を持つヘッジファンドが512日から最新の19日までの間に円買いを厚くし、38000枚から63000枚に増やした(大口投機玉)。ワシントンのムードを読み取る情報網を持つ連中だ。

 だから東京金市場でグラム4800円以上にいったら、そこは私は少なくとも買いたくない。ご投資家の方々はどうぞリスクをご認識の上、投資なさいますよう。

 私は「金」は国際情勢が混とんとしている現在、リスク回避に不可欠の投資対象と考えている。全財産の3%は持つべき、というのは持論だ。また何年か先にはオンス3000ドルを目標にしている。結論。現在の金相場は見送り。長期の現物投資なら大賛成。

 その意味ではTOCOMが始めた「東京ゴールドスポット100」はいい投資先。お取引業者に聞いてごらんなさい。

 

 映画のセリフから。老人が言う。「金は魔物だ。2万5000ドルほろうと思って出かけて何ヵ月も見つからないと、1万ドルでも5000ドルでもいいと思う。だがな。いざ金を発見したら、あと1万ドル掘るために死んでもいいと思う。」カネと読み変えても人間の本性は同じと思う。おカネはありすぎると人をダメにする。私は永い間に十分、見て来た。ほどほどに、どうぞ。

2015年5月16日 (土)

映画「ロッキー」と官製相場とヘッジファンドとの激闘(第774回)

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映画「ロッキー」と官製相場とヘッジFの激闘(第774回)

 今週は「ビリギャル」を取り上げるつもりだった。口コミで只今大ヒット中。副題が「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」。たしかに聖徳太子をセイトクフトコと高2で読む出来の悪い女子高生のサクセスストーリーだから後味がいい。私が観たのは平日の午後イチだったが、若い女性で満員だった。おすすめできる。

 にもかかわらずわざわざ2006年の「ロッキー」を取り上げたのは、連日ヘッジファンドと日本側「官製相場」とのせめぎあいから。まるであの「ロッキー」の死闘を思わせる。

 

 ヘッジファンドは連日ヨーロッパ株式市場の下落とドイツ国債を中心とした長期金利上昇(債券価格下落)を材料に、日銀ETF買いやGPIFの買い注文が出ない時間帯を狙って、主に先物市場で売っている。1213日は何とか持ちこたえたが14日は日銀買いもかかわらず三ケタの下げ。ようやくヘッジファンドの売りが終わって15日は上げた。

 売り材料の第一は原油価格の底入れ感、とくに米国の高水準の原油在庫の減少傾向。バレル60ドル近辺を維持している。

 となるとデフレ期待率つまり逆オイルショックのボーナス効果の減退は、長期金利の上昇と株安につながる。(2014年のIMF予想ではインフレ期待率は米国マイナス07%、日本マイナス006%)

 第二は日本の物価。東大日次物価指数は511日に前年比プラス09%と201449日以来の高い上昇率となった。ヘッジファンドはこの数字に注目しており日本国債の金利も「必ず上昇する」と見ている運用担当者も。

 つまり日本のデフレ脱却が企業が円安などを理由に価格転嫁をはかるフェーズⅠから、家計が価格上昇を受け入れて次の段階に入っているーと見ている。

 第三に景気指標の好転も材料視されている。12日に内閣府から発表された3月の景気動向指数の先行指数が3か月ぶりに08%前月比で上昇。OECDの3月の景気先行指数も5カ月連続していることもヘッジファンドは、日本経済の転機近し、と読んでいる。

 では株を売るのはおかしいんじゃあないか。ごもっともです。しかし、かりに19300円を瞬間でもきればもうかるオプションをヘッジファンドが買っているのは周知の事実だ。そうさせまいとする官製相場との闘争が、連日行われている。これが現実だ

 マスコミ好みの暴落、ではない。金融緩和状況下の企業収益増加という株高には理想的な環境。Quick予想は20163月期185%増益予想。イールドスプレッドはマイナス6%を超え、米国のマイナス39%より割安だ。

 前述のオプションが通貨と両建てのバイナリ―オプションであることはこのブログで指摘した。シカゴ市場での投機玉の売り越しは4月下旬の5500枚から31200枚に急増しているのと合わせて考えると円安で瞬間株安、その後一転して日経平均2万円を狙って買いあがる作戦、と予想できる。乱高下、ですな。しかし、下げたところが買い場となることは自信持って言える。

 このシナリオが壊れるとしたら中国経済のハードランディングだ。

 3週ほど前に私はいろんな指標の悪化を指摘した。まだ私はあと12年は何とか崩壊には至らないと思っているが、減速のペースがひどくなってゆくことは必至だ。

 自動車を例に。2015年のメーカーの生産能力は前年比2割多い5000万台。ところが新車の販売予測は2500万台で、操業率は50%で、適正とされる80%よりぐんと低い。過剰生産能力は米国市場の年1700万台より多い。欠損企業が続出するだろう。不動産バブルの崩壊に加えて、最大の産業の赤字化だ。中国の景気が良くなるはずがない。撤退されつつある日本企業は、早く逃げ出されるよう願ってやまない。

 

 映画「ロッキー」は作品、監督、編集の三賞を獲得したが、私は音楽のビル・コンティこそ受賞すべきだったと思う。トランペットの高音とパーカッションの低音が響き渡り、人の心に勇気を与える。名曲だ。

 私はかつてNYで主人公の友人役ポーリーを演じるバート・ヤングにホテルのエレベーターで一緒になり、サインをもらった記憶がある。今回想い出して探したが見当たらなかった。いい人だったがなあ。

 

 映画では一時チャンピオンに叩きのめされたロッキーが立ち上がり、さあ来いと、手で示す。チャンピオンはクサる。そして判定では負けたが、実質は誰の目にも勝利し、生涯一度のチャンスをつかみ取る。そして「エイドリアン!」と恋人を呼んで抱き合うラスと。タリア・シャイアも良かったなあ。

 

2015年5月 9日 (土)

映画「龍三と七人の子分たち」とセル・イン・メイ(第773回)

映画「龍三と七人の子分たち」とセル・イン・メイ(第773回)

 ご存じ北野武監督の最新作で、ヤクザのコメディという新(珍?)分野に挑戦した快作。元ヤクザの組長「鬼の龍三」がオレオレ詐欺に引っかかりそうになり、詐欺の黒幕の暴力組織との闘いを決意、昔のヤクザ仲間を結集させる。

 80歳をもうじき迎える私としては、平均70歳の元ヤクザというだけでもう楽しい。肉体も頭脳も老いて何かというとすぐヘマをする元親分たち。

 今週は「ビリギャル」「ラン・オールナイト」も観た。それぞれ面白かった。日曜には「ブラックハット」を観に行くつもり。

 

 龍三親分のセリフ。「野球選手とおんなじだよ。ヤクザも現役のときはいいけど。引退したらどうしようもないよ」。私はおかげさまで現役のエコノミストの仕事を続けており、7月には「次」の34冊目の新作を刊行する。マーケットという、毎日いろんな材料を吸収して動きまくる怪物を取組んでいるから、年を取るヒマがない。引退なんてとんでもない。

 

 私は前回で①1万9400円近辺で底入れしその後1万9800円。②1万9000円割れまで売り込まれ反発しても1万9500円という二つのシナリオを予想した。現実には5月7日の239円安の1万9291円が底値で、GPIF、日銀ETF買いが支えて、週末引け値1万9379円。さあ、どうなる。

 

 セル・イン・メイ、つまり5月いっぱいは調整、の見方がある。

 2012年の場合、3月27日1万255円高値から6月4日8238円まで20%下落。材料は欧州債務問題。

 2013年の場合。5月23日高値1万5942円から6月13日1万2415円まで22%安。バーナンキ発言によるショック。

 2014年はアベノミクス好感で上昇だったが、今回は4月23日の2万252円の高値がどのくらいまで下がるか。

 ヘッジファンドの4月に買った分の売り残しが1兆円ぐらいあると思う。またヘッジファンドの決算が5月20日なので回に回ることはあるまい。下値はいくらか、いつか。

 5月下旬まで調整。高値から1500円なら1万8752円。そこを官製相場で下支えすれば1万9000円近辺で止る。

 そこで注目されるのは、ワールドマネーの動向だ。債券市場から現在逃げ出しかけている巨大資金が株式市場に向かえば、セル・イン・メイは「バイ・イン・メイ」に変わる。

 債券価格の急落はご存じだろう。

 債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのCEOガントラック氏がドイツ国債の空売りを「無リスクで、巨大リターン」と主張。つれて2年もの国債のマイナス0・2%は大して変わらなかったが、10年もの国債は0・1%以下だったが、0・8%に急上昇(債券価格は下落)した。

 株買いに変わる兆候は5月8日のNYダウの267ドル高(1万8191ドル)だろう。この日発表の4月労働統計は22万3000人で予想通りだったし、決算発表も格別目立ったわけではなかった。NYダウ平均株価は3月2日の1万8288ドルの高値に接近中。ここを抜いてくると、米国経済減速の中での上昇だけにアレレということになろう。

 ついでに言うとイエレンFRB議長の株価がきわめて割高発言は、そこらを見てのけん制球だろう。

 

 長期でのご投資のアイデアを。それは英国株投信。保守党勝利もさることながら、ガトウィック空港近くで埋蔵量1000億バレルの巨大油田が発見されたという報道を私は重視している。

 70年代以降の北海油田が累積生産量450億バレルだから、この巨大油田の意義が分かる。

 サッチャー政権時代、政府収入の16%、輸出の20%は北海原油で、国債は新規に発行せず償還だけになり、国債発行残は200%から50%に下がった。このミラクルの再現が必ずある。いま40歳代のご投資家はどうぞご検討を。ポンドもFT指数もダブルで上昇するだろう。

 

 映画のセリフから。かつて全員親分だった8人のうちだれが親分になるか。点数を「前科」で決める。殺人1回10点、傷害5点、懲役1年1点。これで55点の龍三が親分に。次点のマサが逮捕されたとき龍三に言う。「出て来たら今度はオレが親分だな」「何が?」「だって二人刺しているもん」「バカヤロ、てめえが出てくる頃には、みんな死んでらあ」。私のおすすめは、死なない。どうぞご検討を。

2015年5月 2日 (土)

映画「ソロモンの偽証」前後編と「地震」のその後(第772回)

映画「ソロモンの偽証」前後編と「地震」のその後(第772回)

 今週は北野武監督の「龍三と七人の子分たち」を楽しみながら観た。8月で80歳になる私としては、ジイさんたちの大活躍(ただしかなり間の抜けた)は楽しく、私は笑いっぱなしだったが、これは来週に。

 今回はただ今ヒット中の「ソロモンの偽証」。前後編合わせて4時間半を超える力作で見ごたえがあった。宮部みゆきの原作は文庫版で6冊にもなるんだから長い。しかしスペクタクルシーンがあるわけでもないのに目が離せなかった。

 校庭で中三の男の子の死体が発見される。自殺として処理されたが密告者がいて、犯人は校内暴力で皆から嫌がられている地元有力者の息子を告発。学校側は何とか事件を事なかれ主義でおさめようとする。正義感に燃えた女子生徒を中心に学内で裁判が始まる。

 

 先週私は「植木屋の地震」ココロは木(気)がモメるー。として4月30日を挙げた。結果は1勝1敗。

 現地時間で4月29日。安倍首相はワシントンの上下両院合同会議で演説。大成功だった。

 ワシントンの友人に聞くと、40分のスピーチでまあ数回あれば成功だが、私が数えたところでは始まりと終わりをのぞいて、全員起立のスタンディング・オベーションは13回。マスコミの反応も「訪米成功、上質の演説を披露(WSJ紙)」「アベ演説は第二次大戦時の敵国で現在は最も緊密な同盟国である日米の和解を象徴。拍手とスタ・オべで何回も中断(ロイター)」

 中国と韓国は否定的反応だったがどんな言葉を使っても満足するはずがないので、驚くには当たらない。

 

 一方、日銀の追加緩和せず、の報道は30日の日経平均538円の大幅下落を呼んだ。全面安。翌5月1日は11円高で済んだが、下落視した銘柄数は78%、上昇した銘柄は7%に過ぎなかった。しかも日銀のETF買い、1日当たり365億円を投じてである。

 4月に入り、ヘッジファンドはロンドン発の「追加緩和4月30日必至。日経平均2万1000円」レターで、主に銀行株を狙った。第1週から第3週までで現物先物併せて1兆4765億円も買い越し。

 これが売りに回ったのだから、4月30日、5月1日の二日で消化できるはずがない。連休明けの7,8日がどうなるやら。ああ気がモメる。

 私は1万9400円近辺で底入れ(かなりGPIF、日銀の防戦買いが成功して)、その後1万9800円ぐらいのゾーンという楽観シナリオ。その確率は60~70%。

 一方、1万8999円という1万9000円割れまで売り込まれ、反発しても1万9500円という悲観シナリオを確率30%らいで予想している。

 二つの投資作戦。銀行株の中心例えば三菱UFJ。高値から15%ぐらい下げたら打診買いを入れ2,3回に分けて買う。秋にはゆうちょ銀行の公開があるし、三菱jは一株当たり純資産より時価は低い。

 もう一つは低位株で、2016年3月期以降の業績がいいもの。永い間214円のフシ目に挑戦して跳ね返されてきた三井造船が動き出した。昨年高値の260円までゆくと期待される。もちろんご投資は皆様の個人責任で。

 

 株式市場全体が2015,16両年に弱気になる必要のないことは繰り返して述べた。

 先々週、私がNYのヘッジファンドのマネジャーに会った体験を。

 それに円安と逆オイルショックも手伝って企業業績がいい。しかもきわめて多数の企業が自社株買いなど株主還元の必要性に目覚め始めている」。

 目標値は?と聞くと「3万円」とか「4万円」を2,3年間でとの返答が多かった。1年間では2万2000円から2万5000円。「だから6,7月に下がったら買いに入る」。

 私が聞かれたのは、GPIFの買い   

 「昔1980年代のバブル相場と今回の上げ時、似ているが違う。1980年代後半は企業の財テクブームに乗った“トッキン”(特定金銭信託)買いで、業績の伴わない株価上昇だった。

 今回は違う。官製相場というがGPIFがやっているのは世界の年金の運用の常識に合わせているだけだ。」 

 私は「2014年10~12月のGPIFの日本株買い増しは1兆8000億円で、12月末の組み入れ比率は19・8%。2015年1~3月は1兆2000億円の買い増し、組み入れ比率は22・3%と推定される。」

 「買い増し余力は12月末で7兆1000億円だったが、3月末では3兆8000億円に減少。」値上がりがなくても7月頃には買い余力は極めて乏しくなる計算だ。ニューマネーも入って来るが、日本の機関投資家、個人投資家が現在の売り越しから買い方に転換しないと株価の本格上昇は期待しがたい。

 「ミスター・イマイ。あなたはどう思う?」

 「経済の好循環と、現在は手堅すぎる企業収益予想を上回る半期決算発表で、個人が買いに転じると考えている。」

 「あなたはいつも強気だからね」

 

 映画のセリフから。ワルの少年の有罪説に対し担当の女性刑事が言う。「大出君は犯人ではありません。この子の悪さは単純で、気に入らなければその場で殴る。欲しいものがあれば取り上げる。以前の体験で殺すほどの根気はありません。」日本の個人投資家はちょっとソンするとすぐ投げて、せっかくの買いチャンスを早逃げしてしまう。その後の上昇分をつかみ損ね、ソンする投資家がいかに多いことか。ここはガンバリ時。どうぞこのブログの読者の方だけでも日本株のいいものを買ってください。ご自分の為です。

 なお、ネパールの地震へは被災者に心からお見舞い申し上げます。念の為。

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