今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ


« 映画「ロッキー」と官製相場とヘッジファンドとの激闘(第774回) | トップページ | 映画「フォーカス」と中国経済の破綻と上海株暴落時期(776) »

2015年5月24日 (日)

映画「黄金」と金相場の今後と投資作戦(第775回)

映画「黄金」と金相場の今後(第775回)

 今週は「駆け込み女と駆け出し男」を観た。井上ひさし原作の「東慶寺花だより」の映画化だがよくまあ脚本としてまとめたものだ。話が込み入っているので映画としてはわかりにくかった。あんまり面白くなかったし。

 今回の「黄金」は1948年の白黒スタンダードのクラシック。監督ジョン・ヒューストン。アカデミー監督賞を獲得した。主演ハンフリー・ボガード。

 メキシコで食い詰めた二人のアメリカ人が金探しの名人らしい老人に出会い、一獲千金を狙って山に入る。首尾よく砂金を見つけるがお定まりの仲間割れで、最後に砂金は風で飛び散ってしまう。

 

 老人のセリフ。「地図とシャベルがあれば金を掘りに行けるが、一人ではさびしくてやりきれない。さりとて仲間がいれば、殺人が起こりかねない」。ジョン・ヒューストン監督お得意のテーマだ。

 

 金を今週取り上げるのは、実はこのブログの愛読者からのリクエストにお応えするため。私はこの15年間、私は第一商品で「最近の投資環境と金相場」という題で月一回講演をお受けしている。株、為替、それから金価格の見通しをお話ししているので、私のファンの方々は情報が重なるかも知れないが、ご辛抱を。

 

 NYで「オンス建てドル建て」でみると、317日の安値1144ドルと、51日の1170ドル。チャートでみるとダブル底がついて、オンス1250ドルのフシメに挑戦しておかしくない。

 一方東京市場の「グラム建て円建て」の方も底値確認だろう。昨年1217日の4460円、今年318日の4446円。427日の4487円と3回底をつけたので、まあこの近辺は底値だろう。

 

 そこで売り買い作戦をどうするか。まず需給の分析が大切だが、産金業界団体のワールド・ゴールド・カウンシルの201513月期のレポートが最近発表された。

 結論は久しぶりの需要が供給を上回った。総供給前年同期比横這いの1089・×トンで総需要はプラス3%の11028トン。136トンの供給不足。

 昨年1012月は1101トン。2014年で1739トンの供給過剰だったから、需給バランスは安定。つまり需給関係は好転しているもののまだ大幅に価格上昇を推し進める力が欠ける状態だ。

 

 ただし、買い手が現れていることは注目されていい。ギリシャ問題に絡んで欧州諸国の投資家が主に米国、英国、ドイツなどの証券取引所に上場されているETF(上場投資信託)を購入していることだ。ことし13月は257トンの買い越し。201313月以来、9・四半期ぶりの出来事である。

 またインド人の金買いも全同期比22%増の1508トン。

 もちろんいい話ばかりではない。中国人は最近バブル相場の株式を選好し13月はマイナス10%の2132トン。何しろ証券口座が5倍の800万になったとか。

 また最大の悪材料のFRBの利上げが9月以降に控えていることも忘れてはなるまい。(もっとも私はもう価格面では、このストーリーは8割方織り込み済み、と考えているが)。

 

 結論。東京金先物は4500円近辺の底値買いは私は自信を持っておすすめできた。NY市場の金基金ものは1200ドルを中心に上下何十ドルの保合だったか。

 

 NYと東京の差は、もちろん円の対ドル安。45月の金価格上昇は、326日の11881銭から413日の12065銭。5月の方は420にCHの11853銭から520日の12110銭の円安。この二つが4700円近辺への金価格高につながった。

 

 では今後円安が続いて、東京金市場の価格上昇になるか。私は520日の12160銭がすぐ1223円ぐらいまでゆくか、行かないと思う。

 なぜか。たしかにチャート上は1月以降の11850銭から12050銭のレンジを上放たれているのだから。円安が進むゾ、と誰もが考える。市場のことだから、全くない、とはいえないが。

 しかし、私は日米双方がこれ以上の円安を望んではない以上、おのずとブレーキがかかる、とみている。

 

 まず日本。5月の国会答弁や記者会見で黒田日銀総裁はこれ以上の円安は望まない旨の発言をしているし、TVで浜田宏一内閣官房長参与は「120円は行き過ぎ、105円が妥当」と述べた。

 米国側も59日に米財務省が発表したレポートで「ドルの実効レートは2014年下半期79%、201513月に4%上昇した」とし、ドル高が米国の輸出に影響を与えていることを強調した。

 

 市場に影響を与えるテはいくらでもある。市場に支配力を持つヘッジファンドが512日から最新の19日までの間に円買いを厚くし、38000枚から63000枚に増やした(大口投機玉)。ワシントンのムードを読み取る情報網を持つ連中だ。

 だから東京金市場でグラム4800円以上にいったら、そこは私は少なくとも買いたくない。ご投資家の方々はどうぞリスクをご認識の上、投資なさいますよう。

 私は「金」は国際情勢が混とんとしている現在、リスク回避に不可欠の投資対象と考えている。全財産の3%は持つべき、というのは持論だ。また何年か先にはオンス3000ドルを目標にしている。結論。現在の金相場は見送り。長期の現物投資なら大賛成。

 その意味ではTOCOMが始めた「東京ゴールドスポット100」はいい投資先。お取引業者に聞いてごらんなさい。

 

 映画のセリフから。老人が言う。「金は魔物だ。2万5000ドルほろうと思って出かけて何ヵ月も見つからないと、1万ドルでも5000ドルでもいいと思う。だがな。いざ金を発見したら、あと1万ドル掘るために死んでもいいと思う。」カネと読み変えても人間の本性は同じと思う。おカネはありすぎると人をダメにする。私は永い間に十分、見て来た。ほどほどに、どうぞ。

« 映画「ロッキー」と官製相場とヘッジファンドとの激闘(第774回) | トップページ | 映画「フォーカス」と中国経済の破綻と上海株暴落時期(776) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 映画「ロッキー」と官製相場とヘッジファンドとの激闘(第774回) | トップページ | 映画「フォーカス」と中国経済の破綻と上海株暴落時期(776) »