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2015年6月14日 (日)

映画「予告犯」とギリシャ問題と為替・株(第778回)

映画「予告犯」とギリシャ問題と為替・株(第778回)

 新聞紙で仮面を作り、ウエブサイトで犯行を予告。食中毒事件を起こしても反省せず逆切れ記者会見を行った会社の工場に放火した事件が発生。「予告犯」はシンブンシと呼ばれ、警視庁公安部のエリート主任が追及に当たる。主演の生田斗真よりも女刑事の戸田恵梨香に注目して観た。

 この「予告犯」はWOWOWで毎週日曜夜に連ドラになり、こちらは東山紀之が裁判官でありながら予告犯になるといいう設定。こちらの方がずっと面白い。おすすめする。

 映画ではシンブンシはネットの健全化と称して規制を唱えた衆議院議員を、「24時間以内に抹殺する」と予告。大騒ぎになる。

 

 予告されて大騒ぎ、というとここ何ヵ月もEU脱退を取りざたされているギリシャ問題を私は連想した。

 債務が返済できないギリシャはEUから脱退、ユーロは暴落し取り付け騒ぎが発生―。

 主に英米系の破滅ストーリーはもう耳タコ。

 私はずっと「おかしいな。EUという組織には、ダメな国を脱退させる条件なんてなかったはず」と思っていた。それじゃあ、ギリシャ側が「おれ達は出てゆく」と離縁状を書かなければ破滅ストーリーは成立しない。

 実は私の知り合いのフランス人が先月来日して「その通りだ」。「へええ」。

 私はかつて経済企画庁(現在の内閣府)の「欧州通貨統合問題研究会」のメンバーだった。もう18年も前の話しだ。当時海外調査課長だった原田泰さん(現在日銀政策委員)が選んでくれた。その時以来の知り合いだ。

 会ったのは5月だから、市場ではIMFへのギリシャの債務の返済期限6月5日がXデーだといわれていた。ところが「この日に返済しない」。

 デフォルトとみなさず、「バンドル条項」というのを適用、6月12日、19日にもあった返済計15億4000万ユーロを、月末の支払期限は統一する。その後の推移をみると彼が予想した通りだった。

 「IMFはお役人だから、自分たちが死刑の執行人になるのはイヤで、7月に返済期限が来るECBにゲタを預ける」なるほど。

 「緊縮政策の原理主義者ドイツがECBは握っているから、そこでギリシャの首を斬る?」

 「いや、ギリシャの粘り勝ちになって、ヘアカット(債務削減か長期返済への切り替え)で終わるのでは。」確かにこの人の言う通り、ユーロという組織を守るコストと考えるなら1年間で270億ユーロ(3兆7000億円)は一見大きいように見えるが、実はたいしたことはない。30~50%のヘアカットを考えれば、むしろ安い。「ギリシャ国民はEU脱退は希望していないし、ツイプラス首相も残留を公約して政権を取った。」

 「離脱検討なら国民投票になるが、EU首脳部は、それはしたくない。大嫌いだ。」

 私は、そこで「あなたの言うシナリオの確率は?」

 「60%以上。」

 6月末にカタがつけば、日本はもちろんNYも、もちろん欧州主要国の株価にも好影響がある。

 ユーロの対ドル・円レートも、上昇。対ユーロでも円安に振れるだろう。すぐ結論が出るので私は心配だが。かりに40%のデフオルトの方になる可能性もあるので、その折はご勘弁を。

 

 私は別の観点からは実は日本株に短期的に弱気だ。

 珍しいといわれそうだが、実は6月12日のSQ。

 朝方伝わった市場推計値は2万0473円。しかし日経平均はこのSQ値を上回らず、いわゆる幻のSQ値となった。経験的にはこれが出ると、翌週月曜日になるか、その後何週間になるかは別として弱気相場になる。

 ヘッジファンドが2万円割れを狙って仕掛け、GPIFや日銀ETF買いで応戦、というもうお馴染みの展開になるかも。

 

 それでも日本経済に、好循環に入りそうな指標がかなり見えてきているのは、注目されていい。

 先日嶋中雄二さんのセミナーで「銀行貸し出しが伸びてきており、信用乗数が上昇しているのでは」と聞いた。また設備投資も上昇していることは確実。

 「2016年から日米ともにゴールデンサイクルが実現しうる」という嶋中さんの持論を聞いた。

 衆院議員の山本幸三氏がこの嶋中説を5月に訪米して、FRBイエレン議長に紹介した。大変興味深いといわれたとか。一時的な株安でも、私の強気は変わらない。

 

 映画のセリフから。エリートの女性刑事が犯人に言う。「全部社会のせいにして、ネット上で神様気分に浸って分じゃないよ!私の知り合いにね、給食費さえも払えないような家に育ったけど、そこから死ぬ思いで這い上がって立派な社会人になった人間がいるわ。甘えてんじゃないわよ!」「あなたにはわからない。」実はこの「知り合い」とは、女刑事本人だった。

 ギリシャ問題よりも、肝心なのは日本経済。官製相場と言われようがどうしようが、少なくとも今、来年は上昇相場。この見方は変えない。本筋さえ見間違えの内容にしたい。這いあがったエリートのように。

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