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2015年7月26日 (日)

映画「ジョーズ」とソロス、バフエット、ジム・ロジャーズ(第784回

映画「ジョーズ」とソロス、、バフェット、ジム・ロジャーズ

 夏だ。海だ。となるとすぐ思い出すのが「ジョーズ」。1975年の大傑作だからもう40年も前で、スピルバーグはまだ28歳!「激突!」をつくったあとの第二作だ。

 CGがない時代の、つくりものの鮫で、あれだけコワーい映画を作るんだからすごい監督だ。

 

 最後は、サメの口に入ったガスボンベに警察署長ロイ・シャイダーの射った弾丸が当たって怪物はバラバラ。

 

 これと同じように、ギリシャと中国で大騒ぎした何日間かは終わり。ゲーム・イズ・オーバー。

 

 ギリシャ国債のCDSのレートは8566ポイントから1993に下がり、ドイツ銀行の株価は26ユーロから31へ。まあ普通の状態に戻った、ということだ。

 一方、上海株も7月9日の安値3373が4070まで戻し、爆買いの指標株ラオックスも401円から564円の新高値更新。私の予想通り。

 私は大方の弱気をヨソに大丈夫といいつづけたたが、結局私の勝ち。バカじゃなかろうかと思われたらしいが。一部の期待(?)した破滅説は現実のものにはならなかった。

 

 さて、今回は年の前半が終わったところで、世界を代表する著名投資家が新年に予想した相場予測をひっぱりだしてみた。

 

 まずジョージ・ソロス氏。年頭のウエブサイト「マーケット・リーダー」によると―。

 「原油の急落、欧米の経済制裁により、ロシアはデフォルトに近付いている。その場合は1998年の再来かそれ以上」。

 

 次にウオーレン・バフェット氏。バークシャー・ハサウェイ社は昨年末に石油関連の投資を拡大した。子会社を通じシェールガス開発の使用される化学事業を買収。また石油の商社チャーターブローカレジも買収した。エネルギー関連の株安をチャンスと見ている。

 

 三番目はジム・ロジャーズ氏。「実物資産の“金”を持つべし。投資対象はロシア」。金は1000ドルを下回ったら買い。ロシアはルーブルが原油安を機に急落したが外貨準備は巨額(3602億ドル)で支払い能力は高い。原油の安い期間は永続きせず屈指の投資対象だ。」

 

 ロシアについてソロスvsロジャーズの対立が目立つ。現実には―。

 ロシア国債のCDSは2月の630から347でこれは信用力を示す。マル、だが、株価の方はRTSは5月の安値1150が最近859でバツ。ルーブルは対円で2・11円で昨年は2.8円、98年には17円近辺だったからバツ。

 成長率は今年第一・四半期でマイナス2・2%。IMFによるとマイナス3・8%の通年マイナス成長予測。失業率は6月5.4%が前年同月4・8%。しかもプーチン大統領は内務省職員を11万人も解雇すると25日に発表した。全部、バツですな。ただ、プーチン支持率は89%!信じられないがなあ。

 

 まあジム・ロジャーズ氏はソロス氏とは視点が違うのだろうが、どう見ても、ギリチュウのあとはロシアくさい、原油価格もフシメの50ドルを切っているし。ソロス予測がどうも正しそうだ。

 

  金価格は。10営業は連続安で24日には1085ドル。他の商品もみな安く、ロイターCRB指数は209。これはリーマン・ショック後のどん底時の水準で、当時のNY株価は7000ドル割れ。株の方は1万1000ドル上昇したが、ここまで下がると世界不況とかいう言葉が頭をよぎる。

 ドル高に反応したヘッジファンドのプログラム売りが、金価格の下げ相場に拍車をかけている。私も金は大底圏と見ており、そういう時には下げの方の行き過ぎが起きるものと思う。しかしFRBの利下げ→ドル高はまだこれから。

 NY株、NY債券共に今後とも安そう。資源関連も少なくとも目先はダメくさい。

 

 となると日本株。先週に週刊版「バロンズ」誌がカバーストーリーで「日本の優良株は買い場」と推奨した。具体的にはソニー、日立、NTT、三菱重工、三菱UFJなど。

 また「バロンズ」日刊版では防衛関連に注目。銘柄としては川崎重工、新明和、東京計器。

 

 東芝と安倍長期政権への疑念はあるのだが、世界の機関投資家が買うとしたら日本株だろう。だから私は強気の見方を変えない。

 

 映画のセリフから。小さな船で鮫退治に出かけるが、水面にガバッとサメが現れて署長のブロディだけが巨大さに唖然とする。そこで「もっと大きな船が必要」とつぶやく。このセリフは米国では慣用句になっていて、想像しなかった大事件が発生したときに「もっと大きな船が-」という。私もパーティなどでよく聞いた。このセリフがまた飛び交う日が来ませんように、桑原桑原。

2015年7月19日 (日)

怪談「牡丹燈籠」とギリチュー・アゲイン(第783回)

怪談「牡丹燈籠」とギリチュウ―・アゲイン(第783回)

 机の上が資料で山のようなので整理してみた。ギリシャの方は「デフォルト必至」「脱退の連鎖」という見出し、中国の方は「中国経済に打撃」「市場原理無視」などなど。破滅論がなんと多いこと―。今となっては何となく、そんなこともあったの、という感じだ。

 

 私が楽観的である続けたことご存じの通り。ロジックとしては―。

 「ギリシャ問題はドイツ問題。ドイツの大手銀行が倒産保険CDSを大量に保有しており、デフォルトにさせられない。このことを熟知しているIMF、EU、ECBは、ご存じの通りデフオルトにせず、、今や追い貸しまでやっている。騒いだ方がバカみたいなモンだ。

 

 一方、中国の方はいまだに連鎖を恐れる声が高い。株式市場の暴落に続いて不動産市場も急落が始まりかけており、急速な信用収縮が起こるのではーという懸念。経済学でいうミンスキー・モーメントだ。

 私が2017,8年にはダメになるが、それまでは大丈夫というのをオカシイというご質問も。

 

 今回はいつもの映画でなく、只今歌舞伎座で上演中の「怪談牡丹燈籠」を取り上げる。坂東玉三郎と市川中車が大西信行台本で、明治時代の名人円朝の十五夜にわたる長い高座を整理して人間ドラマにした。つましく正直に生きてきた半蔵はお峰夫婦が幽霊の手助けをして大金を得、結局人生を狂わせてしまう。

 

 怪談では恋焦がれて死んだ娘と乳母の幽霊がカランコロンと下駄の音をさせてやって来る。相手の美男はとり殺されないよう高僧からお札と如来の像を身につけていったんは厄を逃れるが、主人公夫婦は百両と引き換えに札を剥がし像を盗む。

 家の柱にはってあるお札を半蔵がはがすと、幽霊はやすやすと入ってしまう。そして殺される。

 

 現在上演中の大西台本は昭和49年に文学座の杉村春子、北村一夫が初演。玉三郎は平成19年に仁左衛門と共演している。今回も見事な名演。香川照之、じゃない中車も巧い。

 

 上海株式市場の今回の大幅下落は大方の見るところせいぜい4500ポイントまでの回復で、その後長期下落―と見るのが常識。

 

 しかし私はヘソ曲がりだから、そうは思わない。上海の株価は上昇すると思う。何故か。

 中国の景気はここ何回も指摘している通り非常に悪い。4~6月7・0%なんてウソ。1~3月も7・0%だったし、今年の目標も7・0%。そんなに数字をそろえなくてもいいじゃねえか。いかにも官僚のウソくさい。

 しかし、と、私は習近平政権の高官の身になって考える。株価も不動産投資も、好転させるには金融緩和のピッチを上げる必要がある。そうだそうだ、となるだろう。

 

 実際は金融緩和で市中にジャブジャブにカネが行き渡ると、投資の予想収益が下がるので投資意欲は減退し、経済の活力はますます失われてゆく。

 しかし、意外におもわれるであろうし、「常識」外れだが、上海株は、まだまだ上がる。それは金融緩和が進んでしまうからだ。

 あとから見ると、バブルによる上昇過程の中の調整だった、ということになるだろうー。

 バカじゃなかろうか、と思われるだろうが、恐らく私は、当たる。

 資金需要がない中での金余りは、株高になるほかない。

 

 じゃあ、あの日本の株価激動は何だったの?答えは簡単、世界の景気が良くないし、円安も当分期待できないので、半導体、電子部品、それに自動車など外需関連が6月に上げ歩調で止っていた。

 そこに中国の売買停止銘柄続出で恐怖に駆られた某外資系投資家が利の出ている日本株をまとめ売りしたのが、一日何百円も下げた背景だ。

 中国からのインバウンド、特に「爆買い」も、と上海株の上昇とともに活発に続くだろう、日本へのツアーは9,10月までチケット完売で、中国のお役所の対日観光ビザを発行する部署は超繁忙とか。

 私が「爆買い」の指標としみているラオックス(8202)は7月6日の高値544円から401円まで大幅下落したが、週末17日は499円まで戻した。また高値更新、となったら私の勝ちだ。今週中に結果が出てしまうので、少々心配だが。

 

 しかし日本株の方は、以前から申し上げている通り「NYはじめ外国の株式市場が下がっても、東京株式市場はすぐ回復し、また上がる。」現にそうなっているでしょ?

 銘柄の方は内需関連がいいだろう。これも従前から申し上げている通り。

 

 心配性の方は安倍内閣の支持率下落ですぐ「大丈夫?」となるが、拉致問題に絡めての安保11法だという真の理由がわかっていないからのご心配。拉致解決となれば、支持率なんて20~30%まで上昇する。見ててごらんなさい。ウランバートルという国が要注意。

 (70周年首相談話が注目されている。しかし8月15日の終戦記念日今上陛下のお言葉が発表されるので、どう折り合いをつけるか、が本当は大問題なのだが。まあ、これは別の話。)

 

 三遊亭円朝の口座を速記したものが現在も残っている。丸山応挙の画で知られるように幽霊には足がないのが常識。それを駒下駄の音でカランコロンさせて怖さを増したのが円朝の非凡な才能だろう。あたりのさびしさが、このカランコロンで一段と増す。今回のこのコラムは、幽霊に下駄をはかせてみました-というお粗末。ご退屈さまでした。

 

2015年7月12日 (日)

映画「チャイルド44森に消えた子供たち」とギリチュウの行方

映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」とギリチューの行方(第782回)

 「連続殺人は資本主義の弊害によるもの。社会主義のわが国に、この種の犯罪は存在しない」という独裁者スターリンの言葉を金科玉条にしていた共産主義国家ソ連。人類史上最悪、12年にわたり52人の犠牲者を生んだ犯罪が放置された。

 この事件に想いを得て英国のトム・ロブ・スミスが小説とし、「チャイルド44」を書き、世界的なベストセラーに。2008年に日本でも「このミス」1位になり、英国推理作家協会の最高傑作賞を獲得した。ロシアでは発禁処分にされているが。

 

 共産主義社会の生む人権抑圧(人間の尊厳無視)」はご存じの通りだが、つい先週展開された上海株式市場へのなりふり構わない、なんでもアリの株価維持作戦と共通した恐ろしさを持っている。真実が歪められる恐ろしさだ。

 

 マーケットというものは自由でなければならない。これは鉄則だが、中国共産党政権はカラ売りを何と公安当局を使って強制調査した。売買さえ上場銘柄の半分がストップされている。このほか①ファンドマネジャーが自分のファンドを買わされる②政府は国営企業の株を買う、などなど。非常事態だから何でもあり、だろう。

 

 中国株のバブル崩壊は初めてではない。前回は2005年10月の1000から2007年10月の6124(史上最高)まで。その後リーマン・ショックもあり2008年末の2000まで。当時は9%成長だったし、4兆元の景気刺激策という余裕もあった。

 今回はどうか。昨年10月の2300から6月12日の5187まで。金融緩和と政府の宣伝とくにAIIB期待から主に信用取引を中心に上げたバブルだ。PERは60倍かそれ以上。信用買い残は時価総額の5・3%にまで、増加は半年で3・5倍に達した。これが30%以上の下げで、前述の「何でもあり」になった。

 

 実は習政権は最近矢継ぎ早に統制を強化している。「国家安全法」「反テロ法」で、とくに暗号情報をプロバイダーが当局に対し開示を義務付ける規定は、国際社会から反発されている。反外国企業法に他ならない。撤退する企業が相次ぐ日が近い。

 公表されている成長率7%は虚偽。最近月のいわゆる李克強景気判断指数①貨物輸送量(マイナス28%)②電力消費量(プラス1・7%)③銀行の社会融資(マイナス55%)。せいぜい3%だろう。

 それでも私は、中国の共産党支配がすぐ崩れるという一部の人が期待(?)している破局説はとらない。まだ習政権には打つ手は残されているから。どうせだめなのだが、2017,8年がヤマ場だろう。そこまでは、何とか、保つ。

 

 一方ギリシャ。このブログを書いている週末にはEUは首脳部が結論を出すので、荒れる月曜日が「二度あることは三度」になるかどうかわからない。

 

 しかし、これだけははっきりしている。ギリシャの債務はデフォルト(債務不履行)になったら、米欧の銀行大手が巨額のCDS(倒産保険)の損失を被る。だからIMFは債務減免を主張し、ECBもクビ斬り役人になりたくないから当面の流動性供与を重視し、ゲタをEC首脳に預けている。

 EU首脳のキーパースンは独メルケル首相であることは言うまでもない。しかし、ギリシャ国債のCDSを買っている最大手がドイツ銀行であることを知りながら、デフォルトを起こせば、金融ショックは、1,2か月のうちに発生するだろう。

 

 米国の銀行はギリシャCDSの保有高を公表している。JPモルガン4兆2470億ドル、シティバンク2兆4860億ドル、バンクオブアメリカ2兆1850億ドル、ゴールドマンサックス2258億ドル。ドイツ銀行は、JPモルガンより多いことは間違いない。だからフランスの私の情報ソースは「ギリシャ問題はドイツ問題だ」と言っている。

 6月9日。かつてトリプルAだったドイツ銀行の格付けはAマイナスからトリプルBプラスまでS&Pによって格下げされた。

 ドイツ銀行は①LIBORの操作疑惑で英米当局と和解21億ドル支払い②銀行のストレステストに不合格③格下げ翌日CEOが退社、など不安材料が多い。株価の方はそれほど下げていないがー。CDS(ギリシャ国債に対する)のレートは5月の2300から、8000以上に。現時点で、もうコスト割れだ。

 

 もうひとつ。ECBを経由してドイツ連銀はギリシャ中銀に対し、コゲつきかねない大量の債権を持つ。

 ドイツ銀行は民間企業だが、連銀、中銀というと日本銀行に当たるから重大だ。

 ECBをあいだにはさんだ各国の中央銀行間の貸し借りは「ターゲット2勘定」という。国と国との取引は「決済」と言われ、ギリシャの銀行に決済のための預金でない場合、ギリシャ中銀化ECBから調達しなければならない。ECBは資金余剰のドイツ連銀から借りる。

 4月末で少し古いがドイツ連銀のECBに対する債権は74兆円。ギリシャ中銀の方はECBに対し14兆円の債務があった。現在はもっと債務は増加しているだろう。ギリシャの民間銀行が倒産した場合はドイツ連銀のECBに対する債権はコゲつく。

 

 だから、ギリシャのチプラス首相は強気の姿勢(債権国に向かって、何とテロリスト!と非難した)を保てる。弱者の恫喝だ。

 メルケルさんもそこいらは百も承知だろうが、ドイツ国内の世論がアンチ・ギリシャなので、次の選挙が怖いのだろう。

 ヘッジファンドの連中は、デフォルトが正式に認定されれば、リーマン・ショック時のAIGの立場にドイツ銀行がなる、と言っている。だからジョージ・ソロスはNY市場の売りオプションを大量に保有した、とも。

 

 それでも、NYや欧州の株式市場で下げがあっても、東京株式市場はいちばん早く、大幅な上昇がある、と私は確信している。

 金融緩和があって、企業収益の向上が続き見通しはいい。肝心の買い手はJPIFなどクジラが何頭もいるし、秋の海外市場が心配な頃には新しい2頭―ゆうちょ銀行とかんぽ生命―が加わる。長期に保有する外国人機関投資家の一流どころも大量に買っている。私の経験で、こんなに投資環境がいいことはほとんどなかった。

 

 買いそびれていた個人投資家の方々に申し上げる。この下げは天の与えた大きなチャンスです。すくんでしまっては、ダメです、と。

 二度あることは三度ある、とか。13日の月曜日は心配だし、メルケル首相次第で最悪のシナリオになる可能性はゼロではないが、まあそれほどのバカとは思えない。楽観は努力の産物、とどこかの物知りが言っていた。待つことにしよう。

 

 映画の中では、国家保安省に勤める主人公レオが、妻ライーサを見そめてプロポーズするが、妻の方は実は権力が恐ろしくてイエスという。ところが妻にスパイの疑いがあり、告発を示唆されたレオが処刑を覚悟で「妻は無実です」と主張。妻とともに地方に左遷される。そこで妻は夫を心から愛し始める。

 スターリン時代のソ聯の刑法で政治犯の定義として「ソヴィエトの権力を覆そうとしたり、打ち倒そうとしたり、弱めようとした者」。いくつでも解釈できるこの言葉を利用して国家権力は何でもできた。そのスターリン時代と習政権と基本的に変わりない、と私は考える。市場も経済も、権力でどうにかできるものではない。絶対に。

2015年7月 5日 (日)

映画「オン・ザ・ハイウエイ」とJPX400採用銘柄(第781回)

映画「オン・ザ・ハイウエイ」とJPX400採用銘柄(第781回)

 主演トム・ハーディは先日「マッドマックス」を観て、今週は「チャイルド44」でも主演。なかなか演技力のある俳優だし、ひとりきりの映画というのはあたりはずれがない、佳作だった。

 ロンドンへ向かう高速道路を走るBMWの中が舞台。工事の現場監督をしているアイヴァンが本来バーミンガムの自宅に帰るはずが、何と自分が過ちから妊娠させた女性の出産に立ち会うべく、車を走らせている。なにも知らなかった妻への告白と狂乱。工事責任者の怒り。明朝の大仕事を押し付けられた若者の当惑。その中で「オレはやるべきことをしているんだ」と自分に言い聞かせながら走る。その間に仕事と妻と子供二人を失っていることに気が付きながら。

 

 このブログは毎週日曜日に書いているので、ギリシャの国民と投票の行方はまだわからない。ただカケの比率から推測するとギリシャ国民はEUの緊縮策を受け入れず、またまたヤマ場は先送りで次の交渉待ちという形だろう。NY株はアク抜け出一時ショック安はあるものの上昇するのでは。第二・四半期の決算発表があるがエネルギー関連を除くと増益。映画のように、一見、何事もなく走る車に似ている。中身はいろいろと問題含みでも。

 

 中国株は30%も下がるとようやく新聞やTVで取り上げ始めたが、昔から「3割高下には向かえ」という。アヤでも反発に入るころだ。

 中国首脳がまだ大丈夫、と思っている証拠に、習×李両首脳とも外遊中だ。昭和30年代後半の日経平均1200円防衛とおんなじことをやっている。共同証券設立による大量買い、IPO停止などなど。中国経済の破綻はまだ先、17,8年のこと、と予測してきた。

 金利引き下げの下限にはまだ間があるし、信用取引の証拠金率の引き下げとか、なんでもありの世界だから、まだ一部の人が「期待」する破局には、十分な時間がある。「爆買い」銘柄のラオックスも上がっているし。

 

 もちろん、まだウクライナ、ロシア、中東とくにISのテロとか、オッカナイお話しはヤマほどある。私がひょっとすると「第二のリーマン」になるのでは―と思っている某銀行の話しもあるし。

 それでも、私の日本株強気は変わらない。7月3日にユニクロの販売不振で日経平均を100円以上押し下げたが、結局17円高。ということは除ユニクロなら上昇。円レートに円安忌避ムードが強いので輸出関連よりも建設、食品など内需物が強い。外国人は銀行株の大手。

 

 今週はJPX400の8月の入れ替えに注目したい。個人投資家協会の木村喜由さんによると、入れ替えに絡んで新組み入れ予想銘柄は上がり、外れの方は下がる。全体としてのJPX400は夏場には伸び悩む傾向がある、とか。事前に新規採用買い、外れ銘柄売りが6,7月に盛行するから、だろう。

 証券会社アナリストの腕の見せ所だが「会社四季報ONLINE」7月3日号が出し入れ銘柄を予想している。

 今季、来期ともROE5%以上、過去3期の営業利益合計300億円以上、時価総額1000億円以上。

 これで見ると―

 日本ガイシ(5333)、東京エレクトロン(8035)、住友化学(4005)、NEC(6701)、神戸製鋼所(5406)、ネクソン(3659)、ミクシィ(2121)、ヤオコー(8279)、日本精機(7287)

 一方、除外される銘柄の方はー

 アイフル(8515)、出光興産(5019)、日本マクドナルド(2702)、日本電気硝子(5214)、ジーテクト(5970)

 

 私が前回も今回も注目銘柄リストを中心に書いた理由。それは「森を見ないで木を選べ」という方針にのっとって書いている。あまり最近報告されないが、ISやアルカイダのテロが激増している。オバマ大統領のいい加減な中東政策のつけ回しが出来たので少しも驚かないが、かつての911のような大テロならー。

 私は日本の投資家は「だから株を買わない」という言い訳をしていると思う。しかし、ROEの重視、明るい企業収益見通しやコーポレート・ガバナンスの変革を高く評価している外国人だけがオイシイ思いをしている事実をどう見るか。

 

 明治維新の文明開化時代。横浜の古道具屋に広重や歌麿の浮世絵が文字通り二束三文で売られていたそうな。それを外国人が素晴らしいと直観して買っていった。だから浮世絵の傑作はボストン美術館にある。我々の先輩たちの失敗を、今投資の世界で繰り返そうというのか。残念でならない。

 映画のセリフから。主人公が自分に言う。「オレは間違いを犯した。だがこのオレの向かっているのが破滅じゃないことを知りたいんだ。」破滅に向かっているゾとオドかす人は数多い。コトが本当になったら、そのあとで「当たっただろう」と自分の予言を誇りたいのだろう。

 私は危険そのもの迄は否定しないが、考えてみれば日本人は地震だのツナミだの、危険と一緒に暮らしている。映画の主人公には将来への希望が暗示されて終わる。楽観を言うには努力が必要だが、私は依然強気だ。

 

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