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2015年8月29日 (土)

映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後789回

映画「ナイトクローラー」と中国発世界同時株安の今後(第789回)

 映画の題の意味は「夜の街を這いまわる者」。事件や事故現場の刺激的な映像を撮影して、TV局に高値で売り付ける報道パパラッチのことだ。

 アカデミー賞脚本にノミネートされ、公開直後の週で全米興行収入第一位の快作。主演のジェイク・ギレンホールがあのギョロ眼で、失業している若者に。良心やモラルなんかクソくらえで、のし上がってゆく。ブラック時代の成功ストーリーだ。高いテンションとある意味での痛快さ。刺激と興奮。

 郊外の裕福な白人層をマイノリティや貧困層が襲う。TVディレクターは刺激的な画面を欲しがる。ネタを餌にTV局の女性ディレクターのルネ・ロッソまで手に入れる。

 

 この映画を観て8月12日の天津爆発事故を連想した。あの事故は習近平により北京、天津、それに関連州の合同会議が開催される前日に発生。

 米国のWEBサイトでは、うしろにいる江沢民親子と曽慶紅前国家副主席が自宅で軟禁された、と習体制の勝ちを報じている。

 

 しかし現実には、12日に習政権から派遣された現場の事故対処チーム責任者で元天津副市長が、18日に党の中央規律委員会から規律違反の罪で拘束され、政権内部の抗争がはっきりしてきている。

 

 こんな状況で来月下旬、習主席は米国を訪問し、オバマ大統領と会談する。先日の人民元切り下げは米国には寝耳に水だったはず。ライス補佐官が極秘で訪中。首脳会談のスり合わせをしているらしいが、うまく行くはずがない。

 

 何でこんなに中国の体制を書いているのか。理由は三つ。

 今回の世界同時暴落の引き金は中国の人民元切り下げ。「次」はやはり米国の了承なしで断行できまい。米国側は攻撃材料を手に入れたわけ。

 中国経済が良くなるか。早速いい数字が手品のように出てくるはずがない。何しろ輸入が14%も減っている国でGDP成長率は相関係数から見て、マイナス3%。7%成長なんてウソっぱちだ。

 輸出入合わせて4兆ドルで世界第一位。これが7%ウソッパチで実は△3%になったらどうなるか。

 上海株。目先はヘッジファンドが香港市場を通じて、安くなった人民元を使って上海のダブル上場企業のA株を買っているが、いずれ、売る。売るために買っているんだから。

 

私は政治体制のガラガラポンは来年以降と予想してきた。金利の引き下げ幅のフトコロは深いし第二次の社会資本充実策も環境、下水道、地下鉄複線化などリーズナブルなもので地方自治体にはもう予算がついている。これで良くなるだろうが、足をひっぱるのはやはり人間。大きなデモが年2万回もあり、12兆円を超える予算で公安が何とか押さえ込んでいる。軍事費よりも大きい経費だ。長続きしないだろう。

 

 相場について一言。今回の世界的同時株下げは、私の経験では1987年10月20日のブラックマンデーだ。あのとき東証は全面下げ。たった7銘柄が上がっただけだったが、今回は8銘柄。総崩れだ。

 こうした激しい下げは、いったん戻ってから7~8週経過してその後何かの材料で下げ、その二番底が一番底より上で止って、そのあたりから上昇相場に転じる。7-8週間どうなるのか。モタモタしているに決まっているが、業種的の選択すれば値幅はけっこうとれる。

 建設。大手よりも地方地盤の小型ゼネコンが見違えるように元気になってきた。業種とは別に、ハイテクで世界のシェアが高くROEも10%以上など私の言う「全天候型」銘柄がいい。何がいいって? 軍の機密!

 

 まあ9月下旬ぐらいかそのあたりで二番底をつけるので、買いそびれた向きはその時に。

 ご注意して頂きたいのは以上あくまでも東京株式市場のこと。

 

 NYは利上げが12月に伸びてもやるだろう。せいぜい1回か2回だが。

 一方原油はOPEC諸国の「オレは増産するがオマエの方が減産しろ」という囚人のジレンマで減産なし。一方シェールオイルの方は「井戸在庫」というものがあり、いつ水道の蛇口をを開いても少しのオペレーションコストで採掘できるシェールガス田が3000本あり、一日100万バレルのシェ-ルオイル増産はすぐできる。

 せっかく43ドル近辺に戻った原油(含シェールオイル)はまた30ドル突入は必至だろう。明年になると米国産原油の輸出解禁、戦略備蓄原油の放出がある。原油安第二幕に突入、か。

 そこらをどうするか、近くサウジ国王がワシントンに行き、米サウジ首脳会談。恐らくロシア・プーチン政権がダウンするまでの原油安パンチが続くのだろう。何も合意がなければ――バレル33ドル。

 日本にとり原油安は神風だ。来年の消費税再増税をやめるか再延期したら、間違いなく「好循環」は実現する。

 

 映画のセリフから。主人公は番組の女性ディレクターのルネ・ルッソを口説く。「私はトシなのよ」「オレは年上の女が好き。それに君の経歴を見ると、2年で地方TV局をぐるぐる回っている。ここで名を挙げて大手局にスカウトされたい?それにはオレの協力が不可欠でしょ」「友達でいたいわ」「友達はオレのためにある存在なんだ」。

 もう80歳だから、こんなに情熱的に女性を口説けないが、こんな強引な口説きをあの時やっておかなくて、オレはバカだったナァー。 

2015年8月22日 (土)

映画「この国の空」と急落株価は今後どうなる(第788回)

映画「この国の空」と急落株価は今後どうなる(第788回)

高井有一の谷崎潤一郎賞受賞作の映画化で、荒井晴彦監督だ。私は主演二階堂ふみがお好みなので。

 母と19歳の娘、それに空襲で夫と息子を亡くして転がり込んできた母の姉。隣家じゃ兵役を逃れて妻と子を疎開させている銀行支店長。

 食べ物がなくて絹の着物と米を交換に行くシーン。空襲で防空壕に逃げ込んだり、本土決戦で男は全員殺され女は冒されるという噂とか。母は娘が男も知らないのに、と心の中では哀れに思う。隣の中年男に次第に娘は惹かれて―。

 佳作で、恐らく今年の邦画ベスト10に入るだろう。

 

 日本中が飢えていた昭和20年の3月10日。B29の空襲で私の東京深川の生家は焼失、一家は清澄庭園の池に浸かって生命はやっと助かった。容赦ない焼夷弾の猛爆で10万を超える都民が焼死した。

 日経平均は1週間で1200円、NYダウは1100ドルの大幅下げ。焼夷弾の爆撃をつい思い出した。

 

 この急落の材料は―。

 日米共通は①中国、はじめは上海株、次いで天津の爆破事件、これは奥が深そうだ。②FRBの利下げ。9月というエコノミストが多かったが、12月。私は前から12月だし、何でこれが株の売り材料なのか分からない。

 NYの方だけの材料としては①イマイチ、実体経済の指標がパッとしない(ホールインワン景気、ですな。パット・しない)②ヒラリー・クリントンへのEメールゲートを含めての急速な反感の高まり(ウオール街には悪材料)③原油安による石油、採掘業界の人員削減、シェール採掘企業の倒産、ジャンク債の利回り高騰(リスク拡大)④企業収益

 

 一方日本の方は①週刊文春の安倍首相吐血報道(根も葉もない、と安倍事務所が抗議)これで長期政権を好感して買っていた外人買いが売り?)②円高③中国関連銘柄株の下落など。

 原油安は(バーレル40ドルを、金曜は瞬間切った)本当は買い材料だし、122円台までの円高といっても企業は115円で業績予想を建てているから、株価はカンケイなし。

 

 一方日銀のETF買いは372億円づつ19,20日に入っている。前回ギリチューで7月9日に急落したとき、ETFのコスト1万9100円で止った。今回は1万9360円がETFのコストなので、私は一応来週の前半で下ヒゲをつけて週足は陽線と考える。リクツから言っても日経平均PER13倍割れは安い。PBR1・5倍も世界の常識2~2・5倍に比べて、いぜんとして割安。

 

 私の取材では①3兆円の補正予算②2017年の消費増税先送り③衆参同時選挙を2016年7月実施、などなど好材料ばかり。秋の郵政グループの株式上場もあるので、これ以上の株安には強い抵抗がある。リリーフピッチャーはヤマほどいるし。外国人投資家も日本国債、一部の優良株には強い買い意欲がある。

 

 原油安は来週くわしく述べるが、これが日本経済にとり大好材料であることは言うまでもない。

 一方天津の爆発は事故でなく犯罪だ。WEBサイトには習近平は長老の出席する北戴河会議を中止、江沢民と息子、それに曽慶紅を軟禁、七軍区を四つに再編して腹心で固める。独裁権を手に入れた習近平は、政治優先だが株価にも景気にもテコ入れするだろう。

 先日中国人アナリストに会う機会があった。「次の社会資本は①下水道完備②地下鉄複線化③環境、地方自治体が推進します。もう予算もついています。」なるほど。一部の人が期待(?)してやまないガラガラポンはおきないだろう。何といっても国民の大多数が生活水準の向上を実感しているのだから。実際は軍事費を上回る公安費が暴動を鎮圧し続けているのだが、まだ金利緩和も財投も中国は、出来るので15,16年は現体制でやれると思う。その先は?わからない。

 

 映画のセリフから。幕切れに二階堂ふみのクローズアップがあって「里子は私の戦争がこれから始まるのだと思った」いう字幕が出る。すでに隣の中年男に抱かれた里子と帰宅する奥さんとの泥沼の三角関係を予想する観客。そこに茨木のり子の詩が入る。

 

わたしが一番きれいだったとき

 まわりの人たちがたくさん死んだ

 工場で 海で 名もない島で

 私はおしゃれのきっかけを落としてしまった

 うーん、いい幕切れだなア。

 これから、私の方も強気見通しが当たるかどうか、私の戦いが始まる。

 

 先週の「日本のいちばん長い日」は、その後原作を読み岡本喜八監督の前作も衛星放送で見返した。昭和天皇が阿南陸相に「国体護持について私は自信がある」と仰せられた、という件は本当だった。私は陛下のお心を誤解していたのを恥ずかしく思う。お詫びして訂正したい。

 

2015年8月15日 (土)

映画「日本のいちばん長い日」と人民元騒動の真相(第787回)

映画「日本のいちばん長い日」と人民元騒動の真相(第787回)

 漸くマジメな映画が見られるシーズンになった。今週は「バージン・アナーキー」と「この国の空」。それに国立演芸場で桂歌丸の「怪談乳房榎」。復帰初日だったが元気そうだった。足はダメなようだが、声の張りがあった。

 

 今週は何と言っても中国人民元の意外な切り下げ。」三日続けて4%強。

 びっくりした初日の下げが大きかったので、市場の反応は①4%じゃ足りない。10%か。第二、第三弾必至説②それほど中国経済は悪化しているのかというビックリ説。この二つが市場の反応で、再来週の経済週刊誌もこの特集だろう。

 

 中国経済が公表されている7%よりずっと悪いことは、このコラムをご覧の方はとっくにご存じだろう。最近月の6月の李克強の判断する経済指標①鉄道貨物△18・5%(ちなみに全貨物も△4・6%)②電力消費+3・0%③銀行融資△4・8%。せいぜい3%で7・0%はウソっぱち。ちょうど第二次大戦の大本営発表だ。

 

 ただし、私は株価も為替も市場は騒ぎすぎと思う。それは少なくとも今回の人民元切り下げは、中国側からするとリーズナブルな行動だからだ。

 

 話は2010年のソウルでのG20の「ソウル宣言」に始まる。GDPに対する経常黒字が4%以上の国は、為替レートを人為的に切り下げてはならない―というもの。当時中国はGDP比6%の経常黒字国で、この宣言は中国が対象だった。

 その後中国は2014年に△1・9%の経常赤字国になったが、人民元は4・2%上昇した。今回の4%強切り上げは、中国側としては上昇分を帳消しにしただけ。私はこれ以上、例えば10%切り下げると為替操作国に認定されてしまうので、大幅だの「次」説は当たらないと考える。仮に、本当に仮に、あるとしても9月4,5日のG20で米国などの了解を取ってからのはず。

 従ってこの程度の人民元切り下げなら、日本経済には蚊に食われた位の打撃だろう。中国関連の商社、建設などは以前から不振。

 

 私は以前から、中国の一党独裁はいずれダメになる。しかし2015,6年いっぱいはハードランディングにならない、と予想してきた。

 中国共産党習政権が10%も切り下げたら、中国が海外金融機関から借りている主に短期の外貨建て債務は、一挙にデフォルト危機になる。それほど習=李首脳はバカではない、と考える。

 ただ中国の外貨建て債務は1兆2526億ドルあり、英国の香港上海銀行、スタンダード・チャータード銀行が大きい。中国側の銀行のデフォルトは起きないと思うが、一応リスクとして記憶にとどめる必要はあるだろう。

 

 ついでに、某有力エコノミストが「通貨切り下げ戦争が拡大し、韓国ウオンが切り下げたら日本にとり大問題」と論じていたが、これもご心配なく。2014年の韓国の経常収支黒字はGDPの6・2%。ウオンを切り下げたら、一発で為替操作国になってしまうので、手が出せない。

 このことを知っているから韓国のCDSのレートが急上昇している。私も国際エコノミストと言われているので、為替とCDSとの関係はいつも注意している。韓国が危ない。

 

 ついで、をもうひとつ。中国の一党独裁がダメになる理由を。もう万単位の人間が動員されるデモが年20万件あり、鎮圧の費用は年間7700億元(12兆2000億円)で軍事費より多い。そんな国が永続するワケないでしょ。私は時間の問題と思っている。

 

 この原稿を書いている8月14日深夜、日本にとって最大の好材料原油の41ドル台へ突入、40ドルの大台割れも時間の問題。一方4~6月期の日本経済GDPがマイナスなのは相当株価に織り込まれているし、補正予算3兆円がすぐに発表されるだろう。2万1000円のカベは意識されるだろうが、突破の方もこれまた時間の問題だろう。

 

 14日の夕方の安倍首相談話。中国も韓国もこれなら文句のつけられないだろうと思うが。「深い悔悟」という言葉を加えたのも良かった。これで安保法案の参院成立に力を入れられるだろう。

 

 映画のセリフから。本木雅弘演じる昭和天皇が、役所広司演じる阿南陸相に言う。「心配してくれるのはうれしいが、もうよい。わたしには国体維持の確証がある」。同じ題の岡本喜八作品にはこんな確信を天皇がお持ちなんてことは入っていなかった。本当なのかしらん。「聖断」の意味が、国民を守るためだったという、従来からのストーリーがこわれてしまうのだが。

 

2015年8月 8日 (土)

「老人と海」とFRB金利引き上げ後の意外な展開(第786回)

「老人と海」とFRB利上げ以後の意外な展開(第786回)

 ヘミングウエイのこの中編小説の傑作はノーベル賞受賞の対象となり、今でもよく読まれている。映画もスペンサー・トレイシー主演で1958年に製作された。

 キューバの老いた漁師の巨大なマカジキとの三日間にわたる闘いが画かれている。この獲物は「この魚が一匹あれば一人の人間が一冬食ってゆける」値打ちがある。しかし仕留めて小舟に魚体をしばりつけるが、帰途に血の匂いをかぎつけたサメに食いちぎられ、結局骨だけを持って帰る。

 老人サンチャゴは云う。「人間は殺されるかもしれないが負けはしない」「オレは死ぬまで戦うぞ」。この闘志に読者はひかれ、この小説は忘れられることはない。映画も良かった。

 

 東京株式市場はNY市場の方がイマイチだが元気。以前から申し上げている「海外市場がどう動いても東京は上がる」の予想通りの展開になっている。

 ただ、日経平均の強調ぶりには、この市場平均が単純平均。つまり225種の株価を全部足して、それに一定の乗数を掛けてつくられている。そこで先日のファナックの1日で10%を超える急落でも、ファーストリテイリングの高値更新で、すぐ下げはチャラになってしまった。

 

 私はもう20年以上前になってしまったが、外資系証券会社がグルになって日経平均を操作し、先物やオプションでボロもうけしているのを告発したことがある。

 この週刊東洋経済の私の論文が出たとき、東証で私はある審議会のメンバーだった。日経代表から私は文句をつけられて大迷惑した。私はダウ式株価平均の欠点を主張していたにすぎない。まあその後私の主張は証券界の常識になったが。

 7月末現在、指数への寄与度を銘柄別にみると次の通り。(%)

 ファーストリテイリング11・8 ②ファナック3・97 ③ソフトバンク3・96 ④KDDI3・6 

⑤京セラ2・4

ご参考までにNYのダウ工業30種の方は①ゴールドマンサックス7・9 ②IBM6・1 ③スリーM5・7 ④ボーイング5・4 ⑤アップル4・7。

また東京株式市場で時価総額1位のトヨタは指数への寄与度はわずか1・5%、2位三菱UFJ0・17%、三井住友0・10%。

 まあこの数字が物語る通り、ユニクロ(9983)が買われれば経常減益予想でファナック(6954)が下がっても、日経平均は上がる。ファナックの株価も7月末に急落したあと株主還元も「良く考えてみれば予想される」と上伸しているので、2万500円から上昇を再開した。次のステップは2万1000円だろう。ここを抜くと次は2万26~2700円が目標。

 

 

 もちろん、世界を見回すとオッカナイ話ばかり。中国のバブル崩壊とかロシアとかー。ギリシャだって話を先延ばしにしただけだし。NYでは比重の高いアップルが、時計の売れ行きが良くないのか、動きが弱い。連日安だ。

 しかし日本にとっていい話も。原油価格の下落が一段と明確化。第一にイランの石油相の制裁解除後の大量増産計画(日量100万バレル)の発表。第二に米国の原油輸出解禁法と沖合の原油天然ガス採掘拡大法。40ドル台の下の方にとりあえず下がり、30ドル台も。日本にとり大きな材料。

 安い原油と矛盾するが、2016年からのメタンハイドレート安定生産実施計画も、私の「夢」だ。(8月4日日経)。

 

 FRBの金利引き上げは近づいている。アトランタ連銀総裁は「9月」と明言した。注目の労働統計も予想どうりで好調。私は意外にもドル売りが始まると思う。

 何故か。まず材料出尽くし感。2回目の利上げの時期の読みにくさ。過去の例では利上げはドル売りの号砲。

 年初来の世界の通貨の動きは①スイスフラン11%②英ポンド8・6%③米ドル7・4%の上昇。

 一方下落は ①ブラジルレアル△16% ②NZドル△10・1% ③カナダドル△8・7% ④豪ドル△6・3%。

 

 日本経済の4~6月のマイナス成長は確度が高くなったが、景気対策としての補正予算への期待も同様だ。いまの支持率から見ても、安倍内閣は来年の参院選をこのままでは勝ちにくいと考えるはずだ。猛暑で株価は「夏枯れ」にはなるまい。前記した日経平均寄与度の高いソフトバンクの1,200億円もの自己株買いも寄与するし。

 

 実は私は今方々の事情通に伺って、全天候型の企業を探し続けている。先週のサイバー攻撃対処はそのひとつ。全天候型とは世界のブラックスワンがコトを起こしても打撃が軽くすぐ株価上申が期待できるもの。たとえば7月上旬の急落でも下げがなく、上伸歩調にかげりのないもの。たとえばテンプHD、ウエザーニュースとか食品、薬品株の一部とか。

 

 ヘミングウエイの遺した名言をいくつか。「勇気とは、窮地に陥った時に人が見せる『気品』のことである。」

 「この世は素晴らしい。戦う価値がある。」「陽はまた昇る」。「私は殺されることはあっても負けることはない」。「今は『ないもの』について考えるときではない。『今 あるもの』で、何ができるかを考える時である。」私はこの次のが一番好きだ。

 「私の人生は、ほんの一行で要約できるだろう。そう。私は生きることを十分に楽しんだ、と」。来来週、80歳になるが、確かに、私は楽しんでいる。これからも。どうぞ皆様、応援してください。

2015年8月 2日 (日)

映画「人生スイッチ」とサイバーセキュリティ(第785回)

 

映画「人生スイッチ」とサイバーセキュリティ(第785回)

 

 何という面白いオムニバス映画だろう。アルゼンチンで史上最高の興行収入を上げたのも当然。アカデミー外国語映画賞にノミネートされ、カンヌなどの世界の映画祭を次々と席巻した。ダミアン・ジフロン監督。

 

 ブラックユーモアに満ち、想像もつかないオチ。かつてのTVシリーズ「ヒッチコック劇場」でしばしば原作となったロアルド・ダールとか、ヘンリー・スレッサーのしゃれた短編が思い出される。

 

 

 

 「おかえし」「おもてなし」「エンスト」など6篇。全部面白かったが、私には第2編がとくに、郊外のレストランが舞台で、客が誰もいない大雨の日。ウエイトレスは父を自殺に追いやり母を誘惑した男が来店したーと料理人の女に打ち明ける。猫いらずで毒殺したらという提案。

 

 料理人はいう。「この世界は政治からサッカーまで、悪党どもが好きなように動かしている。世直しの機会があればチャンスをのがしてはならない。殺そう。これは善行なのよ。」

 

 ところが毒入りのポテトフライを食べさせても効果なし。そこに悪党の息子がやってきて、意外や意外の展開。

 

 人生では切り替えてはいけないスイッチがあり、うっかり押すと、取り返しがつかない破滅につながってしまう。

 

 

 

 つい先日、日本年金機構がサイバー攻撃され125万件の個人情報が流出。「標的型」と呼ばれるもので、中国からの攻撃らしいが、取り返しのきかない失策だった。

 

 サイバー攻撃は不特定多数にウイルスを感染させることを狙った「愉快犯」から経済的な報酬を狙う「経済犯」に変わった。その次が「標的型」だ。

 

 

 

 その件数も激増している。経産省調べでは「標的型」攻撃は2014年度で前年比5・2倍。組織が保有する機密情報や金融資産を狙ったサイバー攻撃が増加している。2013年度の被害額は300社で195億800万円にのぼった。

 

 具体的な手段としては①同僚や取引先からのメールを装い添付したウイルスファイルを開かせる(55%)②電子メールに表示されたURL経由で攻撃用ウエブサイトに誘導される(40%)が多い。

 

 

 

 以上は日本だが、米国では4月1日にオバマ大統領は「サイバー攻撃で米国の安全を脅かした国外の組織及び個人への制裁を可能とする大統領令」にサインした。先々月の米中経済対話でも重要な議題となったが、中国側は関与を否定した(当り前だ。泥棒が自認するか)。

 

 

 

 2012年のロンドン五輪ではハクテイビスト(政治的主張と目的にハッキングを行う活動家)にとって絶対のチャンス。そこで開会式の停電を狙った電力インフラ攻撃など、実に1億回を超えるサイバー攻撃があった。守り切ったらしいから立派なものだ。

 

 

 

 安倍内閣は補正予算を考慮しているという情報。しかもサイバーセキュリティ対策が目玉のひとつらしい。

 

 

 

 投資には何の銘柄を選んだらいいか。

 

 まず大型の兼業。NEC、富士通、NTT。

 

 次が専業に近い中、小型株。トレンドマイクロ、デジタルアーツ、NTTデータ、FFRI、ラック。

 

 米国株は。シマンテック(SYMC)、パロアルトネットワークス(PWNW)、ヴェイムウエア(VMW)」、スプランク(SPLK)。よーく研究して絞り込みたい。少々気が早いがこれは私のクセ。長期に発展することが確実のテーマなので、乞うご期待。

 

 

 

 映画のセリフから。「おかえし」のストーリーを。仕事の依頼で指定された飛行機に乗ったファッションモデルに話しかけてきた隣席の男は、彼女の元カレ「パステルナーク」のことを知っていた。その名を聞くと「私の教え子」「同級生」「部下」と続々。しかも皆、彼にひどい仕打ちをしている。

 

 そこにCAが「私も彼を振ってしまったの。いま操縦室にこもってドアは開かないの」。

 

 凍りつく空気の中、飛行機は急降下を続けてゆく―。墜落してゆく飛行機の標的は裕福な老人夫婦。いじめ抜いたパステルナークの両親だ。ひどい復讐話。

 

 

 

 サイバー攻撃も初めは」こんな「おかえし」だったのかもしれないが、どんどんふくらんで組織的になっている。対策は国策となってゆく。

 

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