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2016年1月30日 (土)

映画「僕だけがけがいない街」と甘利辞任とマイナス金利(811回)

映画「僕だけがいない街」と甘利辞任とマイナス金利(第811回)

 試写会で観た。藤原竜也主演の漫画原作によるミステリー。3月19日ロードショー。昭和と平成の時間軸を行ったり来たりするリバイバルものだ。

 漫画家志望のダメ人間が18年前の連続誘拐殺人事件の被害者たちを救おうと努力する。その犯人が母を殺したとみられるので、まず、犯人を見つけなくてはならないが。

 このテの映画は、現実を変えないタイプと人為的に歴史を変えてしまうのとふたつある。「信長協奏曲」は前者だろう。本当はこれでも良かったのだが。

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 ごく短期間に、歴史的な出来事が連発する時がある。

 1月28日の甘利大臣辞任。つづいて29日の日銀のマイナス金利導入。前者はあとから見たら何だ大したことなかったじゃないか、となりそうだが。

 まず辞任。告発した相手が録音したり撮影したり。「はめられた」という感じがするし、週刊文春は禁じ手を使ってしまったと思う。

 当選11回の甘利氏は恐らく古いタイプの政治慣習で事務所と秘書を使っていたのだろう。昔は政治家の秘書はメチャメチャ安いサラリー。レストランのウエイターがチップを収入の半分にしているように「先生に会わせてあげます」と面会料の半分はポケットに―。もちろん何十年も前の話しだが。

 小渕優子さんもオヤジの事務所を使っていたし秘書もそのテだったから、政治資金規制法の厳格化なんて十分に分かっていなかったのだろう。今回もそうなのではないか。

 野党の追及もこれまで、だろう。自分は会わないで元検察の弁護士に調査させ、その調査書を読んだ。秘書の監督不十分で引責辞任。野党は記者会見まで時間があったので、コブシを上げたが、カラ振りだろう。

 しかも安倍首相も任命責任を認めた。いつまでも国会審議を伸ばせないし、参考人招致もあり得ない。第一、口利きで衆議院議員が有罪になった例はない。アベノミクスがこれで進行停止、になるまい。

 甘利氏の後任に石原元幹事長が就任したが、閣内に石原派が一人もいなかったので均衡させたのだろう。首相の余裕を物語るものだ。

 恐らく甘利氏を首相が大きなことを決める前の四者会談―首相、麻生副首相、甘利氏、菅官房長官―のメンバーから外すまい。1年もヒヤ飯を食べた後、党の要職に就くのではないか。政治評論家の屋山太郎さんは政調会長、と予想しておられるが。腕はあるし首相への忠誠度も図抜けている。功績も充分。放っておく人ではない。

 

 次にマイナス金利。私は発表直後にあるファンドマネジャーから問い合わせがあったので、次のように答えた。

 株価へはいい話だ。円レートはこの発表で2円40銭(2%強)の円安になった。東京株式市場で売買高の50%以上は1秒で2000回の売買を行う超高速取引(HIT)では「円安、株買い」が同時に起きる。今回は1円あたり日経平均300円以上の株価上昇を示した。

 今後も円安、株高は期待できる。

 今回の決定で10年物金利は0・1%台、20年ものは0・8%台まで下がり、最低水準を更新した。今後日本の投資家が外債投資を一段と促進すること必至だ、

 理由は次の通り。今回の決定ですぐ通貨スワップ市場ではドル円の1年ものベーシススワップ(LIBOR三カ月もの)は45ベーシスも急拡大した。これは日本の機関投資家のドル建て資産投資をする場合のヘッジコスト増を意味する。当然ヘッジ比率の引き下げ、つまり円売り・ドル買い戻し、だ。ヘッジファンドもこの動きに同調する。リスクオンになって来るだろう。

 エコノミストは、デフレ回復に効果は乏しい、とか批判している。しかし私には円安・株高効果が大きいと考えている。そこに黒田日銀総裁の狙いがあるのではないか。

 私は新聞にヤマのように書かれている「マイナス金利とは何か?」はわざと省略した。私の評価は、市場には劇薬だが効果絶大、だ。

 私は3月末に円レート125円、日経平均1万9200円が恐らく内閣官房の希望値と思うが、相当に確率は上がったと思う。

 今回のオマケ。

 NYのWTI原油価格は1月20日のバレル27・56ドルを底値に34・82ドル。7営業日で7・26ドル、26・3%の急上昇だ。

 ロシアの石油業界要人、次いでロシアのノバク・エネルギー大臣発言が材料。2月にOPEC加盟国とロシアを含んだ非加盟国の閣僚級会合が開かれ、そこでサウジが協調減産を提案。合意が実現すればOPEC臨時総会を開いて決定する、と。ロイターが報じた。

 5%が減産幅、と言われている。IEAの試算だと日量100万バレルの過剰供給である。OPEC加盟13カ国の生産は日量3218万バレルだから5%は161万バレル。一方ロシアは日量1079万バレルだから5%は54万バレル。合計215万バレルの供給減だから、一発で需給は均衡する。この情報で原油価格は急上昇した。まだ問題は残る、と大起産業の小管努アナリストは言っているし、他の専門家は情報自体確認されていないという。しかしこれまで積みあがった売りの買い戻しがある。私はバレル40ドルは行くのではないか、と考える。

 

 映画のセリフから。主人公は繰り返して言う。「ことば、ってね。口に出していくうちにホントになるような気がする」。私の強気はご存じの通りだが、市場がようやくついてきてくれ始めた。


2016年1月28日 (木)

【特報】2/7(日)講演会開催のお知らせ

今日は講演会のお知らせです。

 

 

開催日:2016年2月7日(日)

※日程が合わない方向けの案内がブログの後半にあります。

 

時間:13:30 - 15:30 (13:00受付開始)

 

場所:都市センターホテル5階 オリオン

http://www.rihga.co.jp/toshicenter/access/index.html

 

主催:フォレスト出版

 

★最後に30分間質疑応答を受け付けます

★具体的な投資銘柄についてもお答えいたします

 

▼お申込はこちら

http://www.forestpub.co.jp/seminar-detail.cfm?LID=21531

 

 

 

【スケジュールが合わない方・遠方の方へ】

 

どうしてもスケジュールが合わない方や

遠方でご来場が難しい方向けに

「ビデオ受講」をご用意しました。

 

2/7(日)に都合がつかない方はこちらをご利用ください。

 

▼「ビデオ受講」はこちらから

http://www.forestpub.co.jp/seminar-detail.cfm?LID=21532

※セミナー動画を収録したビデオ(動画ファイル)を後日お送りします。

※ビデオをお送りするまでに、少々お日にちを頂くことをご了承ください。

 

 

2016年1月23日 (土)

映画「鳥」と世界的株価急落の分析(オマケ付き)(第810回)

映画「鳥」と世界的株価急落の分析(オマケ付き)(第810回)

ご存じヒッチコックの名作。急に鳥が人間を襲い始める。その恐怖がめちゃコワーい。しかもなぜ攻撃して来るのか全く分からないところがなお恐ろしかった。原作はデュ・モーリア、主演ティッピ・ヘドレン。恋人になるロッド・ティラーがいかにも強そうに見えて、しかも終わりに恐怖に震えるところが皮肉だった。

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ひどい年明けだった。日経平均は12月30日の1万9033円から1月21日には1万6017円まで3000円下げた。

原因がはっきりしない。①中国経済の減速と人民元下落の反動で円高②原油価格安と産油国政府系のファンドの日本株売り③裁定取引、信用取引の記録的買い残による需給関係の悪化④米FRBの利上げの第二弾、第三段がもたらす新興国の巨大ドル建て負債による経済危機⑤肝心の米国経済の先行きへの不安感の抬頭。

まあこの五点が、云われている世界の、特に日本の日経平均3000円下げの理由付けだろう。

では、この五つの理由は、この20日間でどう変わったか。

 2月の統計が出た。スフィンクス・リサーチの藻谷俊介さんによると季節調整済み年率で10~12月期は6・3%。政府公表の6・8%より低いが、一般的に5%割れが信じられているよりは上。鉱工業生産が6%、電力3%、貨物輸送量6%の伸び。すぐ破滅説というマスコミと違い藻谷さんは「凡庸だが危機とほど遠い成長率」と。

上海株は5%以上の大株主への売り止めが解禁されたのが下落を呼んだ。終わったとはとても言えないが、売買高を見ているとヤマは越えた。上海が下がるとヘッジファンドは、カラ売りしやすい日本株を身代りに売った。とんだ迷惑。

 原油価格安はショートカバーで反発。バレル26ドル台から32ドルに週末には上昇。連日の下落に歯止めがかかった。

産油国の政府系ファンドの日本株売りは、あったことは間違いないが騒ぐほど多量だったのか、どうか。産油国の投資はホテルや不動産が多かったはずだし、株は米国が中心。日本はこの三週間優良株の下げがとくにきつかったが、ここいらだったのだろう。

 これは日本の裁定取引の買い残の解消がかなり進んでいる。12月第1週に21億株だったものが、1月20日に12億7000万株。信用取引の期日売りはまだ続いているが、損切には違いないがヤレヤレの売りが、2月第2週には期日が終わる。ヤマはこえつつある。

 これは不安だけ。まだ現実化していない。

 米国経済の指標?別におかしいとは思えない。(ひとつ心当たりがあるが後述)。

私は年頭に世界中に無数にあるファンドは(日本は3月末だが)12月の数字が良ければいいので、はっきりいうと自分の持ち株は売りたい。そこにいろんな云い訳が出来たのでとりあえず売ったのが、世界の株式市場が一斉に下げた真因と考えている。

私が以前から取り上げていたドイツ銀行問題は、近く2015年決算が巨大損失を出すことが明確。9月のドイツ総選挙まではツブすまい。メルケル首相の退陣後、だろう。

となると日経平均の株価収益率13倍台、騰落レシオ50%台で一応下げ止まり。安倍首相はこのままでは参院選(場合によってはダブル)を戦えないから、株価をはっきり言えば上げる戦略をとるだろう。

28,9日の日銀の政策会合後に追加金融緩和があるかも、26,7日に米FRBのFOMCがあるから後出しジャンケンだ。すでにECBマリオ・ドラギ総裁が3月の追加緩和を示唆して世界の株安を止めたが、黒田さんが続くか、どうか。

株は誰かが買わなければ上がらないが、GPIFの株式投資の自家運用が可能になる法案が近く提出される、とか。三つの共済組合も追随するだろう。

2017年3月期の企業収益も9カ月先行する交易条件から見て、必ず増益。ただ、円安はさほど期待できまい。

というのは、2016年は恐らく13兆円つまり消費税全収入に匹敵するプラス要因が日本経済には、ある。原油安だ。これまで資源国に移転されていた富が、日本に帰って来る。

最近月の輸入額は16%の減少、額にして1兆1000億円、年間13兆を超える。実質輸入は少額増だから、輸入減は原油を中心とした資源価格の低下が原因である。貿易収支の黒字転換が認識される日は近い。しかも年13兆という水準はバレル40ドル。その後とこれからを考えるともっと大きくなる。

私は「2016年はオリンピック特需、岩盤規制への『風穴』が開き、しかも原油安の効果が、明るい日本の好循環を始める」と主張してきた。

株価というものは下がっている間は何かわからない。悪い材料を予見しているのでは―と不安になる。しかし、NYが下がってもフランクフルトが下がっても、東京の株価は、上がる。映画の「鳥」はなぜかわからないが、日本の前途を不安がることは不要だろう。

映画「鳥」では母親と息子の恋人という関係も作品の軸だった。ヒロインのティッピ・ヘドレンは出会ったばかりのロッド・テイラーを追って港町に来る。その町で母のジェシカ・タンディと昔の恋人スザンヌ・プレシェットに会う。母親は息子の恋人に対し常に冷たく、そのためプレシェットは別れた。母親は息子を失うのを恐れている。

しかし鳥の襲撃をきっかけに母親の気持ちはヒロインに接近する。母親が死んだ夫についてのセリフ。「彼は子供を理解して、子供の世界に入ることが出来た。それはめったにない才能なのよ」。私は才能はないが、大努力しているつもり。

このブログを読む方は、私の、世界での変化に関する情報にも関心がある。

そこで、米国大統領選についての情報を。

2月1日のアイオワ州、2月9日のニューハンプシャー州の予備選挙が行われる。世論調査ではサンダース上院議員52%でヒラリー・クリントン39%で最有力の筈だったヒラリーは最初の2州で敗北らしい。情報でしょう?

理由は夫のビル・クリントンの不倫歴。それにベンガジゲート、Eメールゲートのむし返し。米議会下院ベンガジ特別委の報告書、私的Eメールで機密情報が漏れた容疑でのFBI告訴が懸念されている。15日公開の「サーティーン・アワーズ」という映画も。CIAのベンガジ警備担当者の書いた本を映画化したもの。まだ全米ではヒラリーはサンダース氏を組織と資金で圧倒しているが、多難な出足になることは間違いない。

ヒラリーは銀行中心にウォールストリートとの関係が深い。そこがサンダース陣営の攻撃の的。ひょっとするとー株安の真因???

2016年1月15日 (金)

映画「ライムライト」と底値を付けつつある株式市場(第809回)

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映画「ライムライト」と底値をつけつつある株式市場(第809回)

 

 ご存じチャップリンの名作。63歳のときの監督、主演だ。人情噺と自分のコメディのシーンで、それを美しい音楽でつなぐ。泣かせる話で実にうまい映画だ。

 

 落ち目の老コメディアンはガス自殺しかけた若いバレリーナを救う。クレア・ブルームがこの一作でスターに。チャップリンは励まそうとして、数々の人生訓を言う。

 

 「宇宙の何よりも貴い『生きる』という奇跡を消してはいけない。星に何が出来る。ただ空を巡っているだけだ」。

 

 「すべての物に欲望がある。欲望があるからバラはバラらしく咲き、岩は岩でありたいと頑張っている」

 

 いまの東京株式市場ではいろいろな要因、多くの市場参加者が激しい上下動を引き起こしている。

 

 たとえば先物。現物株の売買量は多くない。しかし上海株式市場の売買量が少ないため同様に動く東京がヘッジファンドに狙われ、先物の売買量は記録的だ。ボラティリティが高まれば、自動的に市場平均の先物売りが出るシステムになっているから、三ケタの下げになる。上げのときも同じ。

 

 NY市場の方は、大統領選挙のジンクスが下げの要因。2回当選し次の大統領が新人になると分かっている年の2,3月は有力候補が「見えて」来るまで、買いは手控える。

 

 投資家の運用担当者は12月末の数字が良ければいい。3月末はメじゃない。

 

 買わない材料は山ほどある。FRBの利上げ、中東、原油価格、中国人民元の行方、などなど。だからNYダウは、目先期待しない方がいい。

 

 

 

 では、東京は、日経平均は。

 

 大切なのは、株価にはいろんな水準をはかる指標があること。例えば現在の日経225種の一株当たり利益を株価収益率でみる。14倍以下になる。このようなことは、たまにはあるがごく短期で、17~8倍になると少々割高。これは経験則だが実によく当たる。いま1250円近辺が一株当たり利益。

 

 これで下値をはかると1万7000円近辺。だから私は1万6000円台になってもびっくりするな。せいぜい1万6000円台の真ん中だろうと申し上げている。

 

 ごく目先の下値の判断は騰落レシオの25日移動平均だ。60%台の下の方が底値でつくのだが、現在58%近辺。底がつきつつある―と私は考える。

 

 何を狙うか。3月頃に、市場平均にさきがけて天井をつけ、その後下がっている優良株がいい。トヨタ。へそ曲がりで安い株がいい、という向きには日本郵船、いい話は何もないが安い。

 

 

 

 最近注目しているのは嘉悦大学の高橋洋一教授の現代ビジネス「ニュースの深層」でー

 

 2016年、日本の景気が悪くなる要素が見当たらないー「国債不足」に「追加緩和」そして「埋蔵金バズーカ」まで飛び出す!?

 

 何とものすごい題だが、精細な分析で一読をおすすめする。

 

 埋蔵金とは特別会計の利益の放出。「外国為替資金特別会計」がその一例で20兆円もの評価益があるし、「労働保険特別会計」も7兆円。ともにアベノミクスによる円安効果と失業保険給付減による収益で、軽減税率のための財源に一時的放出が検討されている。3兆5000億円のショボくれ補正予算だけでなく、高橋洋一さんは―

 

 「5月末のサミット後に国会を延長して、参院選前に埋蔵金を活用した大型景気対策をブチ上げるような気がする」「ダブル選挙も十分にあり得る」

 

 よーく考えてみれば、原油安は日本にとっていい話だし、円高も116円がついたところでヘッジファンドは円売りをやめている。上海の方がおさまると、もう東京株式市場が激しい上下動に見舞われることはあるまい。

 

 

 

 映画のセリフから。有名なのは「人生で大切なものは勇気と想像力、それに少々のお金だ」。「死と同じように避けられないものがある。それは生きることだ。」

 

 

 

 私は1969年にジュネーブの空港でチャップリンを見かけたことがある。品のいいお爺さんだなあと思って見直したらご本人だった。誰か知人を見送りに来たらしく、4,5人周りにいた。群衆は周りを少し離れて取り巻き、敬意をもって静かに見守っていた。あのときはまだ英語が私は上手ではなかった。そばに行って、声をかける勇気がなかった。残念でならない。

 

 この記憶をバネにして私はその後、一生懸命、英語の訓練をした。浦和から東京駅の間、電車の間のつなぎ目は両方のドアを閉めると個室なので、そこにA4の紙に当時の山一証券の通訳のプロにコロキアルにしてもらった3分ぐらいのテーマごとのスピーチを暗記した。Sとth、rとl、まだうまく発音の差は出せないが、内容のある話なら、必ず相手は聞いてくれる。つまらない自慢しましたね。81歳にもう何ヵ月でなるジイサンの話しです。

 

 

 

そういえば「ライムライト」の物語が始まる前の字幕でー

 

 「華やかなライムライトの中に若者が登場したら、老人は退き下がらねばならない」。はい、よーく分かっていますヨ。チャーリー、でも、ねえ、まだまだ。まだまだ。

 

2016年1月 8日 (金)

映画「杉原千畝」と2016年に発生するサプライズ(第808回)

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映画「杉原千畝」と2016年に発生するサプライズ(第808回)

 むずかしい名前だが、スギハラチウネと読む。第二次大戦中、外務省リトアニア領事として、6千人ものユダヤ人の命を救うビザを発行。「日本のシンドラー」と呼ばれている人物の名だ。彼が救ったユダヤ人と関係者たちの子孫は4万人いて世界中で活躍、日本の外交力を支えているといわれる。

 主演唐沢寿明、その妻は小雪。日本映画だが監督は「サイドウエイズ」のチェリン・グラッグ。ストーリーの展開がキビキビしていてお涙頂戴型の変に人道主義映画になっていないところがいい。出来もいいのでおすすめだ。

 

 センポと呼ばれる主人公は単なる外交官ではなく、優秀な諜報員としての一面もあった。ナチスドイツのソ連侵攻とか、ヤルタ会談でのソ連の対日戦参加密約とか、最高級の情報を本国に送ったと、という。当時の最高首脳にこの情報は伝わっていなかったらしいが。センポはさぞ口惜しかったろう。

 

 三国同盟、ナチスの対ソ不可侵条約で日本が対米戦争に追い込まれてゆくなど、1930年代の世界は見通しのつかない混沌として状態だった。現在に共通している。

 

 さて、今年のサプライズという今週のテーマである。

 恒例のバイロン・ウィーン氏の2016テン・サプライズは

 2016年米大統領選、民主党のヒラリー候補が勝利

 米株は下落

 Fedは2015年12月利上げ後、2016年の利上げは1回のみ

 海外投資家、米株の持ち株を縮小

 中国はかろうじてハードランディングを回避も経済減速は免れず

 難民問題でEUは再び崩壊の危機

 原油は30ドル台で低迷

 ニューヨークやロンドンなど、高級不動産が急落

 米10年債利回り2・5%以下で推移

 世界経済成長率は2%増へ

ちっともビックリ」じゃない。

 

現実には年初からの①中国発世界同時株価急落②北朝鮮の水爆③サウジとイラン断交、などのビックリが続発。(②が昨年末に慰安婦問題合意を急きょ決定した真因でしょうなあ)。

 私はコロンボの経済のフォーラムで7日にジョージ・ソロス氏が「中国問題こそ危機と呼んでもいい」いうポジション・トークくさい発言通り。人民元の暴落と外資流出、その背景にある中国景気不振があると思う。

 ただし、ただしである。私はスフィンクス・リサーチの藻谷俊介さんが指摘している中国を筆頭に世界の自動車生産が急速に回復していること。つれて日本の自動車メーカーも日産、スズキ以外はトヨタはじめ国内生産も上昇に転じた。最近の中国の年率生産台数は2割増の2700万台にも。この3カ月急上昇だ。

「季節調整グラフで見ないと体感できない変化で、一般にはまだ認識されていないが、いずれひろまることになろう」と藻谷さんは言う。私もそう考える。いまが2008年と考えている向きは、「2007年が今年(爛熟の年)」という氏の見方は正しいのではないか。

 

 結論。私は今回の世界同時株安は昨年の「夏の嵐」と同様、結果としては一過性のものとなる。私の強気に変わりはない。来週の火、水曜日あたりから反発だろう。買いだろう。

 

 今回みずほ総研の「とんでも予想2016年」をご紹介する。バイロン・ウィーン氏のよりこっちの方がずっと意外性があるし、何といってもユーモアのセンスがある。

 常務チーフエコノミストの高田創さんに脱帽。

 ただし、しいて穴を探すと中国経済が欠けている。むしろAIIB加盟など強い中国を前提としたサプライズが入っているのが、ハテな?と思わせる。

 米国大統領選挙で不動産王のトランプ氏が当選。米国大統領のレイムダック期での権力の空白から、世界的規模で地政学な不安が増大。各地で非常事態宣言が出される状況に

 準備不足でリオ五輪開催できず。ルセフ大統領が罷免され、レアル暴落

 日本(あるいは日米両国)が、アジアインフラ投資銀行(AIIF)への加盟を決定。それを契機に日本企業なども参画するAIIBの融資プロジェクトも発足し、アジア等におけるインフラ投資の動きが活発化

 政府がデフレ脱却を宣言。日銀は物価目標2%の達成を中長期的に目指すことに変更。債券市場が日銀金融緩和の出口を意識し長期金利は1%台まで上昇

 軽減税導入事務の遅れを口実に、政府は消費税先送りを決定。日本国債がBBBに格下げ

 NISA非課税枠拡大、ジュニアNISA創設等で個人投資家の増加傾向は続き、80年代以来の投資ブームが到来。家計の株式・投資信託保有残高は一気に250兆円を突破。日経平均株価は1991年以来25年ぶりに25,000円台に

 訪日外国人数が一気に3,000万人を突破。消費財への需要が拡大する一方、ホテルなど宿泊施設の整備が追い付かず、規制緩和で全国での民泊が可能に

 女性の活躍には男性の働き方改革が必要との意識が高まり、男性の育児休業取得率が2020年20%を達成(2014年実績:2・3%)、「イクメン」が一気にトレンディドラマの中心に

 仮想通貨の法令上の取り扱いが明確化され、仮想通貨の取り扱いが激増。仮想通貨による決済の普及が加速し、銀行グループもビットコインビジネスに参入

 リオデジャネイロ・オリンピックでの日本選手団が大活躍し、20個の金メダルを獲得(過去最高は、東京(1964)、アテネ(2004)の16個、7人制ラグビーのメダル獲得でラグビー人気がさらに高まる

 

映画のセリフから。杉原が幼い時から教えられた言葉「ひとの世話にならぬよう。ひとの世話をするよう。そして、めぐみを求めないよう」。日本人ってすぐれた国民だと誇りに思う。Hqdefault


2016年1月 5日 (火)

2016年 日本経済の展望

「日経トップリーダー」経営者クラブから出版された『トップの情報CD』に、「2014年日本経済の展望」というテーマでインタビューが収録されました。

2016年1月号その1
2016年1月号その2
2016年1月号その3
2016年1月号その4
2015年11月号
2015年9月号
2015年7月号
2015年5月号
2015年3月号
2015年1月号その1
2015年1月号その2
2015年1月号その3
2015年1月号その4
2014年11月号
2014年9月号
2014年7月号
2014年5月号
2014年3月号
2014年1月号その1
2014年1月号その2
2014年1月号その3
2013年11月号
2013年9月号
2013年7月号
2013年4月号
2013年2月号
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2013年1月号その2
2013年1月号その3
2013年1月号その4
2012年12月号
2012年10月号
2012年8月号
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2012年4月号
2012年2月号
2011年12月号
2011年10月号
2011年8月号
2011年6月号
2011年4月号
2011年2月号
2010年12月号
2010年10月号
2010年8月号

2016年1月 1日 (金)

映画「クリード チャンプを継ぐ男」ともうかるチャンス(第807回)

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映画「クリード チャンプを継ぐ男」と天災で儲かるチャンス(第807回)

「ロッキー」を1976年に観たときの衝撃を忘れない。あの迫力十分の試合シーンの凄さと人の心を奮い起させるビル・コンティの音楽。その後延々とつづくシリーズが6本!これには参ったが、名シーンにはこと欠かない。すぐいくつも想い出す。

今回の「クリード」はロッキーと戦い後に親友となったアポロ・クリードの息子アドニスとロッキーの物語。子供がいたっけ?と首をかしげるが実はアポロの愛人との息子。正妻がが引取り大学を卒業、大会社入社という出世コースにいた。ところがやはり血は争えず、ボクサーになるためフラデルフィアに来てロッキーにコーチを頼む。

 当初かくしていた出自がばれ、スキャンダラスに報じられる。一方36戦無敗の世界チャンピオンが銃の不法所持で7年の実刑。そこで話題性に目を付け、アポロの息子と最後のタイトルマッチ。強い現役チャンピオンとのたたかい。まるで第一作と同じ。

 愛する女性を見てつけたあたりも同じ。テーマも孤独な社会的弱者が懸命に努力して報いられる―違うのは戦うのがロッキーでなく若いアドニスということ。しかし作品としての魂は受け継いでいると思う。佳作。シリーズを見直してみるのが一番いいが、ともかくおすすめである。

 新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 いろんな雑誌の新年号の株式市場の見通しを読むと「波乱はあるものの少なくとも7月の参院選あたりまで上昇。リスクは中国と原油安。株式の需給では産油国政府系ファンドの日本株売り、というあたりがコンセンサスだ。

 私もまあ大きな違いはない。強いていうなら、日経平均2万26~700円にフシガあるので、抜くのは簡単にいかないと云う位。

 銘柄のいいものを選別が大事、とつくづく思う。日経平均は昨年9%上昇だが、日経225種でも9銘柄も6割上昇。これはアナリストにとりひとつの挑戦と思う。(単位%)

 ① 日水(1333)80・4

 ② 明治HD(2269)80・2

 ③ 丸井G(8752)77・5

 ④ 塩野義(4507)77・4

 ⑤ エーザイ(4523)73・6

 ⑥ 協和キリン(4156)71・3

 ⑦ 日清粉(2002)68・9

 ⑧ ヤマハ(7951)64・0

 ⑨ ニチレイ(2871)63・2

 食品と医薬品が多い。できるだけこういうヒット銘柄を探してゆきたい。

 実は、ある投資家から「富士山の噴火とか関東の直下型大地震が起きたら」と質問された。私は、すぐ半年ぐらいは下げで、10%以上でしょう。しかし、影響を受けない地域にいる方でしたら、特需が発生しますから、関連銘柄は上昇するでしょう」と。災難にあった方々には不謹慎と思われるだろうが、株式市場というのはそういうものです、とも。

 たしかに日本人誰もがひそかに懸念し続ける不安材料は首都圏直下地震又は富士山噴火だ。

 あの東日本大地震災の2011年3月11日から4年近く。M7.0以上の地震が三陸地震と前後して発生した例をみると1611年の慶長、1896年の明治、1933年の昭和、とある。

 一方富士山の大噴火は864年。前後して三陸地方に貞観地震と津波があった。

 株価の動きは、2011年2月21日の天井1万857円から11月25日の底値8160円まで25%も下げた。まあこの時期は民主党管直人内閣という最低の政権だし、福島第一原発の事故が加わった。

 万一、万一の事態になった時、まあこのブログを聞いておかれるといいと思う。私がそんな事態を期待しているなんて考えないでいただきたいが。

 銘柄をご参考に。自身は①岡部(5959)マンションの耐震性を高める建材②東鉄工業(1835)JRの駅の耐震工事③太平洋セメント(5233)がれきをセメント原料に。(日経ヴェリタス調べ。)

 噴火は①興研(7963)②重松製作所(7980)ダイワボウ(3107)みんな防毒、防塵マスク関連だ。

 映画に話を戻そう。アドニスが直面するのは「オレにはボクシングをするほかない」という強い思い込みだ。アドニスは義母のアポロの未亡人と暮らしているから金には困らない。しかし現実には暴れ者でいわくつきの彼にコーチする者はいない。義母もボクサーになることは反対。孤独な人生だが「オレにはこれしか選択肢はない」。

 何か天災があっても、国家も株式市場も永続する。他に選択肢はない。

 映画のセリフから。ロッキーがアドニスに諭す。「何遍も何遍も殴り倒されるんだ。そこでまた立ち上がって、答えがわかる」。あのアポロとロッキーの対戦の第14ラウンドの名場面を思い出した。

 

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