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2016年1月30日 (土)

映画「僕だけがけがいない街」と甘利辞任とマイナス金利(811回)

映画「僕だけがいない街」と甘利辞任とマイナス金利(第811回)

 試写会で観た。藤原竜也主演の漫画原作によるミステリー。3月19日ロードショー。昭和と平成の時間軸を行ったり来たりするリバイバルものだ。

 漫画家志望のダメ人間が18年前の連続誘拐殺人事件の被害者たちを救おうと努力する。その犯人が母を殺したとみられるので、まず、犯人を見つけなくてはならないが。

 このテの映画は、現実を変えないタイプと人為的に歴史を変えてしまうのとふたつある。「信長協奏曲」は前者だろう。本当はこれでも良かったのだが。

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 ごく短期間に、歴史的な出来事が連発する時がある。

 1月28日の甘利大臣辞任。つづいて29日の日銀のマイナス金利導入。前者はあとから見たら何だ大したことなかったじゃないか、となりそうだが。

 まず辞任。告発した相手が録音したり撮影したり。「はめられた」という感じがするし、週刊文春は禁じ手を使ってしまったと思う。

 当選11回の甘利氏は恐らく古いタイプの政治慣習で事務所と秘書を使っていたのだろう。昔は政治家の秘書はメチャメチャ安いサラリー。レストランのウエイターがチップを収入の半分にしているように「先生に会わせてあげます」と面会料の半分はポケットに―。もちろん何十年も前の話しだが。

 小渕優子さんもオヤジの事務所を使っていたし秘書もそのテだったから、政治資金規制法の厳格化なんて十分に分かっていなかったのだろう。今回もそうなのではないか。

 野党の追及もこれまで、だろう。自分は会わないで元検察の弁護士に調査させ、その調査書を読んだ。秘書の監督不十分で引責辞任。野党は記者会見まで時間があったので、コブシを上げたが、カラ振りだろう。

 しかも安倍首相も任命責任を認めた。いつまでも国会審議を伸ばせないし、参考人招致もあり得ない。第一、口利きで衆議院議員が有罪になった例はない。アベノミクスがこれで進行停止、になるまい。

 甘利氏の後任に石原元幹事長が就任したが、閣内に石原派が一人もいなかったので均衡させたのだろう。首相の余裕を物語るものだ。

 恐らく甘利氏を首相が大きなことを決める前の四者会談―首相、麻生副首相、甘利氏、菅官房長官―のメンバーから外すまい。1年もヒヤ飯を食べた後、党の要職に就くのではないか。政治評論家の屋山太郎さんは政調会長、と予想しておられるが。腕はあるし首相への忠誠度も図抜けている。功績も充分。放っておく人ではない。

 

 次にマイナス金利。私は発表直後にあるファンドマネジャーから問い合わせがあったので、次のように答えた。

 株価へはいい話だ。円レートはこの発表で2円40銭(2%強)の円安になった。東京株式市場で売買高の50%以上は1秒で2000回の売買を行う超高速取引(HIT)では「円安、株買い」が同時に起きる。今回は1円あたり日経平均300円以上の株価上昇を示した。

 今後も円安、株高は期待できる。

 今回の決定で10年物金利は0・1%台、20年ものは0・8%台まで下がり、最低水準を更新した。今後日本の投資家が外債投資を一段と促進すること必至だ、

 理由は次の通り。今回の決定ですぐ通貨スワップ市場ではドル円の1年ものベーシススワップ(LIBOR三カ月もの)は45ベーシスも急拡大した。これは日本の機関投資家のドル建て資産投資をする場合のヘッジコスト増を意味する。当然ヘッジ比率の引き下げ、つまり円売り・ドル買い戻し、だ。ヘッジファンドもこの動きに同調する。リスクオンになって来るだろう。

 エコノミストは、デフレ回復に効果は乏しい、とか批判している。しかし私には円安・株高効果が大きいと考えている。そこに黒田日銀総裁の狙いがあるのではないか。

 私は新聞にヤマのように書かれている「マイナス金利とは何か?」はわざと省略した。私の評価は、市場には劇薬だが効果絶大、だ。

 私は3月末に円レート125円、日経平均1万9200円が恐らく内閣官房の希望値と思うが、相当に確率は上がったと思う。

 今回のオマケ。

 NYのWTI原油価格は1月20日のバレル27・56ドルを底値に34・82ドル。7営業日で7・26ドル、26・3%の急上昇だ。

 ロシアの石油業界要人、次いでロシアのノバク・エネルギー大臣発言が材料。2月にOPEC加盟国とロシアを含んだ非加盟国の閣僚級会合が開かれ、そこでサウジが協調減産を提案。合意が実現すればOPEC臨時総会を開いて決定する、と。ロイターが報じた。

 5%が減産幅、と言われている。IEAの試算だと日量100万バレルの過剰供給である。OPEC加盟13カ国の生産は日量3218万バレルだから5%は161万バレル。一方ロシアは日量1079万バレルだから5%は54万バレル。合計215万バレルの供給減だから、一発で需給は均衡する。この情報で原油価格は急上昇した。まだ問題は残る、と大起産業の小管努アナリストは言っているし、他の専門家は情報自体確認されていないという。しかしこれまで積みあがった売りの買い戻しがある。私はバレル40ドルは行くのではないか、と考える。

 

 映画のセリフから。主人公は繰り返して言う。「ことば、ってね。口に出していくうちにホントになるような気がする」。私の強気はご存じの通りだが、市場がようやくついてきてくれ始めた。


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