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2017年2月26日 (日)

映画「ナイスガイズ!」と新値NYとモタモタ東京(第847回)


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映画「ナイスガイズ!」と新値NYとモタモタ東京(第847回)2017・2・26

 「ラ・ラ・ランド」が「タイタニック」級14のオスカー候補というので早速観たが、本音を言うとガッカリ。昔の傑作ミュージカルへのオマージュがたくさん織り込まれて、そこらは楽しめたが。「ザ・コンサルタント」も面白かったが、なんといっても楽しめたのは「ナイスガイズ!」。館内でも五分に一回は笑っていた。

 主演はラッセル・クロウとライアン・ゴズリング。シェーン・ブラック監督お得意の「バディ(相棒)」映画。アクションに加えてスラップスティック・コメディとスリルが入ったお気軽な娯楽作だ。

 示談屋のヒーリー(クロウ)と私立探偵マーチ(ゴズリング)。ツッコミが腕っぷしの強い有能なヒーリー。これに対し全く無能でドジな探偵マーチは、トンデモ演技でボケる。ラ・ラ・ランドのミュージカル演技と違いコメディ演技のセンスも抜群だ。この二人組が人さがしに始まって巨悪と戦うというお定まりの展開だが、1970年代のLAだから、米自動車ビッグスリーの環境規制の引き延ばし暗躍からだ。規制に合格した日本車が米国勢の心理的圧迫になっていたことは言うまでもない。

 この何週間か、米国株式市場は快調で、NYダウ、ナズダック、S&P500すべて歴史的高値を更新中。

 一方日経平均の方は1万9500円がカベになってなかなか抜けない。どうして?いつこのカベを抜くの?とお問い合わせが多い。先週の予告の財源問題は様子を見て。

何せ市場の売買の四分の三は外国人だし、先頭に立っているのはヘッジファンドだから早速何人かの運用担当者に聞いてみた。果せるかな、理由はいくつも。

 2月10日の日米首脳会談を終えた今でもトランプ政権が、どんな難題を日本の自動車業界に押し付けるのか、まだ分からない。先の見えない日本株を買い増しする意欲がそがれたままだ。円レート一つにしても同じことだ。

 安倍首相夫人の学校と国有地安値払い下げのスキャンダル疑惑。長期安定政権のストーリーに不安が出ている。

 韓国の朴大統領弾劾が決まれば、2か月のショート・ノーティスで大統領選。「北」の息のかかった政権が、財閥の不正蓄財、外国企業の資産差し押さえは、野党(左派)の公約に入っている。欧州の難民騒ぎが日本にも起きるのではないか。

私はこうお答えしている。

 日本の自動車メーカーは90年代の貿易摩擦以来、現地工場での「地産地消」で、トランプ氏の認識は間違っている。ペンス副大統領は日本のことをよく知っており、ここでまとめるのでメチャなことは言うまい。それに日本の自動車、同部品メーカーはどんな状況での対応できる手段を十分に知っている。

為替でもムニューチン財務長官は、操作国は4月の為替報告書などの手続きを踏んでから、ているし、ドル安よりドル高が好ましい、と発言している。FEDの金利引き上げもあり、円安で企業収益上昇と株高は目に見えている。第一、株価収益率15倍弱はどう見ても割安。私の5,6月に2万1~2000円の目標は変えない。円レートは118円に行っているだろう。

 大した問題じゃないと見ている。1か月先にまだ問題になっていないだろう。

 弾劾自体、裁判官八人のうち二人が同意しなければ成立しないし、まだ態度を決めていない投票者は現在の首相を支持するかもしれない。「北」は「南」を吸収合併して連邦制の「朝鮮」という国家をつくりたいだろうが、米国も中国もそんな企てを許すと思えない。

 私はいま東芝の行方が、日経平均1万9500円のカベになっていると見ている。昨年も2月にはシャープが「悪役」になったが、3月には株高になった。日本の景気先行指標は1月まで5か月連続で上昇、個人消費の6割を占めるサービス支出は9・四半期連続で上昇している。日本のマスコミが景気上昇と認めないだけだ。市場が織り込んで動き出す日は近いと確信する。

 映画のセリフから。ヒーリーが結局真相がヤミの中になったのを怒って言う。「(環境規制への努力をしないで、実施を延期させてばかり)、すぐにビッグスリーは日本製の電気自動車に取って代わられて、ビッグスリーみんなアウトになるぞ」。私は自動車業界のアナリストを数年やっていたからよくわかる。ビッグスリーの経営は日本勢の努力にくらべて、怠けている。左ハンドルをどうして右にしないのか。

2017年2月17日 (金)

映画「スノーデン」と日米首脳会談のツケ回し(第846回)

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映画「スノーデン」と日米首脳会談のツケ回し(第846回) 2017・2・19

 何しろオリバー・ストーン監督の最新作。反政府的なので欧州系の資金で製作したーなんて聞くと私の反骨精神がウズウズして、観た。ただ映画としては私の勉強していたスノーデンとはだいぶ脚色されていた。最大の悪役NSAの大物コービンは実在していないし、スノーデンはドローンで標的を定めるプログラムに関係していない。

それでも映画のテーマは明快だ。ネット傍受はいわば「盗聴」で、これは民主主義と個人の自由を揺るがす、しかも政府が主体になって盗聴するのは許されるべきではない。だからスノーデンは米国政府を告発した。

 

映画のパンフレットを見ると、オリバー・ストーン監督はトランプ大統領に「奇妙な形だが新鮮な空気を持ち込んだ」と期待している。主要メディアへの不信感からだ。「トランプへのヒステリックな報道ぶりは、かつての赤狩りに近いし、ロシアと近いとの報道も彼を大統領にしたくない力が働いたと思う」とも。

 

産経新聞の報道によると、昨年11月17日のトランプ=安倍会談で、安倍首相はこう切り出した。

「実はあなたと私には共通点がある」

けげんな顔をするトランプを横目に安倍首相は続けた。

「あなたはニューヨーク・タイムスに徹底的にたたかれた。私も同紙と提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った!」

トランプも右手の親指を立ててこう言った。

「オレも勝った!」

トランプの警戒心はここで吹っ飛んだと思われる。90分の初会談、マティス訪日、そして2月の超歓待(ゴルフ27ホール、5回の食事)もすべてこの会話から始まった、とこの報道はいう。なるほど。

 

また同記事は、1月28日の電話会談でトランプ氏は「オレは日本車が好きなんだ!」と。あれほど日本の自動車メーカーを攻撃してきたトランプのこの発言で、安倍首相はツイッター攻撃にも動じる様子はない。ふーん、なるほど。なるほど。

 

2月10日以前には①自動車問題の不均衡②為替水準につながる日銀の金融緩和の議論が警戒されていたが、実際には議題にならなかった。

 

日本側が「お土産」として用意していたはずの「日米成長雇用イニシアティブ」も温存されたようだ。日米関係の重要性は再確認され、2国間の経済対話創設で合意した。しかもペンス副大統領と麻生副総理という組み合わせだと、相手はインディアナ州前知事で知日派だからそう無茶なことは言うまい。

 

ただし、トランプ政権の4年間でずっと日米関係が安泰かといえば、飛んでもない。ビジネスマン・トランプはそう甘くない。私の知っている時事通信社外国経済部長の大嶋聖一さんは「日米経済はこれから『戦闘モード』へ」入ると言っている。

 

2月10~12日現在、経済閣僚はまだ米議会の正式承認されていなかった。いわば準備不足だったので仕事が始まれば楽観できない。共同声明に「日米間で二国間の枠組みに関し議論を行う」としたが、この枠組みにはFTAも入る。この交渉が厳しいものになること必至。トランプ貿易政策は①GDP(もちろん米国の)にプラス②貿易赤字削減③米製造業の強化、が選挙公約である。

 

私自身、ワシントンの共和党ロビーストに取材したが、次の4点が米国への「見返り」になる。だから超歓待のツケは高いよ、と。

 米国債の購入。中国が米国債を売却し続けている現状では、年金運用法人GDPIFの買い、又は日米パートナーシップによる財務省(日本)の買い。これで円安批判を回避する。

 米国インフラへの投資。例えばテキサス州の新幹線計画への協調融資。

 米国製の兵器購入または新型の兵器の日本共同開発。海上迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」、ステルス戦闘機、無人機などなど。2019年からのミサイル実戦配備がすでに決まっている。

 これが大物なのだが防衛負担の増額。兆円単位の話でせいぜい何千億円の米軍駐留経費の増額ではない。この方は思いやり予算を含めると7600億円、日本負担74・5%で、韓国の49・5%、ドイツ22・6%に比べ、確かに十分。マティス米国防長官も「モデル」と評価するほどだ。問題の防衛負担は「対GDP比率1%」のカベを少なくとも1・5%、長期で2%に上げてほしいとの長い間の米国側の要望だ(前期の③も入るが)。つまり最大5兆円の予算増の話だ。

米国自身の3・3%、英国2・0%、フランス2・1%に比べ日本はわずかに少ない。(ドイツの1・2%

も少ないと批判されている)。恐らくこの④は「密約」だろう。

 では財源をどうするか。これは次回に書くことにしよう。

 

 映画のセリフから。スノーデンが言う。「私はかつて政府のために仕事をしていました。いまは人々のために働いています」。平和維持のコストは高くつく、まあ仕方ないのでしょうなあ。

お隣にメチャクチャなことを平気でやってのける国がいるんだから。

2017年2月10日 (金)

映画「キムゾンダル大河を売った詐欺師たち」と呆韓(845回)

映画「キム・ソンダル大河を売った詐欺師たち」と呆韓(第845回) 2017・2・12

 私は嫌韓も嫌韓、食卓にキムチも出さない。TVの韓ドラも韓映も観ないのが普通だが、悪党がトクをするコン・ムービーを観たくなったのでまあタマにはいいかな、とー。

詐欺師の主人公が誠にへたくそなメークで何人もの別人に化け(ダマされる方も方だが)次から次へと詐欺に成功する。ついには韓国最高の権力者(王様よりも力がある!)に「この川から砂金が出る」と信じ込ませ河を売りつける。まあ凡作でおすすめはしない。(この間に「この世界の片隅に」を観たが戦争の被害者ものは苦手なので)

 

 3月13日には韓国朴大統領の弾劾問題が憲法裁判所で決定される。裁判官のうち二人が反対したら弾劾は成立しないし、朴支持の太極旗デモが3月10日にあって、弾劾はこのデモの動員数が決まる(ホントはね)そうなので、朴留任の可能性も残っている。また極右派が言うよウニ今回の女性占い師の国盗り関与疑惑もデッチ上げ(これもマサカ、ね)説もある。

 

 しかし現在のメイン シナリオは、朴退陣、ショート・ノーティスでの大統領選挙、野党側の候補勝利。どの候補を「北」のイキのかかった人物ばかりなので。

 日韓合意はキャンセル

 「北」は金体制、「南」は民主主義体制で「合邦」し「朝鮮連邦」ができる。

 「北」の核ミサイルを打ち込むゾと日本をおどして日本からカネを巻き上げる。

 

 私がブログで「2017年テン・サプライズ」つまり「とんでも予想」の一番目にこの「キムチ・ショック」をとりあげた。朝鮮半島からの難民を予想したからだ。もちろん原稿を書いたのは旧年中だったので、私のブログの愛読者からよく当てましたねと声をかけてくれた。しかし私の真意というか不安は、前記の②と③にある。

 

さすがに米上院は「北」の影響力増大を警戒しており「核保有が10個以上に達する前に先制攻撃」が昨年末に検討。これを受けて先週のマティス国防長官はTHAAD配属を確認したし、前提となる①については国務長官が電話で確認している。慰安婦の少女像にも一言あったらしい。①が②、③に続いてしまう前に、シメておこう、と米国は考えているに違いない。

 

 私はいつも韓国人に呆れるのは、あまりにも手前勝手な、事実を無視した強弁だ。

 BSフジの2月8日プライムニュースに出演した恵泉女子大李准教授の発言だ。「安倍政権の支持率が下がっているので、人気回復のため韓国にツラく当たっている」とぬかした。この人、安倍内閣の支持率の高さをご存じないらしい。

 だからこそ、最近の世論調査で韓国を「信頼できない」77・9%(出来るは17・0%)になってしまうのだぜ、李さん。

 韓国経済のひどさについては、この李さんを含めて三人の韓国人が、2時間の間一言も言わない。若年層の失業率9・2%というひどさ。

 96年対比で2015年に家計債務の対GDP比率は44%から85%にほぼ倍増。赤字世帯の比率も96年の16・7%から2015年21・3%に上昇。2016年も悪化しているだろう。

 外貨不足の懸念は大きいい。中国依存が裏目に出ている。「中国による韓国いじめ」もある。THAAD配備に絡んだもの。それよりも何よりも、日本の技術を盗んでウオン安で輸出を伸ばすというコソ泥商法がカベにぶつかっているためだ。

 

 実はここまで書いてきて読み直したら、韓国から「反日」で必ず自滅するという私には自明のことが十分に説明されてない。

 

 韓国は海外との試算バランスはマイナスで資金の出し手の家計の純資産はGDPの1・1倍、一方企業の純資産は1・3倍(日本はそれぞれ2・5倍、0・91倍)。このため国内資金不足に陥りやすい。だから2014年にユーロ危機で欧米金融機関が韓国から資金を引き揚げたので、韓国企業は日本での資金調達に死に物狂いになった。

 

 今回は、通貨スワップで中国に依存していたが中国が資本逃避に悩まされ韓国支援どころではない。豪州とスワップのワクを拡げたが、限度は見えている。どうしても韓国政府は日本の信頼を回復するしかないのだが、しかし、次期大統領候補には「反日」しかない。もう少し理性的になったらどうか。

 

 結論。こんなお隣さんだからどうしても日本は米国と協力して「北」の「南」制圧を回避しなければならない。そこで、私は相変わらず防衛関連株に注目する。

 

 映画のセリフから。ただのニワトリに金箔を塗り、伝説の鳳凰にして大金をせしめた。しかし大雨が降ってすべての金箔が流れ落ち、バレてしまう。

 韓国商法は金箔が消えたようなもので、サムソンはじめ商売そのものが行き詰まっている。そこいらがまだあの国ではワカっていないー。

 

 

 

2017年2月 4日 (土)

映画「ゴッドファーザーと三部作」とトランプとヘリマネ(第844回)

映画「ゴッドファーザーと三部作」とトランプとヘリマネー(第844回) 2017・2・5

 ご存知のフランシス・フォード・コッポラの三部作。原作はマリオ・プーゾで第一作は1972年、2年目に「PARTⅡ」さらに16年たって「PARTⅲ」。物語は20世紀初頭から80年あまりの大河ドラマだ。

 物語はマフィアの抗争史だが、イタリア人の一族の愛の絆は強い。マーロン・ブランドが長男に言うが「家族を大事にしないヤツは男じゃない」。そのドンが射たれて重傷を負うが、三男のマイケル(アル・パチーノ)が病院で父を守り、黒幕の二人の男を射殺し復讐する。このシーンや、赤ん坊の洗礼の時に手下を使って有力マフィアの親分を皆殺しにするシーンなど。映画としての盛り上がり迫力十分な見せ場になっている。

 父は子にしきりと教訓を垂れる。「一番親しいものを疑え」『オレのシマで手打ちをする』。というのが一番危ない。そいつが裏切り者だ」。

 

 国防長官来日で、日米安保の確認が行われ、マスコミは「ひと安心」ムードが拡まっている。尖閣やら「北」の核やらで心配の種は多かったから、やはりトランプになっても米国は頼れる同盟相手だという安心感が大きいのだろう。ただし、私は安倍=マティス会談で99%、トランプ氏の伝言の「防衛費の増額」が伝えられたと思う。GDPの1%というカベはこれまでも米国の一部では批判の対象だった。

 

 トランプ氏の欧州NATO加盟国が応分の責任を果たしていないと批判し続けてきた。NATO加盟国はGDPの2%の防衛費支出が目標だが、達成している国は英国、ポーランド、エストニアなど。中核の独、仏も2%以下である。

 三日のABCテレビでマティス国防長官は「日本に駐留費増額は要求しない」と述べていたが、防衛費(つまり米国製兵器の輸入額を含む)のワクは別だろう。米軍駐留費は7600億円で54%が日本負担。100%負担でも3500億円増に過ぎない。しかしGDPの1%増は5兆円。ケタがちがう。

 

 当然のことながら、財源をどうする、という大問題になるが、米国は連邦税としての付加価値税(消費税)は輸入品に有利、として1960年代以来反対の立場だ。とくに新商務長官ウィルパー・ロス氏は従前から消費税反対の立場をつづけている。

 トランプ氏自身もメキシコ叩きの中で「メキシコは16%の付加価値税があり、米国で販売されるメキシコ品は無税だが、米国製品はメキシコで16%課税される。長い間放置された欠陥協定だ」と述べている。

 

 では、日本はどうするか。来週、浜田宏一内閣参与の招へいで、プリンストン大のC・シムズ教授が来日する。同氏は拡張型財政政策、消費税繰り延べまたは廃案を主張している。

 またほんの数週前に、ジョージ・ソロス氏と元英FSA長官が官邸を訪問した。今後の防衛予算増、国土強靭化計画などのために、財政ファイナンスを行う意志があるかどうか、確認に来たのではないか。

 

 恐らく年後半の総選挙前には防衛予算も財源もマル秘だろうが、戦前の「高橋財政の勉強をこのブログの読者におすすめしておきたい。要するに一番大事な実例は歴史にあるということだ。だから、世界中が恐慌になっても、資産デフレを卒業した日本だけは打撃は軽く「独り勝ち」となる。私の確信だ。

 

 注目している業種・銘柄は「中長期ならいいものへの投資は必ず報いられる」と、どうぞ皆さんに確診していただきたい。そうはいかない向きはロスカットを15%とか20%と決めておくことも重要だ。

 

 映画のセリフから。PARTⅢで大親分になっているマイケルが甥にいろいろ教訓を垂れる。「目をよく開いてみる。口を開くんじゃない」。「敵を憎むな。判断が鈍る。」「政治と犯罪は一つのコインのオモテとウラだ。へええ、そうなのか。

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