今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

アドセンス

  • 広告

« 映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回) | トップページ | ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」とトランプゲートと森友(第852回) »

2017年3月26日 (日)

映画「パッセンジャー」と森友とFBI(第851回)

映画「パッセンジャー」と森友とFBI(第851回)2017・3・26

 主演のジェニファー・ローレンスがお好みなので観た。予告編で「乗客5000人、目的地まで120年、90年も早く、二人だけが目覚めた」というのが面白そうだったし。ただこの予告は違っている。エンジニアのジムが装置の不具合で90年早く目覚め、孤独の1年後に一目ぼれした美人作家のオーロラを起こしたのだ。

巨大な宇宙船で若い美人と二人きり、なんて男の夢だ。この映画のジムは労働者階級、女性の方は大卒の作家で裕福。まるで「タイタニック」だが、あれと同じく見せ場は多く、無重力下のプールなどビジュアルも新鮮で退屈させない趣向もたっぷり。

破られるはずのない宇宙船の外壁がいん石で穴が開き、二人で必死になって修理するシーンがある。船外に放出されたジムをオーロラが救う。そこがヤマ場になっている。

米国の方はトランプ政権に第二のウォーターゲートと目される疑惑が出たし、日本の方は森友だ。4年は固いはずの長期政権に不安が出た。

 まったく、3月21日のNYのダウの急落はまいった。FBIコミー長官の下院情報委員会での議会証言がその前日にあり、ここで爆弾発言が二つもあった。我が国のマスコミは殆ど報道されなかったが、第一がトランプがツイッターで批難していたオバマによる盗聴は全くなかったーと大統領のカオをツブした。

 そして第二が大統領側近の対露接近が大統領選挙の運動最中から行われ、結果に影響を与えた可能性を捜査している。コミー長官は議員の質問に答え「今後重大な事態が明らかになろう」と述べた。翌日この発言を嫌気して238ドルもダウ平均が下げている。トランプ政権支持率は37%に下落し、不支持率は59%。

 そうでなくともトランプ政権の動きが遅くなかなか選挙公約通りに物事が進行していない。通常1月下旬の一般教書も発表は2月28日になったし、予算教書も2月上旬の通例が3月16日になった。しかも予算全体の三分の一に当たる分だけで全体の予算発表は5月になる。

2月9日にトランプ大統領は薬品業界首脳との夕食会で「2,3週間のうちびっくりするような税制案が発表される」と述べたが、現実には3月24日現在でも発表されていない。このほか機能不全の証拠はヤマほどある。

 私のワシントンの情報源は「トランプの選挙公約は口から出まかせの思いつきなので、具体的な政策のカタチになかなかならない」。だからオバマケアの代替案も共和党議会の41%しか賛成していない。今回取り下げたが仕方あるまい。

 NYタイムスはこの3週間連日7ページものトランプ批判の特集記事を掲載しており、共和党議員の中にも「このままで行ったら明年の中間選挙で大敗北必至。今のうちにペンス副大統領がホワイトハウスを仕切るような体制にすべき」との声があるという。

 NYダウは3月1日には一般教書を好感して275ドル高の2万1000ドル台を付けたが、当面これが歴史的高値で、基調は下げになりそう。

 

一方安倍政権の方。籠池森友学園理事長の証言がウソで固められていることは明らかだ。利用できるものなら天皇陛下ご夫妻や安倍首相の名も宣伝や募金の材料にし、三通りの工事契約書を出す。安倍夫人の100万円寄付もあり得ない。重大なのは理財局の隠ぺい工作だろう。内閣支持率は下落したといえ高いし、民進党の支持はメチャメチャに低い。ただ、まだ先週述べた「高転び」のリスクは残る。2月9日に「絡んでいるなら衆議院議員を辞める」と言ってしまっている

 私の描くシナリオは次の通り。秋口に総選挙をやるときに、①消費税を無期延期にする②おそらくキムチ・ショック(韓半島からの難民)への出費③防衛費増加④国土強靭化計画などの支出増(何兆円にものぼる)などの資金需要を賄うためには「伝統的出口戦略」ではムリ。これらは①財政黒字で債務返済②デフレ脱却で実質債務を削減③日銀が保有する国債を金融機関に売却、というもの。とてもムリなことは説明不要だろう。

そこで「非伝統的出口戦略」になる。①政府と日銀が既存の国債の一部を償却(保有国債を無利子永久債に転換)②財政スタンスにインフレ率に応じた弾力的対応③規律ある枠組みが不可欠(みずほ総研リサーチTODAY1月27日付)。つまり疑似ヘリコプターマネーが必要になる。

チーフエコノミスト高田創さんは「年後半に予定される衆院解散総選挙に伴う選挙対策になる可能性も」としている。

では、この疑似ヘリマネをしたらどうなるのか結論からすると日本経済は一挙に元気になり、株価は2,3年でものすごく上がる。倍は固い。このあたりは稿を改めて。

 

映画のセリフから。オーロラが言う。「会うはずのなかった人と会い、人生が始まったと感じているの。不運なはずなのに幸せよ」。この国は、思い切った政策をとれば、必ず幸せになります。

« 映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回) | トップページ | ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」とトランプゲートと森友(第852回) »