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2017年6月 4日 (日)

映画「ゴールド」と金投資時代の開始(第861回)

映画「ゴールド」と金投資時代の開始(第861回)2017・6・4


 1988年の実話をもととしたある山師の物語で、マシュー・マコノヒー主演。主人公ケニーは地質学者マイクとボルネオの密林の中に目星をつけ、ついに史上最大の金鉱を発見するが、そこから飛んでもない展開が始まる。

 金についての映画はゴールドラッシュを中心とした冒険映画(「チャップリンの黄金狂時代」「マッケンナの黄金」)とゴールドに目がくらんだ人間同士の騙し合い、殺し合い(ジョン・ヒューストン監督ハンフリー・ボガートの「黄金」)の2種ある。主人公ケニーの金鉱企業はニューヨーク証券取引所に上場し栄華を極めるが、実は金鉱がインチキだったと判明、株価は暴落する。この映画は後者風ミステリーだが、一ひねりしてあって面白い。ネタバレになるので書けないが。

 あぶないイカサマな政治と経済がお隣の国で進行している。世界の眼は南、北朝鮮とロシアンゲートに集中しているが、私が本当に危機だと感じるのが中国のメチャ・バブルだ。

 中国経済の各シンクタンク担当者は必ず大丈夫と言い張るが、どう見ても中国の工業化は終わり、現在進行中の習近平政治は維持不可能。ひとつの例が都市化政策だ。

 2020年までに都市人口を60%にするため40兆元(670兆円)を使うと中国国務院が2014年に発表した。年100兆円に当たる。特別区(新城新区と呼ばれる)を3050か所作り、2020年までに完成する。

 私が呆れているのは、収容可能人口が34億人と計画されている。現在の人口14億人だから20億人分余る。これを中央政府が打ち出して地方政府にやらせている。現在中国の景気が持ち直しているのは、この不動産バブルの寄与が大きい。

 バブルの破裂の兆候となりそうなのは、建設に不可欠な鉄鉱石の価格で、3月のトン89ドルが6月1日現在60・7ドル。私がFRB元議長グリーンスパン氏に直伝された鉄スクラップ価格も内外ともに新安値。次は人民元と上海株だろう。多分暴落が、あと何か月かだ。外れたらゴメンナサイ。

 しかし資産家は時代の不透明さを敏感にかぎ取るもので、実はわたくしのみるところ金投資の時代がもう始まっている。

 金地金と金貨への投資が「投資用」、アクセサリーなどが「宝飾用」と2種に分かれるが、昨年から、始めて、わが国で投資用が宝飾用を上回り、貴金属店への個人客の売りと買いでずっと買い越しが続いている。知り合いから最近「やっとグラム4500円を抜いた」という喜びの声を聞いた。2005年に1600円だったから3倍近い。「長期では少なくとも7~8000円が見込めますよ」、とお答えしている。

 では、金価格がどんな時、どんな材料で上がりまた下がるか。

 第一にインフレ。このヘッジに金はツヨい。デフレは逆。第二は米ドル。ドル高は金の下げ。第三は金利で金には配当や利子はないので、金利上昇は金価格安。第四は機関投資家中心のETF。この残高が増加すると金価格高。現象は下落につながる。

 私は「金価格は“米国の不快指数”といっている。何か米国にとって悪いこと、不安なことが発生すると金価格は上昇する。

 2001年9月11日、あのワールドトレードセンターへの連続テロ事件の時、私は講演で熊本にいた。金先物業者のトップ第一商品から電話があり、羽田に帰るのは何時ですか。私が東京に帰ったら、迎えの車が着て同社の録画スタジオのある支店につれてゆかれた。私は当時オンス300ドル近辺だったが、手許の目標は600ドル。長期で1000ドルと。理由は「対テロ戦争はキリがない。カネも人命もこれまでとケタ違い。常勝の正規軍戦争と違い、長すぎる戦いに米国国民はイヤ気がさす。予算は赤字化の金は資産家の不安へとヘッジだから上がる。」

 もうひとつ。忘れていたが、BRICSの交流以降、中国とインドの金需要の上昇がある。宝飾用の61%、金地金・金貨の投資用の41%をこの両国が占めている。両国の政府の金への規制や景気によって需要は大きく左右される。

 これに加えて今年から世界で16億人いるイスラム教徒が金投資をすることが解禁されている。従来は宝飾用の金の保有は自由だったがイスラム法で「金融商品としての金」は規定がなかったが、昨年末に「100%特定保管された金現物の裏付けのあるものが認められた。これに金ETFや金鉱山株が解禁された。イスラム教徒は中国やインドより多い。

 オンス価格で2011年9月の1920ドルが史上最高値で現在1270ドル近辺だが、今回の上昇相場はオンス2000ドルはもちろん大きく抜く。メドは2700ドルと思っている。

 私は年配の方には、「財産の3%を金の現物買いにして、お孫さんへの遺産にしなさい」とアドバイスしている。米国ではお孫さんが生まれると多くの人々はウオルト・ディズニー・プロダクションの株を買う。理由は名作とテーマパーク運用で長期安定成長、リスクがほとんどないから。日本では、その代わりに金。

 最近、九州で金の密輸とか代金の空輸とか事件が多い。亡国が近い韓国の逃亡資金とのからみだろう。バカな大統領を選んでしまった自分たちの失敗。今回は日本のせいにはできないだろう。ザマミロ。

 映画のセリフから。主人公は言う。「金持ちになった人間は真実など気にしない。いたるところに警告がばつていたのに、知りたくないから真実を見ようとしないのさ。」

私の予想はヒトさまより何年も早い。早すぎるが、知っておいた方がいい。“真実”を押し上げてきた。シェール革命でも、昔はデリバティブやヘッジファンドで日本で一番初めに注目しご紹介してきた。どうぞ頭の中に私の発言を覚えておいてください。お願いします。

 ところで、株はイマイ先生どうなるんですかって?ここ1,2ヵ月のうちに今年の最高値が付き、秋にはいろんな材料で大きな下落がある、こう考えています。まだ今週来週の話ではありませんが、この高値は利食いのチャンスでしょう。

 

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