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2017年8月13日 (日)

映画「冒険者たち」と安倍政権の今後(第871回)

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映画「冒険者たち」と安倍政権の今後(第870回)2017・8・13

 5月に引退を発表したアラン・ドロンの出演作をBSでずっとやっている。彼と私は1935年生まれの同い年。だからどうってことないが、オーデコロンは彼がデザインしたSAMURAIを使っているし、今回は「太陽がいっぱい」に並ぶ代表作を。

 この「冒険者たち」は先週の「突然炎のごとく」や「明日に向かって撃て!」と同じく男二人と女一人の物語。リノ・ヴァンチュラとアラン・ドロン、ジョアンナ・シムカスの三人がいい。

実にいい。

 元カーレーサーで現在新型エンジンの開発中の中年男と若い飛行機乗り、これに前衛彫刻家の卵の娘。それぞれに夢がかなわず、小耳にはさんだ今後で富豪と一緒に沈んだ金貨とダイヤを探しに旅立つ。

 フランソワ・ド・ルーベの口笛を中心とした音楽の楽しさ。宝探しが成功したが、ギャングに襲われ、娘レテイシアは死に、海の中に葬るシーンの映像美。私は映画の半分はひげ面のアラン・ドロンが誠にかっこよく、3人で船上で海水のカケっこして遊ぶシーンの楽しさも忘れられない。

 

 2015年の安保関連法案の時、安倍内閣の支持率は38%に下がった。しかしあの折に議論が足りないとか時期尚早とか言っていたマスコミは自分たちの不明を恥じたらいい。いまの日本存立の危機にあの法律がなかったらと、考えるだけでも寒気がする。その後支持率は60%近くに回復した。

 

 今回、7月に毎日新聞調べで26%に下落した安倍内閣支持率は、8月に内閣改造を受けて同紙35%、支持率の高い共同通信では7月の35・8%が8月44・4%に上昇した。

 

 問題は「経済最優先」をうたう経済政策の中身だ。経済再生大臣の茂木敏充大臣に策を命じたとか。大臣が事務方に試案の提示を迫ったといったとかの報を聞かない。恐らく国民に受けるサプライズが通常国会前にあるのだろう。これで支持率50%台に乗せ、再び安倍一興を目指す意図に違いない。それは何かって?私が知っているわけないでしょ。

 

 株価の方は、ヘッジファンドの円買い日本株売りのいつもの手法で、かねてからの予想した通りリスクオフ相場に転じた。8月下旬までは夏休みだろう。

 

 忘れていた。7月に中国で容易でない異例の会議があった。第5回金融工作会議で、従来は李克強首相が招集したが今回は習近平主席。そこに日本でいうと最高裁長官、最高検察庁長官、地方軍事委員会委員長、武装治安警察長官が集められている。どう見ても現在の中国の金融状況の深刻さを物語っている。現在の中国は表面で観る以上に緊迫した緊張状態にある。だからトランプ大統領が「北」への仲介を迫っても、出来るわけがない。

 

 映画のセリフから。最後にギャングの弾丸を受けて瀕死のアラン・ドロンにリノ・ヴェンチュラが慰めようと思って「レティシアは実はオマエと暮らしたいと言っていたんだぞ」と。これに対しアラン・ドロンは「この大ウソつきめ」とニヤリと笑って死ぬ。実は娘を口説いて振られていた。

 おまけです。トランプ大統領は「北朝鮮が浅はかな行動をとるなら、米国は軍事解決の準備は十分に整っている」とし「Locked and loaded」と述べた。これは1949年の映画「硫黄島の砂」でジョン・ウエインが言ったセリフ。トランプさん、戦争もの映画がお好きらしい。

最後に。私の講演会を9月10日(日)芝パークホテルで開催します。予定に入れておいてください。

  

2017年8月 4日 (金)

映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)

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映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)2017・8・6

 7月31日89歳で亡くなったジャンヌ・モローさんを偲んで、フランソワ・トリュフォ監督の1962年の名作をDVDで観た。

 オーストリアの青年ジユールはモンパルナスでフランス人のジムと知り合い、文学という共通の趣味を通じて無二の親友になる。二人はカトリーヌという女性と知り合い、同時に恋に落ちてしまう。「美人でも聡明でも誠実でもないが、すべての男が欲しがる真の女だ」とジュールはカトリーヌに求婚、パリのアパートで同棲を始める。ジムは作家に。

 やがて第一次世界大戦。ともに祖国の軍人として戦い終戦で帰国。ジュールとカトリーヌは自分たちの住むライン川の上流の山小屋にジムを招待する。夫婦の間には6歳の娘がいたが、二人の間は冷え切っていた。ジュールは「もう駄目だ。手に負えない。でも彼女を失いたくない。君がカトリーヌと結婚して、僕にも会わせてくれないか」。こうして三人の奇妙な共同生活が始まる。

 この三角関係はカトリーヌがほかの愛人を作って崩れてしまう。そして数か月後映画館で再開した三人に、全く意外な結末が―。

 見直してみるとジャンヌ・モローはメチャ魅力的だ。その後、名監督がこぞって彼女を主役に起用したのもうなずける。

 いまの日本の大新聞は、安倍政権をめぐって引きずり落そうとする改憲反対派と、いまカケだのモリだのと言っている場合ではない。前川氏自身が岩盤規制を守りたくて反乱を起こした、とする良識派とに二分されている。いうまでもなく前者は朝日、毎日とその系統テレビで、後者は読売、産経だ。この二派が政権の今後と絡めて三角関係にある。

 いまのところ、改憲反対派のクーデターは稲田防衛相のクビをとって一部成功し、手遅れになるまで引っ張った首相の評価にも打撃を与えた。

 支持率もテレ朝ニュースステーション調べでは内閣支持率は5月46%が6月38%。7月には29%まで下がり、危険水域と評価されている。

 ただ内閣支持率と政党支持率を合わせた「青木レシオ」は65%で、50%の危険ラインより、まだだいぶ上にある。この青木レシオは参院のドンだった青木幹雄さんの創案した数字で総選挙時の予測には必ず的中してきた。まだ、このレベルならば、大丈夫。

 ただ、今回の防衛省の文書リークにみられるように、官僚の一部が安倍おろしに加担している気配がある。

 先日お会いした堺屋太一さんは昔のある実例を挙げて「当時の大蔵省の課長が、いち総理ごときが、つて言ったんですよ」と。官僚のプライドと既得権益を守る意欲の強さを言っておられた。

 今回の内閣改造だけでは、安倍首相の狙う支持率回復には至るまい。改憲反対マスコミは必ず新大臣から問題発言をほじくりだし、地方事務所のアラを見つけて政権の弱体化を狙う。安倍昭恵夫人も当然狙われており、何か「第2のアッキード事件」が蒸し返される危険がある。

 要するに首相が嫌気を起こして政権を放り出すように仕向ける作戦だ。当然世論調査でも質問のやり方次第だから、現実より下の数字が公表されるかも。何でもおあり、だろう。

 じゃあ安倍首相が本気で長期政権を狙うのか、それとも守旧派、改憲反対派の力に屈して政権を放り出してしまうのか。これを一番注目しているのが外国人投資家特にヘッジファンドだ。毎月の支持率に一番目を光らせているのは、実は彼らである。長期安定政権を好感して買っていた日本株の運用担当者がクビにならなければいいが。

 

 映画の中で、ジャンヌ・モローが自分のために作曲してもらった「つむじ風」という歌を口ずさむ。「ひとりひとりが、人生のつむじ風の中で散り散りになってゆく」。クーデターはうまくいったが日本という国が散り散りバラバラになってしまったら、と改憲反対派は考えないのだろうか。

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