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2017年8月 4日 (金)

映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)

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映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)2017・8・6

 7月31日89歳で亡くなったジャンヌ・モローさんを偲んで、フランソワ・トリュフォ監督の1962年の名作をDVDで観た。

 オーストリアの青年ジユールはモンパルナスでフランス人のジムと知り合い、文学という共通の趣味を通じて無二の親友になる。二人はカトリーヌという女性と知り合い、同時に恋に落ちてしまう。「美人でも聡明でも誠実でもないが、すべての男が欲しがる真の女だ」とジュールはカトリーヌに求婚、パリのアパートで同棲を始める。ジムは作家に。

 やがて第一次世界大戦。ともに祖国の軍人として戦い終戦で帰国。ジュールとカトリーヌは自分たちの住むライン川の上流の山小屋にジムを招待する。夫婦の間には6歳の娘がいたが、二人の間は冷え切っていた。ジュールは「もう駄目だ。手に負えない。でも彼女を失いたくない。君がカトリーヌと結婚して、僕にも会わせてくれないか」。こうして三人の奇妙な共同生活が始まる。

 この三角関係はカトリーヌがほかの愛人を作って崩れてしまう。そして数か月後映画館で再開した三人に、全く意外な結末が―。

 見直してみるとジャンヌ・モローはメチャ魅力的だ。その後、名監督がこぞって彼女を主役に起用したのもうなずける。

 いまの日本の大新聞は、安倍政権をめぐって引きずり落そうとする改憲反対派と、いまカケだのモリだのと言っている場合ではない。前川氏自身が岩盤規制を守りたくて反乱を起こした、とする良識派とに二分されている。いうまでもなく前者は朝日、毎日とその系統テレビで、後者は読売、産経だ。この二派が政権の今後と絡めて三角関係にある。

 いまのところ、改憲反対派のクーデターは稲田防衛相のクビをとって一部成功し、手遅れになるまで引っ張った首相の評価にも打撃を与えた。

 支持率もテレ朝ニュースステーション調べでは内閣支持率は5月46%が6月38%。7月には29%まで下がり、危険水域と評価されている。

 ただ内閣支持率と政党支持率を合わせた「青木レシオ」は65%で、50%の危険ラインより、まだだいぶ上にある。この青木レシオは参院のドンだった青木幹雄さんの創案した数字で総選挙時の予測には必ず的中してきた。まだ、このレベルならば、大丈夫。

 ただ、今回の防衛省の文書リークにみられるように、官僚の一部が安倍おろしに加担している気配がある。

 先日お会いした堺屋太一さんは昔のある実例を挙げて「当時の大蔵省の課長が、いち総理ごときが、つて言ったんですよ」と。官僚のプライドと既得権益を守る意欲の強さを言っておられた。

 今回の内閣改造だけでは、安倍首相の狙う支持率回復には至るまい。改憲反対マスコミは必ず新大臣から問題発言をほじくりだし、地方事務所のアラを見つけて政権の弱体化を狙う。安倍昭恵夫人も当然狙われており、何か「第2のアッキード事件」が蒸し返される危険がある。

 要するに首相が嫌気を起こして政権を放り出すように仕向ける作戦だ。当然世論調査でも質問のやり方次第だから、現実より下の数字が公表されるかも。何でもおあり、だろう。

 じゃあ安倍首相が本気で長期政権を狙うのか、それとも守旧派、改憲反対派の力に屈して政権を放り出してしまうのか。これを一番注目しているのが外国人投資家特にヘッジファンドだ。毎月の支持率に一番目を光らせているのは、実は彼らである。長期安定政権を好感して買っていた日本株の運用担当者がクビにならなければいいが。

 

 映画の中で、ジャンヌ・モローが自分のために作曲してもらった「つむじ風」という歌を口ずさむ。「ひとりひとりが、人生のつむじ風の中で散り散りになってゆく」。クーデターはうまくいったが日本という国が散り散りバラバラになってしまったら、と改憲反対派は考えないのだろうか。

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