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2017年9月19日 (火)

スイッチ・オン!! 第877回

スイッチ・オン!!第877回 2017・9・19 

前回も書きましたが、この衆議院解散は「買い」です。このブログでいつもの週末の発行では遅すぎると考えましたので改めて強気の理由を書きます。

①この解散は自民党が必ず勝つ選挙であること。

②支持率は50%まで回復しており、不支持を上回っていること。

③民進党の混乱。

などなど。

 私のボイスメッセージ「相場ウラ読み」でも強調した通り、値がさ株が一番魅力的。

目標の日経平均は2万2000円以上。日経ブルの投信もどうぞご検討を。では皆様、

 

グッド・ラック!!!

2017年9月17日 (日)

映画「ダンケルク」と日米の政治危機 第876回

映画「ダンケルク」と日米の政治危機 第876回 2017・9・18

 ダンケルクとはフランス北端の港町でドーバー海峡に面している。1940年英仏連合軍40万人の兵士が追い詰められ、反撃の余力はなく、絶体絶命、救援を待つのみになる。英国軍はドイツ軍爆撃機とUボートの攻撃にさらされながら、一人でも多くの兵士を救出しようと決死の作戦を展開する。

 クリストファー・ノーラン監督のこの新作は戦争映画には違いないが、戦争賛美でも反戦でもない。まったく斬新な映画で、私はすさまじい映像体験に圧倒された。

 ノーランらしい演出は時間と場所をシャッフルして描いたことだろう。浜辺の陸上は1週間、英国の民間船がダンケルクに向かうのは一日、戦闘機が戦う空中戦は1時間の三つ、これが最後は同じ救出作戦の成功に向かってゆくという展開は素晴らしい。たしかにアカデミー賞有力候補といわれるだけのことある。

 40万の兵士のように絶体絶命、とまでゆかなくても、この6,7月、わが安倍首相もトランプ大統領も、政権を放り出すか、放り出さされる危険性があった。

 まず安倍首相。29%という低支持率の直後、周囲に「憲法改正ができなければオレは総裁選に出馬しない」と漏らしたという情報が飛び回った。やれ次はワンポイントで麻生副総理だが、明年9月の自民党総裁選には年齢制限に引っかかるので、岸田政調会長だろうとか。

 カギは支持率50%台。最新の世論調査では時事通信の41%、これだと外国人投資家は日本株に投資をためらう。安倍おろしの毎日新聞は39%。

 恐らく10月22日の衆院補選三つで全勝したら、朝日や文春といえども支持率の回復を認めざるを得まい。

 もちろん北朝鮮のミサイル、水爆の実験で米国や日本を挑発しているが、その都度安倍内閣が迅速に(文字通り分秒の差で)国民にメッセージを送ったことも支持率回復に寄与している。

 「安倍おろし」を企む一部官僚や朝日、毎日や文春などのマスコミは内閣改造後の新閣僚や昭恵夫人まで狙って内閣の力を削ごうとするだろう。民進党が内部分裂で全く頼りにならず、このままでは既得權益を失いそうな官僚が、10年前と同じく「自爆テロ」を年金がらみで少しでも足を引っ張りたいと演出中。しかし、前述の通りの地方補選で反対勢力が強調してきた「一強のおごり」を選挙民が問題にしていないことが判明し、支持率が上昇したら、ひところの危機説は消え去る。

私の見方と違って、まだ危ないと主張する向きもあるから世の中は面白い。一昨日(15日)政治担当の記者に会った。いわくー。

 これまで支持率が上昇したのは、お灸をすえた人々の回帰とし、「北風でタコを上げる」追い風のため。これ以上の支持率上昇は望みにくい。(そうかなあ?)

 9月28日に始まる臨時国会で「森友」は会計検査院の発表があり、「加計」も騒がれる(ホントかしら?)。要するに疑惑を乗り切っていない、とみる。

 自民党の調査では今解散すると35から40議席は減少する。(安倍政権が弱体化している、という意味?野党の支持率から見ると、私はそうは考えられないのだが)まあ以上である。

私は10月18日に始まる中国の党大会での人事、その直後の11月第一週のトランプ大統領の訪日、中、韓国(長くなるので説明しないが)、この二つの政治行事で、北朝鮮の核問題はカタが付く可能性がかなり大きいと思う。

一方、米国トランプ大統領は、なんと民主党と結んで、債務上限問題を片づけた。これでこれまで100日以内の公約の90%を阻害していた共和党保守派「フリーダム・フォーカス」の抵抗を少なくとも当分は骨抜きにしている。大丈夫、と思ったからこそ11月のアジア歴訪を決めたのだろう。

 さて、ダンケルクの40万人の英仏軍兵士と同じく、日米首脳の地位は、ひところの危機よりは相当に安定した。NYダウ、S&P500、ナズダックともに史上最高値更新、また日本の方も今年最大の週間株価上昇を見た。円レートは対ドルで101円から3円の円安、対ユーロは1年7か月ぶりの安値の133円になった。再び下押す株価というシーンはありうるが、政治の安定で日本株を買い戻すヘッジファンドが出ているのは事実だ。ただシャリア150採用銘柄でまだ下降基調の銘柄が結構あること、しかもこの日経225反発と同時期に、と考えると、まだオイルマネーの換金売りは終わっていない。ただ、10月中の総選挙は大きな買い材料だろう。

2万円の大台近辺には、まだ超えるべき売り玉が山のようにある。しかし、与党が勝利すること確実な選挙は、やはり「買い」だろう。問題がどのくらいの議席数なのか、だけのはずだ。

 映画のセリフから。ケネス・ブラナー演じる英海軍中佐で防波堤の責任者が言う。「皆は帰国してくれ。私は残る。英軍は帰国できたが、まだフランス軍兵士が残っている。」14万の仏軍のうち3万は取り残された。またトム・ハーディ演じた英空軍兵士もダンケルク海岸に不時着、機体を燃やして自分は投降する。政治の方も完全にスッキリ、とはなかなかいかないが、私は楽観的だ。

2017年9月10日 (日)

映画「博士の異常な愛情または私はいかにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」と「北」水爆の解決(第875回)

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映画「博士の異常な愛情または私はいかにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」と「北」水爆の解決(第875回)2017・9・10

 1964年の名匠スタンレー・キューブリックの傑作。62年のキューバ危機の直後に制作され、ブラックコメディの極致と評されている。主演で三役を演じるピーター・セラーズがすごい。

 米国空軍のある基地でジャック・リッパー将軍は勝手な判断で爆撃機34機にソ連への出動命令をかける。緊急時マニュアルに従い外部情報から遮断、空軍基地に接近するものには敵の可能性ありと迎撃を命令する。この異常な状況に気づいた者の通報でペンタゴンと大統領(ピーター・セラーズ三役)は国防会議を開く。

 急遽呼び寄せられたソ連大使は、ソ連が攻撃を受けた時は、自動的に報復の核攻撃を行うラシステムが用意されており誰にも止められない、との説明がある。全面核戦争だ。

一方リッパー将軍の立てこもる基地では米軍同士の銃撃戦が展開し、もう駄目と観念した将軍は自決。攻撃中止命令の暗号が英国人の副官(ピーター・セラーズが三役)によって謎が解かれ、中止へ。しかし一機だけが連絡が取れず、ソ連を核攻撃し、ついに全面核戦争が始まってしまう。

 そんな事態も上の空で、ペンタゴンでは政治家と軍人、それに兵器開発のドイツ人科学者ストレンジラブ博士(ピーター・セラーズ三役)はどうにか人類が存続する道を検討していた―。

そもそもジャック・リッパーという将軍の名は有名な殺人狂の名。そこにパンタゴンでダーシドソン将軍(ショージ・C・スコット)はソ連攻撃を主張する。何が起きても自分が正しく相手が間違っていると信じる攻撃的な人間のこうした好戦的な単純馬鹿、さらに自分たちが身動きできないシステムを作っていることをワカっていない。キューブリック監督はアメリカをこう皮肉った。

今日の世界の関心が北朝鮮の核武装とミサイル技術の急進展、そして金正恩委員長の挑発と米国と周辺国に対する脅迫にある。これを否定する向きはあるまい。9日は幸いに何もなかったが、まだまだ「危険日」は月内では結構多い。「地政学リスク」は続くだろう。

日本株を売っている外国人投資家たちも、この「地政学リスク」を理由としている。円買いも。

私のワシントンやNYの複数の情報ソースは、実は容易でない情報を語ってくれた。

9月6日、米国政府は共和党議員への「北」問題に対するブリーフィングを行い「米国は臨戦態勢を整えつつあることを誇示しつつ、和平交渉のテーブルにつかせる」と報告した。しかし会議では「どうも米国は、北朝鮮の核兵器保有を認めざるを得ない」というムードが強い、と。つまり、ワシントンでは、北朝鮮の核保有を受け入れた後の,東南アジアの安全保障を検討する時期に入っている。

 

では日本は?

私のソースは「日本に核シェアを求めることは避けられない」。

「核シェア」とは何ですか?

いま米国は「ツー・キー・システム」という方法を、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギーの4か国に対して採用している。NATOの参加国で、英、仏など核保有国を除いた国々である。近くのソ連という核保有国に対抗すべく、自国では核を持たないが、専守防衛のため発射キーをその国と米国の両国が持ち、核兵器を使用することができる。これが核シェアだ。

 「でも日本には『非核三原則』がありますよ。石破さんは一部見直したら、といってますがね」。もちろん日本人の核に対する強烈な抵抗は米国も承知している。

でも、と複数のソースは同じ表現で私を驚かせた。

「すでにトランプ大統領は、安倍首相に核持ち込みの検討を要請しているはず」。

それはトランプ氏が無力化しペンス副大統領に変わっても同じ?「YES!もちろん和平交渉と同時に『北』をせん滅する作戦も示してオドかすだろうが」。

 

そこで北朝鮮の核攻撃から日本を守るため、韓国、正確には朝鮮半島近海で活動する米潜水艦に核ミサイルを搭載。米韓両国が合意のもとに2つのキーを押して、日韓両国を核攻撃から守る計画だ。すでに韓国文大統領はこの案に前向きで、THAADシステムの韓国内設置を急に推進し始めている。

 

石破元幹事長が「核持ち込み」について最近発言しているのは、この情報に基づいているのだろう。近くこのニュースが漏れた場合政治への影響はどうなるか。大変な騒ぎになるに違いない。非核三原則の再検討は日本人の心情からして、拒絶反応が先行するに違いないからだ。

 

先日の田原総一朗氏の「首相による政治生命をかけた行動」が、六か国協議の再開というのはうなずける。安倍さんは米、中、ロの首脳と話しあって、そう遠くくない時期に訪朝をやる期待は残る。米国は渋っているようだが。

そういえばジム・ロジャース氏がかつて言っていた。「北は日本を攻撃しまい。資金源なのだから。また南北は必ず合併し、日本のライバルになるだろう。そして日本に勝つ。いまは北に投資できないから、していないが、本当はやりたい」。

私はこの不安感は9月いっぱいで終わると考えている。円高で企業収益予想値が下方修正されたところが買い場だろう。1万9000円は切るのではないか。円ももう少し高くなりそうだし。でも、そろそろ買い場を見守る段階だろう。

 

私の講演会スケジュールです。お時間のある方はおいでをお待ちしております。

 日産証券 特別感謝DAY講演会

  2017年10月14日(土)於:イイノホール 定員500名で無料1120分~1650

  0120-550-780(申し込み) 私のほか若林栄四さん、川合美智子さんなども。

その前に916日(土)第一商品株式会社新宿支店 13時 無料 03-3232-1061

919日(火)百十四経済研究所主催 リーガホテルゼスト高松 087-836-2490

2017年9月 1日 (金)

外国人投資家の安倍首相評価と投資作戦(第874回)

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外国人投資家の安倍首相評価と投資作戦(第874回)2017・9・3

 今週私はもっと多くの読者に知っていただきたい外国人の対アベノミクス観をご紹介します。私が長い間存じ上げているピーター・タスカさん。クラインオート・ベンソン証券のあとアーカス顧問を設立した日本通です。日経のアナリストランキングでずっと1位だった人です。英文ニュースオピニオンサイト「JAPAN FORWARD」に、またサンケイビズ8月28日に掲載されました。概要をかいつまんで。

 「アベノミクス」は安倍晋三首相の支持率急落により勢いづいた反動派のせいで、外国人投資家はその継続性に疑問を持っている。

 守旧派官僚とメディア、シンクタンク、自民党内反対派は、安倍首相の個々の政策だけでなく、官僚主導から政治主導への改革にも反対している。

 人気を下げた地方の大学獣医学部設置に関するものだが、スキャンダルとしてはとるに足らない。安倍氏自身の不正行為を示すものはない。引き締まった政権運営が行われていれば起きなかっただろう。

 安倍再登板の2012年以降、アベノミクスの成功は明白だ。

 4~6月期成長率4・0%はG7中最高。重要なのは6・4半期連続成長で、それぞれの期間が日本の潜在成長率(0・75%)を上回っていることだ。

 労働市場をはじめ貸出残高など様々な指標は数十年来の高い水準にある。

 安倍再登板後のTOPIXは年率リターンで円建て20%、ドル建てで12%、ジャズダック指数は円建て26%、ドル建て18%に達している。

過去20年間日本の名目成長率は成長がなかったが、財務官僚は責任を取らず、14年に不必要な消費増税をけしかけたのも官僚たちだった。少なくともリフレの勢いは2年間停滞した。

 今後の健全な成長にとってのリスクは、早まった財政引き締めである。絶頂期の安倍首相なら緊縮財政派もデフレ論者も押さえつけただろう。ただ後継者と目される人物も疑わしい。石破氏は財政と金融引き締めを好むし、岸田氏は経済政策について重要な発表をしたことがない。

 

 ここから、ピーター・タスカ氏の結論です。

 「安倍氏は魔力を取り戻せるか。(取り戻すだろう)。明るいニュースが続けば、国民は獣医学部にも聞きあきるだろうし、気まぐれで悪名高い日本のメディアはこの問題を扱わなくなるだろう。

 新たな財政刺激策を準備し、次の消費増税の棚上げ、黒田日銀総裁再任は政権の信頼性を高める。また首相は強力なカードを何枚も持っている。

どうですか。安倍おろしに必死の一部マスコミの報道との違いがお分かりでしょう。

一方、対日投資では2週前に私が注目したオイルマネーの換金売りは「欧州投資家」との区分で統計にもはっきり見え始めた。また世界の投資家168社の動向を20年も把握してきたパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直さんは「安倍政権支持率50%割れでは6割の確率で日本株売り越し」としている。目先は、外国人投資家は売り姿勢です。

 宮島さんは「外国人投資家は、今回の支持率低下は、森友問題は乗り切った安倍政権が『加計学園では傲慢な対応で国民からの反感を買ったため』ととらえ、『3015年安保関連法案のケースと似ている』とかなり正確に現状を認識している」と述べています。

 支持率低迷が長引くと安保法当時と同じく、1兆円の売り越しはありうると宮島さんは述べています。

 では支持率はこれから上がるのか。

 すぐ思い出すのが、田原総一朗さんが去る7月に安倍首相に提案し、安倍首相も乗り気と伝えられた「政治生命をかけても勝負してみないか」という(具体的には示されていないが)ある政治アクションでしょう。田原さんが示唆した「八月中」にはニュースにならなかったが、相手もあることだし、後になってわかるかもしれません。また、永久債を利用した財政出動も

日本がデフレから脱出する重要な政策です。勿論支持率上昇の切り札でしょう。

 目先の私の相場観は「いぜん慎重」。多少戻るところがあっても、1万9000円を場合によっては切るかも、とみています。

 とはいえ、私はある日突然「ここで買いましょう!」と呼びかけることもあります。そのために私のボイスメールのサービス「今井澂の相場ウラ読み」をお勧めします。これはインターネットやスマホでお客様のご質問にお答えし、独自に入手したマル秘情報をお伝えします。同時に私の注目銘柄や注目セクターをご紹介するものです。毎週土曜日にお送りしていますが、市場の激変やタイミングを見ての臨時便も出しています。

詳細は

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インターネットで申し込み操作が分からない場合はコールセンターにお問い合わせください。

03-5229-5757


 なお9月10日の芝パークホテルの講演会はおかげさまで満席になりましたが、ビデオのご希望はまだ余裕があります。

下記のURLからお申込みください。

http://frstp.jp/Bk/jjR

 

最後に、お礼を。先週のブログで私が82歳になりましたとお伝えしたら、びっくりするくらい多くの方々から、お祝い、激励のお便りや結構なお品をいただきました。本当にありがとう存じます。改めて、皆さんのおかげで生きている自分を幸せな男だな、と感じました。これからもご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。頑張ります。

2017年8月27日 (日)

私が待っていた二つの日経記事ーーこれは実は大材料です。 (第873回)

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私が待っていた二つの日経記事――これは実は大材料です。第873回(2017.8.27)

 実は本日、私は82歳になりました。幸い元気で自前の歯は27本、週に3回は近くのプールにいって運動しています。やはりマーケットという捕捉しがたい怪物に日々取り組んでいますから

「流水不濁、忙人不老」なのかも知れません。

 

 今回はいつもの書き方と違います。近着の映画を紹介し、そこから経済、市場に入り、シメは「映画のセリフから」。しかし実は妻が体調を壊してせっかくの試写会の招待状をずい分ムダにしました。妻がお医者さんに会うのに同行しなくてはならないし、私の顧問契約先には顔を出し、情報は人に会って取らなくてはならないし―。(ただ、妻はその後おかげさまで元気になりました。念のため)

 

 なによりも私がこの秋、来年に来る激震の前兆としての震があると予想していることが、この夏、書きにくくなっている最大の理由です。

 

 そこに8月17日、日経が元日銀審議委員の中原伸之さんの「金融政策・財政出動の融合を」というインタビュー記事を出しました。かいつまんで述べると―。

 「現在の4~6月期4・0%(年率)は長続きしない。景気循環のピークだ。

 「大局的にはグローバリゼィションの最終局面。この先、バブル崩壊などの非常事態が起きた場合、いまの金融政策の枠組みでは対処できない。日銀の国債保有残高は約500兆円、飽和点に達しつつある。

 ――日銀は何をすべきか。(ここからが重要です)。

 「来年、総裁が変わるタイミングで政府と新たなアコード(政策協定)を結ぶのがよい。財政出動と金融政策の融合が必要だ。日銀保有国債の一部、例えば50兆円を無利子の永久国債に転換すべきだ。

 「償還の必要がなくなる分、政府が新たな建設国債を発行する余地ができる。政府が防災対策などに10年間で100兆円のインフラ投資をする。そのために期間60年の建設国債を発行して、日銀が市中で購入すればよい。

 

 これです!

 

 日本はバブル崩壊とデフレ、少子化老齢化の先進国です。しかし、プライマリーバランス目標という菅直人政権時に決められた「毒矢」(藤井聡内閣官房参与)で、予算の緊縮化が続いて物価目標2%と成長がなかなか、ままならない。これを打破するには、何か新しい政策がなければ、と思うのは私だけではないと思います。

 

 日経は7月20日に「上がらぬ物価、日銀どう動く リフレ派三氏に聞く」の中で第一生命経済研究所永浜利広首席エコノミストの「日銀保有国債の永久債化も選択肢」という見解を紹介しています。要旨は中原さんと同じですが、「日銀と政府の新しいアコードを結ぶ」となんと政策協定の必要性まで同じ言葉で論じています。この二つの日経記事は、実は昨年までの「永久債否定」のトーンから百八十度転換しているものです。

 

 実は永久債を望む提言は昨年までは、産経新聞田村秀男特別記者、バーナンキ前FRB議長、シムズ教授、ナディア・ターナー前英国金融庁長官、それにジョージ・ソロス氏ぐらい。財務省お声がかりのエコノミストたちは全員反対でした。

 

 私はその中で前衆議院議員・東京大学大学院客員教授の松田学さん独自の「財政再建を一挙に達成しつつ、10年間に100兆円の新規財政出動」というアィデアに注目しました。

 

 松田さんは「赤字国債発行残高558兆円のうち300兆円を10年かけて消し去る。具体的には日銀保有国債が満期を迎える都度、永久国債に乗り換えてゆく」として―

 2017年度44兆円、2018年度45兆円、2019年度33兆円…と計算。毎年度10兆円の財政支出増と30~40兆円の国債発行残高純減が同時達成可能。ただしこれは10年間に限る。と提案しています。

 

 松田さんは日銀当座預金の準備率を変えたり、普通預金の性格の見直し、日銀当座預金への附利などなど。いろんな提案を行っています。また消費税を引き上げたい財務省対策には、社会保障及び教育のための「無期限バウチャー」を国民配布し景気の落ち込みを防ぐ一方、消費税増加で介護などの老齢化対策費とする一石二鳥のアイデアも。

 

 私は景気対策のためだけでなく①防衛②教育③インフラ老朽化対策のためにも財投は必要と考えます。安倍首相はこのプランを含めて、新しい財源としての永久債を本気で検討してほしい。それが日本のためです。なお、今週は田原総一朗さんが安倍首相に「政治生命を賭けて冒険をしてみないか」と勧めた政治的アクションの期限の8月末日が来ます。キーワードは北朝鮮、ミサイル、中国,さらに核兵器問題です。今週はスマホでニュースをよく見ておかれることをお勧めします。外国人投資家とくにヘッジファンドは大いに注目している材料です。

2017年8月20日 (日)

映画「ベイビードライバー」と私が恐れるある材料(第872回)

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映画「ベイビードライバー」と私が恐れるある材料(第872回)2017820

 こんな映画は始めてだ。カーチェイス映画でしかもミュージカル。音楽に合わせて役者もクルマも動く。銃撃戦がノリのいいラテンの名曲「テキーラ」に合わせていたのには笑った。ギヤチャンジ、ヘアピンターン、排気音からワイパーの動きまで、主人公が聞く30曲と一体化している。

 主人公ベィビーの名は仕事の名前で、抜群のテクニックを持つ若い天才ドライバー。幼いころの交通事故の後遺症で耳鳴りがやまず、ipodで音楽を聴きながらゲッタウエイドライバー、つまり強盗団を逃がす運転手として大物犯罪者にやとわれている。借金を返済するために仕方なく仕事をしていたが、ようやく完済。しかし大物は「あと1回」。付き合っている美人をいわば人質として強制される。そこで最後のドライブが始まる。

 ともかく音楽がいい。ディブ・ブルーベックのジャズからサイモン&ガーファンクルやローリング・ストーンズも出てくる。米国の映画評で「これはカーチェイス版『ラ・ラ・ランド』だ」というのも当然だろう。主人公にとっては音楽は怖い外界からの逃避だ。日本人として嬉しいのはスバルWRXや三菱ギャランが選ばれていること。

 この2,3週。私はイヤーな記憶の再現に悩まされている。証券会社に聞いても顧客の守秘義務で分からないが、どうもオイルマネーが日本株の売りを始めたのではないか、と思える動きが見えている。まだ萌芽だが。

 2016年、3月と8月、9月、10月と主としてサウジとUAEの国営ファンドから世界主要市場に最大で月間9兆円、少ないときで4兆円の売りが出た。10月はイスラム暦の年度末で、財政赤字の補填のためだった。市場全体では大きな影響はNYも日本もあったといえないが、日本の場合「シャリア150」の主要組み入れ銘柄が急落するから、分かりやすい。

 シャリアとはイスラム教に基づいた法体系のこと。酒類、利子の発生する銀行・証券など金融、ホテル、豚肉を扱う食品、タバコ、それに女性の水着姿を放映するメディアは除かれる。組み入れの比重が高いのはファナック(6954)ヤクルト本社(2267)味の素(3802)。サウジだけで80兆円、半分売る可能性がある。

 ファナックは7月28日の2万3670円が8月14日は2万1300円。ヤクルト本社は7月28日の8080円が8月14日7450、そして味の素は6月21日2543円から8月18日2200円。この間日経平均は6%程度の下げ。

 前述したイスラム暦の年度末にかけて今の原油価格では、サウジの大赤字は確実だ。アラムコのIPOに賭けているのだろうが、米ゴールドマンサックスが幹事から降りたのは何んとも不安だ。ロンドンと香港、東京(恐らく)で20兆ものIPOが出来るかどうか。となると昨年並みの売りがありうる。

 ちなみにIMFそのほかの調査では、国家予算の収支均衡のため必要なバレル当たり原油価格は次の通り。

 サウジアラビア106、ロシア90、UAE73、イラン72、カタール56、クウェート49ドル。現在の油価はWITでバレル47ドル。

 一方米国のシェールガス生産者コストはいまや40ドル以下。

7月にサウジのファリハ鉱物資源相は大手ヘッジファンドの担当者と非公式に会い、原油収入の安定化のため「売りヘッジ」を行う可能性について意見交換したと伝えられている。

 できるだけ原油を高く売りたい。しかし市場の前途はなかなか上昇の図は描けない。サウジアラムコのIPOを控えてサウジ政府の苦悩が垣間見える。

 しかも、この10年間の原油需要を支えてきた中国経済が、ジョージ・ソロス氏が予言している通り、いよいよハードランディングが近い。

 中国国内では「秋の党大会後、不動産バブルが崩壊する」との見方が多い。再選で予定されている習近平主席の経済ブレーンが肉を斬らせて骨を切る」ハードランディング派で固められ、李克強首相に責任を押し付けて、習近平体制をますます盤石化する作戦。7月中旬の第5回全国金融工作会議では李首相が招集せず習主席が招集。しかも地方の軍事委員会のトップ、武装治安警察の長、最高裁長官,検事総長にあたる人物を呼んだ。

 党大会後に大ナタが振るわれること確実。

 中国の住宅金融の不良資産が488兆円と日本のGDP並みという分析もある。大騒ぎになるだろう。(ついでに言っておくが習近平は「北」を抑え込むどころじゃない。党大会でナンバー2,3,4,5,7位の人間を追い出さなければならないからだ)

 映画のラスト。ベイビーは警察に追われ、黒人の老女の車を奪う。その時ハンドバッグを忘れたのをわざわざ返してやる。これが捕まって裁判になった時、情状を酌んでの人情判決につながる。老女の証言の「この人は絶対に自分から悪いことしていません。悪い人たちがやらせたんです」世界の情勢が恐慌化しかけている時代。私は日本ひとり勝ちを主張しているが、その主張が実現しそうな発言が、意外な人から今週、発表された。どんな?だって、来週をお楽しみに。

 

 ついでに。9月10日の私の講演会です。

場所は芝パークホテル。

第一部 私 第二部 大井幸子さん 第三部 大谷長靖さん

私は70分、1時からお話しします。その後質疑応答。定員200人ですがもう早くも多くの方が申し込んでくださいました。深謝、8月末まで。早期申し込みは3万9800円と1万円通常価格から差し引きます。

 セミナー全体での本題は「緊急未来予測!大暴落Xデー宣告」少しオーバーですが、私はほかでも「2017秋に迫った株価大幅下落」という題で講演をお受けしています。

2017年8月13日 (日)

映画「冒険者たち」と安倍政権の今後(第871回)

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映画「冒険者たち」と安倍政権の今後(第870回)2017・8・13

 5月に引退を発表したアラン・ドロンの出演作をBSでずっとやっている。彼と私は1935年生まれの同い年。だからどうってことないが、オーデコロンは彼がデザインしたSAMURAIを使っているし、今回は「太陽がいっぱい」に並ぶ代表作を。

 この「冒険者たち」は先週の「突然炎のごとく」や「明日に向かって撃て!」と同じく男二人と女一人の物語。リノ・ヴァンチュラとアラン・ドロン、ジョアンナ・シムカスの三人がいい。

実にいい。

 元カーレーサーで現在新型エンジンの開発中の中年男と若い飛行機乗り、これに前衛彫刻家の卵の娘。それぞれに夢がかなわず、小耳にはさんだ今後で富豪と一緒に沈んだ金貨とダイヤを探しに旅立つ。

 フランソワ・ド・ルーベの口笛を中心とした音楽の楽しさ。宝探しが成功したが、ギャングに襲われ、娘レテイシアは死に、海の中に葬るシーンの映像美。私は映画の半分はひげ面のアラン・ドロンが誠にかっこよく、3人で船上で海水のカケっこして遊ぶシーンの楽しさも忘れられない。

 

 2015年の安保関連法案の時、安倍内閣の支持率は38%に下がった。しかしあの折に議論が足りないとか時期尚早とか言っていたマスコミは自分たちの不明を恥じたらいい。いまの日本存立の危機にあの法律がなかったらと、考えるだけでも寒気がする。その後支持率は60%近くに回復した。

 

 今回、7月に毎日新聞調べで26%に下落した安倍内閣支持率は、8月に内閣改造を受けて同紙35%、支持率の高い共同通信では7月の35・8%が8月44・4%に上昇した。

 

 問題は「経済最優先」をうたう経済政策の中身だ。経済再生大臣の茂木敏充大臣に策を命じたとか。大臣が事務方に試案の提示を迫ったといったとかの報を聞かない。恐らく国民に受けるサプライズが通常国会前にあるのだろう。これで支持率50%台に乗せ、再び安倍一興を目指す意図に違いない。それは何かって?私が知っているわけないでしょ。

 

 株価の方は、ヘッジファンドの円買い日本株売りのいつもの手法で、かねてからの予想した通りリスクオフ相場に転じた。8月下旬までは夏休みだろう。

 

 忘れていた。7月に中国で容易でない異例の会議があった。第5回金融工作会議で、従来は李克強首相が招集したが今回は習近平主席。そこに日本でいうと最高裁長官、最高検察庁長官、地方軍事委員会委員長、武装治安警察長官が集められている。どう見ても現在の中国の金融状況の深刻さを物語っている。現在の中国は表面で観る以上に緊迫した緊張状態にある。だからトランプ大統領が「北」への仲介を迫っても、出来るわけがない。

 

 映画のセリフから。最後にギャングの弾丸を受けて瀕死のアラン・ドロンにリノ・ヴェンチュラが慰めようと思って「レティシアは実はオマエと暮らしたいと言っていたんだぞ」と。これに対しアラン・ドロンは「この大ウソつきめ」とニヤリと笑って死ぬ。実は娘を口説いて振られていた。

 おまけです。トランプ大統領は「北朝鮮が浅はかな行動をとるなら、米国は軍事解決の準備は十分に整っている」とし「Locked and loaded」と述べた。これは1949年の映画「硫黄島の砂」でジョン・ウエインが言ったセリフ。トランプさん、戦争もの映画がお好きらしい。

最後に。私の講演会を9月10日(日)芝パークホテルで開催します。予定に入れておいてください。

  

2017年8月 4日 (金)

映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)

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映画「突然炎のごとく」と内閣改造と今後の政局(第870回)2017・8・6

 7月31日89歳で亡くなったジャンヌ・モローさんを偲んで、フランソワ・トリュフォ監督の1962年の名作をDVDで観た。

 オーストリアの青年ジユールはモンパルナスでフランス人のジムと知り合い、文学という共通の趣味を通じて無二の親友になる。二人はカトリーヌという女性と知り合い、同時に恋に落ちてしまう。「美人でも聡明でも誠実でもないが、すべての男が欲しがる真の女だ」とジュールはカトリーヌに求婚、パリのアパートで同棲を始める。ジムは作家に。

 やがて第一次世界大戦。ともに祖国の軍人として戦い終戦で帰国。ジュールとカトリーヌは自分たちの住むライン川の上流の山小屋にジムを招待する。夫婦の間には6歳の娘がいたが、二人の間は冷え切っていた。ジュールは「もう駄目だ。手に負えない。でも彼女を失いたくない。君がカトリーヌと結婚して、僕にも会わせてくれないか」。こうして三人の奇妙な共同生活が始まる。

 この三角関係はカトリーヌがほかの愛人を作って崩れてしまう。そして数か月後映画館で再開した三人に、全く意外な結末が―。

 見直してみるとジャンヌ・モローはメチャ魅力的だ。その後、名監督がこぞって彼女を主役に起用したのもうなずける。

 いまの日本の大新聞は、安倍政権をめぐって引きずり落そうとする改憲反対派と、いまカケだのモリだのと言っている場合ではない。前川氏自身が岩盤規制を守りたくて反乱を起こした、とする良識派とに二分されている。いうまでもなく前者は朝日、毎日とその系統テレビで、後者は読売、産経だ。この二派が政権の今後と絡めて三角関係にある。

 いまのところ、改憲反対派のクーデターは稲田防衛相のクビをとって一部成功し、手遅れになるまで引っ張った首相の評価にも打撃を与えた。

 支持率もテレ朝ニュースステーション調べでは内閣支持率は5月46%が6月38%。7月には29%まで下がり、危険水域と評価されている。

 ただ内閣支持率と政党支持率を合わせた「青木レシオ」は65%で、50%の危険ラインより、まだだいぶ上にある。この青木レシオは参院のドンだった青木幹雄さんの創案した数字で総選挙時の予測には必ず的中してきた。まだ、このレベルならば、大丈夫。

 ただ、今回の防衛省の文書リークにみられるように、官僚の一部が安倍おろしに加担している気配がある。

 先日お会いした堺屋太一さんは昔のある実例を挙げて「当時の大蔵省の課長が、いち総理ごときが、つて言ったんですよ」と。官僚のプライドと既得権益を守る意欲の強さを言っておられた。

 今回の内閣改造だけでは、安倍首相の狙う支持率回復には至るまい。改憲反対マスコミは必ず新大臣から問題発言をほじくりだし、地方事務所のアラを見つけて政権の弱体化を狙う。安倍昭恵夫人も当然狙われており、何か「第2のアッキード事件」が蒸し返される危険がある。

 要するに首相が嫌気を起こして政権を放り出すように仕向ける作戦だ。当然世論調査でも質問のやり方次第だから、現実より下の数字が公表されるかも。何でもおあり、だろう。

 じゃあ安倍首相が本気で長期政権を狙うのか、それとも守旧派、改憲反対派の力に屈して政権を放り出してしまうのか。これを一番注目しているのが外国人投資家特にヘッジファンドだ。毎月の支持率に一番目を光らせているのは、実は彼らである。長期安定政権を好感して買っていた日本株の運用担当者がクビにならなければいいが。

 

 映画の中で、ジャンヌ・モローが自分のために作曲してもらった「つむじ風」という歌を口ずさむ。「ひとりひとりが、人生のつむじ風の中で散り散りになってゆく」。クーデターはうまくいったが日本という国が散り散りバラバラになってしまったら、と改憲反対派は考えないのだろうか。

2017年7月30日 (日)

映画「関ヶ原」とペンス副大統領の意外な行動(第869回)

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映画「関ヶ原」とペンス副大統領の意外な行動(第869回)2017・7・30

 司馬遼太郎さんの大作のひとつで、590万部を売った国民的ベストセラーの映画化。岡田准一が石田三成、役所広司が徳川家康という配役も面白い。三成を、正義を信じ純粋すぎる武将、家康を天下取りの野望に燃える武将、という対極に置いて司馬史観で物語が展開する。つまり太閤秀吉が天下を取った術を「利害を持って説くだけで正邪ではなかった」。秀吉が統一して13年、世の秩序は利害で固まったもの。三成は秀吉死後、家康が次々と自分の政権を作ってゆくのが許せない。監督で脚本も書いた原田真人さんは「私の中にも60%の三成と40%の家康が共存しています」。

 

 この映画のテーマを「正義とは一言でいえば、人間の価値です」とも。

 

 1600年9月15日の関ケ原の戦いの戦闘シーンのスペクタクルや、豊臣政権内部の武断派と文治派の争闘、それにつけこむ家康のタヌキオヤジぶり、まあ一見の価値ある力作だ。

 

 関ケ原の合戦が小早川中納言隊1万5千の裏切りで、東軍が逆転勝ちしたことは、ご存知の通り。また司馬さんの小説でも東軍7万5000、西軍10万とあり、裏切りが勝負のカギを握ったというのが通説だ。

 

 しかし広く利用されている「日本戦史」によると東軍は10万近くに対し西軍は8万。これに裏切りや寝返り、傍観者を加えると西軍の現実に戦った戦力は3万程度、小早川中納言の行動は確かに契機になったが、東軍はもともと優勢だった。

 

 トランプ政権がニッチもサッチもいかなくなっているのはご存知の通り。100日以内に実行するとしていた公約は殆どパー。ロシアンゲートや弾劾が言われるが、現実には公約の90%以上が共和党内部の「フリーダム・フォーカス」の反乱にとって阻止されていることはあまり知られていない。

 

 フロリダ出身のたたき上げの保守派メドウズ氏に率いられた32人の議員たちは、トランプ大統領のオバマケア代替え案についての進め方に怒っている。

 

 7月18日訪米した自民党二階幹事長は、ハッチ上院仮議長から「米国との通商交渉で、いまのTPP11から米国を含むTPP12の枠組みを主張してほしい」と依頼された。さらに来年末には「米国政府そのものがTPPに回帰する可能性」を示唆されて仰天した、とか。これじゃ小早川秀秋、かな?それとも吉川広家かな?

 また私のよく知っている米国通のある社長は「イマイ先生、あと2,3か月でトランプはやめるよ」といった。

 

 さらに「5月からペンス副大統領が政治活動委員会(PAC)を発足させている。現職の副大統領がPACを設定した例はかつてない」。という情報も飛んできた。

 PACとはPOOLITIICAL ACTION COMMITEE。米国では企業、団体、労働組合などからの政党への献金は禁止されている。このため個人(企業役員、富裕層など)が中心となり献金窓口としてつくられる委員会で、政治活動家つまりロビイストや政治コンサルタントも参加する。まるで自分が大統領になるための準備工作じゃないか。

 

 また4月のトランプ・ジュニアの疑惑発覚当時、すぐに「副大統領は問題のロシアとの面談を知らなかった。これは副大統領候補として選挙に参加する以前の話で全く関知していない」と副大統領報道官を通じて声明を出した。トランプ氏からバトンを受け取らなければならない事態に備えを出した、とみてよさそうだ。

 

 ではトランプ辞任となった場合、株は、また円レートはどうなるか。

 「トランプラリー」はNYダウで見ると1万4000ドル台から1万8000ドルくらいまで急伸した。4000ドルのうちまず半分ぐらいは下がるんじゃなあいかと思う。いや、ペンスになれば法案は次々に通るんじゃないか、という強気の見方もあろう。まあカネ余りの時代から、大して押すはずがない、とも。

 

 ただドルが買われる材料じゃないことは明々白々で、1ドル100円割れが瞬間あるんじゃないか。円高、だろう。とりあえず、米国の政治混乱で中国、ロシア、イランなどが大きな顔をしだすだろうし、「北」がここぞとばかり「レッドライン」を超える実験をする可能性が大、だ。直感的にヘッジファンドの「円買い、日本株売り」戦略がとられると予想する。まあ日経平均は上がるわけがない。そのあと円売り、だろうが。

 

 

 石田三成が旗印に使っていた「大一大万大吉」の意味は「万民が一人のため、一人が万民のために尽くせば太平の世が訪れる」というココロだ。政治家は万民のために尽くせば世は安泰なのだがー。

2017年7月22日 (土)

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」と安倍政権の今後(第868回)

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「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」と安倍政権の今後(第868回)2017・7・22

 創業者といえばすぐ井深=盛田とか本田宗一郎の尊敬できる偉人たちを想いだす。ところが世界最強のマクドナルドの「ファウンダー」は実は著名なレイ・クロックではなく、実はマックとディックという兄弟だった。レイはそのノウハウを盗んで、全世界にフランチャイズ化し、当初の契約は骨抜きにし売り上げの1%を払うという約束も守らなかった。

 

なるほどこの内容じゃあマクドナルド社が協力しなかったわけだ。しかし映画の出来は実に面白い。私は試写会で観たが(コッソリ言うが)マックの店に余りゆく気がしなくなった。

 

うだつの上がらなかった52歳のセールスマンのレイは異常な大口のミキサーを注文した発注元に会いに行く。カリフォルニア州サンバーディーノのレストランで、オーナーのマクドナルド兄弟の経営するハンバーガー専門店の超繁盛ぶりを目に見張る。

 

メニューは単一、皿も不要、ケチャップは4か所、ピクルスは2枚、調理場は動きにムダがないよう設計、食べるところは店外のベンチで袋と紙で包んでサービス。

 

まったく無駄のない経営ぶりをお人よしの兄弟は何から何までレイに話してしまう。

 

 全米にフランチャイズ展開して、もっと儲けたらーとレイは提案。はじめは渋っていた兄弟は説得に負けて最後にOK。怒涛の勢いで店は拡大。然し契約に縛られて収益が思ったように上がらない。品質を落とそうとしたり、ついには店舗用の土地買収会社を設立したり、レイと兄弟との対立はどんどん深まってゆく。つれてレイは次第に怪物化してゆく。

 

この号が皆さんのお目にかかる24,25日は安倍首相の国会招致で大騒ぎしていることだろう。そして次の組閣も閣僚の失言や、選挙法違反などの不祥事が相次いで、政権の体力を消耗してゆくー。

「ちょっと待って、今の言葉 Play Back Play Back」

 山口百恵ちゃんの「プレイ バック Part2」の歌詞だ。

 

今から10年前、第一次阿部内閣は既得権益の受益者側からの猛反撃を食らっていた。

たとえば「消えた年金」。社会保険庁(現日本年金機構)の民営化に危機感を持った公務員労組が自らの不祥事をリークした自爆テロだったらしい。また農業にも手を付けようとした農相は一人自殺、もう一人は公職選挙法違反で辞職。ウラにお役人の動きがあったことも明白だ。

 その結果「自民のオゴリにお灸を据えよう」という自民批判票が野党に流れて、あのハトヤマ、カンの日本の最悪の時代に入ってしまう。

 

今回はどうか。前川前文科省事務次官が「行政がゆがめられた」と告発したのが始まりだが、これも既得権益を守りたい官僚の抵抗だろう。内部文書をマスコミ(特に朝日、毎日系)にリークして、許認可権を守ろうとした。(これは昨年11月のトランプタワーでのやり取りで、NYタイムスと朝日に対し“勝利者”と安倍首相が発言したのが、カチンと来た、これは前にこのブログで書いた)。

 

ここで安倍首相が頑張らないと、レイ・クロックに振り回されたマクドナルド兄弟のようになってしまう。前回で痛い思いをした首相は、柳の下にドジョウは2匹いないことをはっきりと示してほしい。また新聞の「支持率急落、危険水域に」との見出しもこのブログの読者は信じないでいただきたい。

 

一方、アメリカの方も同じ。ABCテレビとワシントンポスト紙の調査では支持率は4月比6%下降し36%で、不支持率は5%上昇の58%。

 では三大ネットワークと大手新聞社の調査はどの程度信用されているのか。ある大手調査会社の「誰がより信用できるか」(6月25日)によると、議会、メディア、トランプ政権の三つのうちトランプ37%、メディア30%、議会29%でメディアを信用していない。

 

一方ギャラップの「どのメディアを信用していますか」に対しては三大ネットワークはランキング15位以下。つまりトランプの方も安倍さんと同じく政権に批判的なメディアが窮状を伝えているもので、余り、どころかほとんど信用できない。

 

 トランプの方は、ペンス副大統領が少しおかしな動きをしているので、(これは別の機会を見つけて)、アレレという事態が全くないとは言えない。しかし安倍さんの方は、まだ国政選挙はだいぶ先なので、十分にリカバリーする時間はある。これ以上の支持率下落は(ないと思うが)あっても、無視。構造特区とコンセッションの二つのドリルで既得権益に穴をあけてゆけば勝機は十分にある。

 

 映画のセリフから。レイは言う。「きれいごとだけでは、夢は絶対に叶わない!」「一番大切なのは、“持続”です!」長期政権でなければできないことがヤマのようにある。頑張れ安倍さん!

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