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2017年3月20日 (月)

映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回)

映画「知りすぎていた男」と想定外のリスク(第850回)2017・3・20

 

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先々週ヒッチコックの名作を書いたら、何の因縁かBSで56年の「知りすぎていた男」を放映したので。この作品は英国時代の「暗殺者の家」の再映画化、ヒッチコックが自作をリメークしたのはこれだけ。主演はジェームス・スチュアートとドリス・ディで、主題歌の「ケ・セラ・セラ」はこの映画のためのオリジナル。この歌が映画の中で決定的な役割を果たす。

 ドリス・ディはもともと歌手だが主演映画は好きで、ずいぶん観た。「二人でお茶を」「夜を楽しく」「ミンクの手ざわり」、それに私のお気に入りでは「先生のお気に入り」でクラーク・ゲーブルと組んだ。

 医師夫婦が息子を連れてモロッコにバカンス旅行するがバスでフランス人の男と知り合う。翌日マラケシュの市場で瀕死のその男に医師は「政治家がロンドンで暗殺される。アンブローズ・チャペル」と耳元でささやかれる。暗殺犯行のグループは「何も話すな。息子を誘拐した」と脅され、舞台はロンドンへ―。

 首相を暗殺から救い、お礼に大使館に招待され、有名歌手の妻はまず大声で「ケ・セラ・セラ」を歌い、息子の口笛で軟禁されていることを知った医師が救いにゆく。

 「ケ・セラ・セラ」の歌詞がいい。

 私が小さい女の子だった時、ママに聞いた。私は何になるの?きれいになる?お金持ちになれる?そしたらママはこう答えた。

 ケ・セラ・セラ なるようになるのよ。

 先のことなど わからない。

 ケ・セラ・セラ なるようになるのよ

 私は「先のことなどわからない」のに、何とか先を読んで、このショウバイを何十年も続けてきた。幸い証券と銀行の業務がわかり、英語もそこそこできた。またオカルトじみて聞こえたら笑ってほしいが「予知能力」もあったので、市場の曲がり角でヒト様よりうまく立ち回ることができた。間違いはヤマのようにあったが、びっくりするようなファンの方々に支えられ、おかげさまで81歳と半年、この好きな仕事を続けてこられた。

 私はこのブログやほかの著作で、毎週ひとさまの余り気づいていない事件や物の見方、始まりかけている芽をご紹介してきた。①シェールガス革命を「21世紀最大のエネルギー革命」として2011年に紹介②アベノミクス第一の矢で「円高とデフレ」の悪循環が「円安と株高」に変わる、とHFが180度投資方針を転換したニュース③いわゆる「中国リスク」をNY大学ヌリエル・ルービニ教授の指摘より早く2012年に指摘。

 とくに第二次安倍政権の成立直前、当時のゴールドマン・サックス・マネジメントの会長のジム・オニール氏が「円売り日本株買いが投資家の唯一の作戦」として「早く安倍さん当選してくれ!」をメールで述べたと紹介したのは、日本中で私だけだったと思う。

 すぐにジョージ・ソロス氏がこの作戦で3か月で90億ドルももうけた。しかし日本人はバカなことに、売り向かった!

 当時小池百合子さんに口惜しさをブチまけたことを思い出す。

 私はこれまで絶対にこのブログで書かなかった自慢話をしなかった。年寄りの過去のヒットの話は読者に退屈に決まっているから。しかし、今回だけですから。

 私はかつて安国寺恵が毛利家に送った情報で「信長公はここ3、5年は勢威が高まる一方だが、その後あおのけざまに高転びに転ばれるだろう」と述べた。(手紙は「藤吉郎さりとはの者に候」という言が入っており「中国大返し」の時にこれがひびく)。

 実はわたくしはここ2,3週間森友学園問題をしてきた。内閣支持率は高いし、経済指標は良好、外国とも(どうにもならない中・韓国は除いて)対トランプを含めてもうエクセレント。でも危機対応への緊張感が欠けていると、飛んでもないことになってしまう。今がそうだ。

 私は16日の参院予算委の与野党議員にあの学園理事長が「100万円首相夫人から建設寄付金として“安倍晋三からです”として手渡された」としたことが心配のひとつ。(これはそのご否定される証言は籠池側から出ていなかったと思う)。

 首相側は全面否定だが、23日の証人喚問で新たな爆弾証言が飛び出すかもー。心配は尽きない。これで鎮静化がうまくいけば4月から株価急騰に一挙に変わるのだが。

 もともと昭恵夫人が森友学園の名誉校長になっていたのは、何ともワキが甘かったというしかない。稲田防衛大臣も、観ていられない。

 幸い民進党の支持率は低い。しかし「何かあったら自分は衆議院議員を辞める」と言ってしまっている。私の心配はつきない。悪材料出尽くしを待つことを待つことにしよう。

 トリビアをひとつ。「ケ・セラ・セラ」は実はフランス語でもイタリア語でもない。作曲したジェイ・リビングストンが「裸足の伯爵夫人」でエヴァ・ガードナーと結婚する伯爵家の古い城を見たときに書いてあった家訓をメモして題にした、とか。この作曲家は「ボタンとリボン」の主題歌(あのバッテンボーです)「モナ・リザ」(ナット・キング・コール)が大ヒット。この「ケ・セラ・セラ」と合わせて三回アカデミー賞をとっている。

 なるようになる。気を病んでも仕方がない。「ケ・セラ・セラ」だ。


2017年3月12日 (日)

映画「お嬢さん」と防衛と難民の財源(第849回)

映画「お嬢さん」と防衛と難民の財源(第849回) 2017・3・12 

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 面白いよ、とすすめる知人がいて私としては珍しく韓国映画を観た。原作がサラ・ウォーターズの「「荊(いばら)の城」(「これミス」の一位をとった)だし、監督パク・チャヌクも「オールド・ボーイ」が面白かったので。

 原作は19世紀のロンドンだが、映画は1930年代の日本統治下の朝鮮に置き換え、セリフも日本語が六割。しかし演技もセリフも違和感はない。R18+にランクされ、官能的な同性愛シーンはドキドキする位美しい。

 この映画の面白さはエロスだけではない。不意打ちのドンデン返しが何回も起き、女性の男性支配からの逃亡が主題で明確だ。

 登場人物は四人。金鉱の持ち主の金持ち。その姪で莫大な財産を相続した日本の華族令嬢。その財産を狙う詐欺師の自称伯爵とその指令で侍女に送り込まれた女スリ。伯爵が令嬢をたぶらかして結婚するのを侍女に手伝わせ、結婚したら令嬢を精神病院に入れ、財産処分益を山分けに―。ところが侍女は令嬢に仕えるうちに愛し合うようになる。

 私の三週間前のブログ。私は①日米首脳会談のツケ回しで防衛費がいまのGDP1%が、すぐとは言わないが2%へ上昇②消費税増税は米国側からみると日本の輸入防止策なので恐らく不可能の二つの理由で巨額の財源が必要、とこのブログで述べた。

 その内容を2回延期したら、ある敏腕編集者から「なぜですか」とお問い合わせがあった。本当は来週かなり有力な情報源の方にお話を伺うのでもう一週、書くのは延ばしたかったのだが、もう七分は確信があるし、本にも書いた。ま、いいか。

 何兆円もの財源をひねり出すには、増税じゃムリ。とくにルビコンを渡るように思い切った政策転換がないと、なおムリ。後で書くが難民にカネがかかるから。

 幸い米国のムニユーシン財務長官が「100年もの国債」発行をブチ上げた。これにならって「100年もの」を出すか「永久債」にすればいい。

それだけ?これだけです。

 一生県命財務省のイキのかかった記者や学者がヘリマネの弊害(実際はないのだが)つまり歯止めのかからない場合の怖さを書きまくっていた。しかし最近になって有力シンクタンクのチーフエコノミストが「転向」している。恐らく年末(トランプ来日以降)の総選挙で安倍内閣2021年までの超長期政権のための「人気取り」で、ヘリマネをやるという説だ。いちいち名前は言わない。財務省の委員会に絡んでいる人もいる。

 ヘリマネをやると円安。物価上昇で明年4月には黒田総裁は満足して退任、後任は大体もう決まっている。来年度の予算に関連法案を通し、2018年後半からの国土強靭化計画、防衛費増を支える。これでも「北」や「南」の情勢を考えたら遅すぎるかも。

 3月10日。朴大統領は罷免され、これで2か月の間に大統領選があり、現在の支持率からみると文在寅(ムン・ジョイン)の「共に民主党」前代表が最有力。この男はメチャ左派だった盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で大統領秘書長を務めていて、「北」の意を受けて動く男だ。

 

 当選後もちろん国連決議などは無視して、「北」は「北」、「南」もそのままで「高麗」という統一連邦国家を創立する。日本の慰安婦像でも竹島でも推進し、15年末の日韓合意も無効宣言する。いまは欧州のこととして他人事と思っているが、ワザとスパイを含めた難民を大量に日本に送りこむ。またはあからさまかどうか、分からないが核兵器を日本にブチ込むゾと脅して、「北」再建の予算を我が国から持ってゆく。沖縄にはすでに左翼の中国か「北」のイキのかかった暴力的な反米、反政府勢力が「沖縄独立」と称して激しい暴力活動を行っている。難民はここに流れ込むだろう。翁長知事がとり続けている反米姿勢は、この悪意を持つ外部勢力に利用されるだけなのだが、ご本人は気づいているか、どうか。

 映画のトリビアから。原作「荊の城」の原題「フィンガースミス(Fingersmith)」とはスリの俗語で、レズの巧みな指先を連想させる。男にはとてもできない深い快感。令嬢は広い屋敷に閉じ込められており、教えてくれる侍女に「凄くうまいけど、どこで習ったの?生まれ持っての才能なの?」令嬢は侍女がダマそうとしていると百も承知で知らないふりをしている。

 何ごとでも本当のことは、知らない顔をしているうちに進行しているものです。

2017年3月 5日 (日)

映画「北北西に進路をとれ」とトランプ演説(第848回)

映画「北北西に進路をとれ」とトランプ演説(第848回)2017・3・5

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 アカデミー賞が決まった。私は作品賞、監督賞を一生取れなかったヒッチコックのことをいつも思い出す。ハリウッドって、どうもヘンだ。伝記を読むと、やれ外国人監督だとかサンフランシスコに住んでいてロスに友人が少なかったからとか。バカじゃなかろか。「サイコ」「裏窓」「鳥」この傑作が賞をとれなかったなんてー。

 今回「北々西に―」したのは、この題が実は「ハムレット」のセリフに由来していると聞いたから。「(ハムレットの)狂気は北北西の風のときに限るのだ。南風になればけっこう物のけじめはつく」。なるほど、この傑作が次から次への予想がつかない展開が続いたわけだ。

 そこでトランプ大統領の議会演説。事前には「ツイッターと同じで、この男は何を言い出すかわからない」と不安がられていた。風は北を西に吹いていたのだが、フタを明けてみたら、実は南の風だった。

 「けじめ」がついていた理由は次の通り、まず歴代の大統領の演説のカタチを踏襲。例えば殉職した警官の妻などを呼び、上階両院の両党議員の拍手を得たり、大統領“らしく”話したり、リンカーン、アイゼンハワーの業績を引用したり(二人とも共和党)。1時間ちょっとのスピーチは丸暗記だったし最後のシメは神への祈り。カタチはちゃんと、作った。NYダウが快調にブッ飛ばしたのも「減税」「インフラ」「雇用増加」が効いている。

 一方、東京株式市場は「円について“不規則発言があるのでは”と懸念していた。これに先週書いた①「北」の「南」実質支配②森友学園問題③東芝があって、相場がモタモタしていた。まだ完全にすべてが解決しているわけではないから快調に飛ばすわけにはゆくかどうか。

 論より証拠。3月1日のNYダウは303ドル 1・5%も上がったが、日経の方は171円で0・9%(3月2日)。やはり差はある。

 ただ「北」と「南」の方はトランプ政権は本気でしかも強気の対策を準備していることを公表。金正恩も、北の手先の野党候補も当分手が出まい。

 森友学園の件。私が調べたところでは、安倍首相の政治関与はない。高橋洋一嘉悦大学教授によると「万一この問題に関与していれば、財務省が安倍政権の弱みを握ったら、とっくにリークして内閣はツブれているはずだ」と述べている。この問題は「近畿財務局の事務ミスということになり、大山鳴動してネズミ一匹に終わる公算大」と高橋さん。

 東芝。これはもうホンハイの会長発言でもう上げ始めた。

 以上、三つの日本株の足を引っ張っている材料は、重荷から解放されつつある。1万9600円台をはっきりと上回るのは時間の問題だと思う。日経平均の目標値は4~6月の2万1000~2000円は全く変える意志はない。

 NY?トランプ・ラリーの第2発目が始まっていると考える超強気、例えば2009年からのエリオット波動のV波(つまり最終上昇波で一番大きい波)もある。またシラー教授の株価判断水準ではメチャ割高とみる弱気も。

 私は少なくとも今年夏ぐらいまではNYダウは上昇し長期金利10年国債がFRB利上げの影響で3%(現在は2.4%近辺)の大台に乗ったら、1987年10月のブラックマンデーの再現が心配である。私なりの名をつければ「ブラックマンデー2」の不安だ。長期金利が上がれば債券価格が下落、3%を超えれば過去10年間の債券保有分はすべて赤字になる。先物売りでヘッジしても全保有分をカバーできない。だからこそ、債券売り株買いのグレートローテーションが起こり、これがトランプ・ラリーの理論的(?)背景になっている。しかし債券金利が上がると、利回りと株の益回りとのスプレッドで株価が割高になり、これがある程度続いてから、ある日突然、NY株の暴落、それも大幅な暴落が起こる。このあまり起こってほしくないシナリオが「ブラックマンデー2」である。ただ今年中に起きない―とは思うが。

 ヒッチコックの得意のサスペンスもの分類のひとつに「巻き込まれ」型である。普通のなんでもない人物がひょんなきっかけから、大事件に巻き込まれ、冒険、冒険また冒険。ヒッチコックのこのジャンルでは「バルカン超特急」「知りすぎていた男」そしてこの「型」の集大成が「北北西に進路をとれ」だと思う。

 いまの世界。トランプという従来になかったタイプの最高権力者の一挙手一投足に振り回されている。まあ「巻き込まれ世界」である。

 私は今回もまたお約束した「財源」についての私の見方を書き損ねた。必ず、書きます。

 それにしても、安倍総理がトランプ大統領とウマが合うのは、大きい。大変に大きいと思う。

 映画では主人公ケイリー・グラントはNYの広告代理店の社員で、スパイたちにFRBの人物と間違えられ殺されそうになる。そのスパイ組織に入り込んで首脳の情婦になっている女がエヴァ・マリー・セイントでまあなんとも魅力的だったが、汽車の中でケィリー・グラントに言う。「あなたはいらないものを売りつけるだけじゃなくって、まだろくに知らない女に恋をさせるのね」。オバマとは合わなくて苦労したらしいが。まあ良かった。良かった。

2017年2月26日 (日)

映画「ナイスガイズ!」と新値NYとモタモタ東京(第847回)


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映画「ナイスガイズ!」と新値NYとモタモタ東京(第847回)2017・2・26

 「ラ・ラ・ランド」が「タイタニック」級14のオスカー候補というので早速観たが、本音を言うとガッカリ。昔の傑作ミュージカルへのオマージュがたくさん織り込まれて、そこらは楽しめたが。「ザ・コンサルタント」も面白かったが、なんといっても楽しめたのは「ナイスガイズ!」。館内でも五分に一回は笑っていた。

 主演はラッセル・クロウとライアン・ゴズリング。シェーン・ブラック監督お得意の「バディ(相棒)」映画。アクションに加えてスラップスティック・コメディとスリルが入ったお気軽な娯楽作だ。

 示談屋のヒーリー(クロウ)と私立探偵マーチ(ゴズリング)。ツッコミが腕っぷしの強い有能なヒーリー。これに対し全く無能でドジな探偵マーチは、トンデモ演技でボケる。ラ・ラ・ランドのミュージカル演技と違いコメディ演技のセンスも抜群だ。この二人組が人さがしに始まって巨悪と戦うというお定まりの展開だが、1970年代のLAだから、米自動車ビッグスリーの環境規制の引き延ばし暗躍からだ。規制に合格した日本車が米国勢の心理的圧迫になっていたことは言うまでもない。

 この何週間か、米国株式市場は快調で、NYダウ、ナズダック、S&P500すべて歴史的高値を更新中。

 一方日経平均の方は1万9500円がカベになってなかなか抜けない。どうして?いつこのカベを抜くの?とお問い合わせが多い。先週の予告の財源問題は様子を見て。

何せ市場の売買の四分の三は外国人だし、先頭に立っているのはヘッジファンドだから早速何人かの運用担当者に聞いてみた。果せるかな、理由はいくつも。

 2月10日の日米首脳会談を終えた今でもトランプ政権が、どんな難題を日本の自動車業界に押し付けるのか、まだ分からない。先の見えない日本株を買い増しする意欲がそがれたままだ。円レート一つにしても同じことだ。

 安倍首相夫人の学校と国有地安値払い下げのスキャンダル疑惑。長期安定政権のストーリーに不安が出ている。

 韓国の朴大統領弾劾が決まれば、2か月のショート・ノーティスで大統領選。「北」の息のかかった政権が、財閥の不正蓄財、外国企業の資産差し押さえは、野党(左派)の公約に入っている。欧州の難民騒ぎが日本にも起きるのではないか。

私はこうお答えしている。

 日本の自動車メーカーは90年代の貿易摩擦以来、現地工場での「地産地消」で、トランプ氏の認識は間違っている。ペンス副大統領は日本のことをよく知っており、ここでまとめるのでメチャなことは言うまい。それに日本の自動車、同部品メーカーはどんな状況での対応できる手段を十分に知っている。

為替でもムニューチン財務長官は、操作国は4月の為替報告書などの手続きを踏んでから、ているし、ドル安よりドル高が好ましい、と発言している。FEDの金利引き上げもあり、円安で企業収益上昇と株高は目に見えている。第一、株価収益率15倍弱はどう見ても割安。私の5,6月に2万1~2000円の目標は変えない。円レートは118円に行っているだろう。

 大した問題じゃないと見ている。1か月先にまだ問題になっていないだろう。

 弾劾自体、裁判官八人のうち二人が同意しなければ成立しないし、まだ態度を決めていない投票者は現在の首相を支持するかもしれない。「北」は「南」を吸収合併して連邦制の「朝鮮」という国家をつくりたいだろうが、米国も中国もそんな企てを許すと思えない。

 私はいま東芝の行方が、日経平均1万9500円のカベになっていると見ている。昨年も2月にはシャープが「悪役」になったが、3月には株高になった。日本の景気先行指標は1月まで5か月連続で上昇、個人消費の6割を占めるサービス支出は9・四半期連続で上昇している。日本のマスコミが景気上昇と認めないだけだ。市場が織り込んで動き出す日は近いと確信する。

 映画のセリフから。ヒーリーが結局真相がヤミの中になったのを怒って言う。「(環境規制への努力をしないで、実施を延期させてばかり)、すぐにビッグスリーは日本製の電気自動車に取って代わられて、ビッグスリーみんなアウトになるぞ」。私は自動車業界のアナリストを数年やっていたからよくわかる。ビッグスリーの経営は日本勢の努力にくらべて、怠けている。左ハンドルをどうして右にしないのか。

2017年2月17日 (金)

映画「スノーデン」と日米首脳会談のツケ回し(第846回)

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映画「スノーデン」と日米首脳会談のツケ回し(第846回) 2017・2・19

 何しろオリバー・ストーン監督の最新作。反政府的なので欧州系の資金で製作したーなんて聞くと私の反骨精神がウズウズして、観た。ただ映画としては私の勉強していたスノーデンとはだいぶ脚色されていた。最大の悪役NSAの大物コービンは実在していないし、スノーデンはドローンで標的を定めるプログラムに関係していない。

それでも映画のテーマは明快だ。ネット傍受はいわば「盗聴」で、これは民主主義と個人の自由を揺るがす、しかも政府が主体になって盗聴するのは許されるべきではない。だからスノーデンは米国政府を告発した。

 

映画のパンフレットを見ると、オリバー・ストーン監督はトランプ大統領に「奇妙な形だが新鮮な空気を持ち込んだ」と期待している。主要メディアへの不信感からだ。「トランプへのヒステリックな報道ぶりは、かつての赤狩りに近いし、ロシアと近いとの報道も彼を大統領にしたくない力が働いたと思う」とも。

 

産経新聞の報道によると、昨年11月17日のトランプ=安倍会談で、安倍首相はこう切り出した。

「実はあなたと私には共通点がある」

けげんな顔をするトランプを横目に安倍首相は続けた。

「あなたはニューヨーク・タイムスに徹底的にたたかれた。私も同紙と提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った!」

トランプも右手の親指を立ててこう言った。

「オレも勝った!」

トランプの警戒心はここで吹っ飛んだと思われる。90分の初会談、マティス訪日、そして2月の超歓待(ゴルフ27ホール、5回の食事)もすべてこの会話から始まった、とこの報道はいう。なるほど。

 

また同記事は、1月28日の電話会談でトランプ氏は「オレは日本車が好きなんだ!」と。あれほど日本の自動車メーカーを攻撃してきたトランプのこの発言で、安倍首相はツイッター攻撃にも動じる様子はない。ふーん、なるほど。なるほど。

 

2月10日以前には①自動車問題の不均衡②為替水準につながる日銀の金融緩和の議論が警戒されていたが、実際には議題にならなかった。

 

日本側が「お土産」として用意していたはずの「日米成長雇用イニシアティブ」も温存されたようだ。日米関係の重要性は再確認され、2国間の経済対話創設で合意した。しかもペンス副大統領と麻生副総理という組み合わせだと、相手はインディアナ州前知事で知日派だからそう無茶なことは言うまい。

 

ただし、トランプ政権の4年間でずっと日米関係が安泰かといえば、飛んでもない。ビジネスマン・トランプはそう甘くない。私の知っている時事通信社外国経済部長の大嶋聖一さんは「日米経済はこれから『戦闘モード』へ」入ると言っている。

 

2月10~12日現在、経済閣僚はまだ米議会の正式承認されていなかった。いわば準備不足だったので仕事が始まれば楽観できない。共同声明に「日米間で二国間の枠組みに関し議論を行う」としたが、この枠組みにはFTAも入る。この交渉が厳しいものになること必至。トランプ貿易政策は①GDP(もちろん米国の)にプラス②貿易赤字削減③米製造業の強化、が選挙公約である。

 

私自身、ワシントンの共和党ロビーストに取材したが、次の4点が米国への「見返り」になる。だから超歓待のツケは高いよ、と。

 米国債の購入。中国が米国債を売却し続けている現状では、年金運用法人GDPIFの買い、又は日米パートナーシップによる財務省(日本)の買い。これで円安批判を回避する。

 米国インフラへの投資。例えばテキサス州の新幹線計画への協調融資。

 米国製の兵器購入または新型の兵器の日本共同開発。海上迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」、ステルス戦闘機、無人機などなど。2019年からのミサイル実戦配備がすでに決まっている。

 これが大物なのだが防衛負担の増額。兆円単位の話でせいぜい何千億円の米軍駐留経費の増額ではない。この方は思いやり予算を含めると7600億円、日本負担74・5%で、韓国の49・5%、ドイツ22・6%に比べ、確かに十分。マティス米国防長官も「モデル」と評価するほどだ。問題の防衛負担は「対GDP比率1%」のカベを少なくとも1・5%、長期で2%に上げてほしいとの長い間の米国側の要望だ(前期の③も入るが)。つまり最大5兆円の予算増の話だ。

米国自身の3・3%、英国2・0%、フランス2・1%に比べ日本はわずかに少ない。(ドイツの1・2%

も少ないと批判されている)。恐らくこの④は「密約」だろう。

 では財源をどうするか。これは次回に書くことにしよう。

 

 映画のセリフから。スノーデンが言う。「私はかつて政府のために仕事をしていました。いまは人々のために働いています」。平和維持のコストは高くつく、まあ仕方ないのでしょうなあ。

お隣にメチャクチャなことを平気でやってのける国がいるんだから。

2017年2月10日 (金)

映画「キムゾンダル大河を売った詐欺師たち」と呆韓(845回)

映画「キム・ソンダル大河を売った詐欺師たち」と呆韓(第845回) 2017・2・12

 私は嫌韓も嫌韓、食卓にキムチも出さない。TVの韓ドラも韓映も観ないのが普通だが、悪党がトクをするコン・ムービーを観たくなったのでまあタマにはいいかな、とー。

詐欺師の主人公が誠にへたくそなメークで何人もの別人に化け(ダマされる方も方だが)次から次へと詐欺に成功する。ついには韓国最高の権力者(王様よりも力がある!)に「この川から砂金が出る」と信じ込ませ河を売りつける。まあ凡作でおすすめはしない。(この間に「この世界の片隅に」を観たが戦争の被害者ものは苦手なので)

 

 3月13日には韓国朴大統領の弾劾問題が憲法裁判所で決定される。裁判官のうち二人が反対したら弾劾は成立しないし、朴支持の太極旗デモが3月10日にあって、弾劾はこのデモの動員数が決まる(ホントはね)そうなので、朴留任の可能性も残っている。また極右派が言うよウニ今回の女性占い師の国盗り関与疑惑もデッチ上げ(これもマサカ、ね)説もある。

 

 しかし現在のメイン シナリオは、朴退陣、ショート・ノーティスでの大統領選挙、野党側の候補勝利。どの候補を「北」のイキのかかった人物ばかりなので。

 日韓合意はキャンセル

 「北」は金体制、「南」は民主主義体制で「合邦」し「朝鮮連邦」ができる。

 「北」の核ミサイルを打ち込むゾと日本をおどして日本からカネを巻き上げる。

 

 私がブログで「2017年テン・サプライズ」つまり「とんでも予想」の一番目にこの「キムチ・ショック」をとりあげた。朝鮮半島からの難民を予想したからだ。もちろん原稿を書いたのは旧年中だったので、私のブログの愛読者からよく当てましたねと声をかけてくれた。しかし私の真意というか不安は、前記の②と③にある。

 

さすがに米上院は「北」の影響力増大を警戒しており「核保有が10個以上に達する前に先制攻撃」が昨年末に検討。これを受けて先週のマティス国防長官はTHAAD配属を確認したし、前提となる①については国務長官が電話で確認している。慰安婦の少女像にも一言あったらしい。①が②、③に続いてしまう前に、シメておこう、と米国は考えているに違いない。

 

 私はいつも韓国人に呆れるのは、あまりにも手前勝手な、事実を無視した強弁だ。

 BSフジの2月8日プライムニュースに出演した恵泉女子大李准教授の発言だ。「安倍政権の支持率が下がっているので、人気回復のため韓国にツラく当たっている」とぬかした。この人、安倍内閣の支持率の高さをご存じないらしい。

 だからこそ、最近の世論調査で韓国を「信頼できない」77・9%(出来るは17・0%)になってしまうのだぜ、李さん。

 韓国経済のひどさについては、この李さんを含めて三人の韓国人が、2時間の間一言も言わない。若年層の失業率9・2%というひどさ。

 96年対比で2015年に家計債務の対GDP比率は44%から85%にほぼ倍増。赤字世帯の比率も96年の16・7%から2015年21・3%に上昇。2016年も悪化しているだろう。

 外貨不足の懸念は大きいい。中国依存が裏目に出ている。「中国による韓国いじめ」もある。THAAD配備に絡んだもの。それよりも何よりも、日本の技術を盗んでウオン安で輸出を伸ばすというコソ泥商法がカベにぶつかっているためだ。

 

 実はここまで書いてきて読み直したら、韓国から「反日」で必ず自滅するという私には自明のことが十分に説明されてない。

 

 韓国は海外との試算バランスはマイナスで資金の出し手の家計の純資産はGDPの1・1倍、一方企業の純資産は1・3倍(日本はそれぞれ2・5倍、0・91倍)。このため国内資金不足に陥りやすい。だから2014年にユーロ危機で欧米金融機関が韓国から資金を引き揚げたので、韓国企業は日本での資金調達に死に物狂いになった。

 

 今回は、通貨スワップで中国に依存していたが中国が資本逃避に悩まされ韓国支援どころではない。豪州とスワップのワクを拡げたが、限度は見えている。どうしても韓国政府は日本の信頼を回復するしかないのだが、しかし、次期大統領候補には「反日」しかない。もう少し理性的になったらどうか。

 

 結論。こんなお隣さんだからどうしても日本は米国と協力して「北」の「南」制圧を回避しなければならない。そこで、私は相変わらず防衛関連株に注目する。

 

 映画のセリフから。ただのニワトリに金箔を塗り、伝説の鳳凰にして大金をせしめた。しかし大雨が降ってすべての金箔が流れ落ち、バレてしまう。

 韓国商法は金箔が消えたようなもので、サムソンはじめ商売そのものが行き詰まっている。そこいらがまだあの国ではワカっていないー。

 

 

 

2017年2月 4日 (土)

映画「ゴッドファーザーと三部作」とトランプとヘリマネ(第844回)

映画「ゴッドファーザーと三部作」とトランプとヘリマネー(第844回) 2017・2・5

 ご存知のフランシス・フォード・コッポラの三部作。原作はマリオ・プーゾで第一作は1972年、2年目に「PARTⅡ」さらに16年たって「PARTⅲ」。物語は20世紀初頭から80年あまりの大河ドラマだ。

 物語はマフィアの抗争史だが、イタリア人の一族の愛の絆は強い。マーロン・ブランドが長男に言うが「家族を大事にしないヤツは男じゃない」。そのドンが射たれて重傷を負うが、三男のマイケル(アル・パチーノ)が病院で父を守り、黒幕の二人の男を射殺し復讐する。このシーンや、赤ん坊の洗礼の時に手下を使って有力マフィアの親分を皆殺しにするシーンなど。映画としての盛り上がり迫力十分な見せ場になっている。

 父は子にしきりと教訓を垂れる。「一番親しいものを疑え」『オレのシマで手打ちをする』。というのが一番危ない。そいつが裏切り者だ」。

 

 国防長官来日で、日米安保の確認が行われ、マスコミは「ひと安心」ムードが拡まっている。尖閣やら「北」の核やらで心配の種は多かったから、やはりトランプになっても米国は頼れる同盟相手だという安心感が大きいのだろう。ただし、私は安倍=マティス会談で99%、トランプ氏の伝言の「防衛費の増額」が伝えられたと思う。GDPの1%というカベはこれまでも米国の一部では批判の対象だった。

 

 トランプ氏の欧州NATO加盟国が応分の責任を果たしていないと批判し続けてきた。NATO加盟国はGDPの2%の防衛費支出が目標だが、達成している国は英国、ポーランド、エストニアなど。中核の独、仏も2%以下である。

 三日のABCテレビでマティス国防長官は「日本に駐留費増額は要求しない」と述べていたが、防衛費(つまり米国製兵器の輸入額を含む)のワクは別だろう。米軍駐留費は7600億円で54%が日本負担。100%負担でも3500億円増に過ぎない。しかしGDPの1%増は5兆円。ケタがちがう。

 

 当然のことながら、財源をどうする、という大問題になるが、米国は連邦税としての付加価値税(消費税)は輸入品に有利、として1960年代以来反対の立場だ。とくに新商務長官ウィルパー・ロス氏は従前から消費税反対の立場をつづけている。

 トランプ氏自身もメキシコ叩きの中で「メキシコは16%の付加価値税があり、米国で販売されるメキシコ品は無税だが、米国製品はメキシコで16%課税される。長い間放置された欠陥協定だ」と述べている。

 

 では、日本はどうするか。来週、浜田宏一内閣参与の招へいで、プリンストン大のC・シムズ教授が来日する。同氏は拡張型財政政策、消費税繰り延べまたは廃案を主張している。

 またほんの数週前に、ジョージ・ソロス氏と元英FSA長官が官邸を訪問した。今後の防衛予算増、国土強靭化計画などのために、財政ファイナンスを行う意志があるかどうか、確認に来たのではないか。

 

 恐らく年後半の総選挙前には防衛予算も財源もマル秘だろうが、戦前の「高橋財政の勉強をこのブログの読者におすすめしておきたい。要するに一番大事な実例は歴史にあるということだ。だから、世界中が恐慌になっても、資産デフレを卒業した日本だけは打撃は軽く「独り勝ち」となる。私の確信だ。

 

 注目している業種・銘柄は「中長期ならいいものへの投資は必ず報いられる」と、どうぞ皆さんに確診していただきたい。そうはいかない向きはロスカットを15%とか20%と決めておくことも重要だ。

 

 映画のセリフから。PARTⅢで大親分になっているマイケルが甥にいろいろ教訓を垂れる。「目をよく開いてみる。口を開くんじゃない」。「敵を憎むな。判断が鈍る。」「政治と犯罪は一つのコインのオモテとウラだ。へええ、そうなのか。

2017年1月28日 (土)

映画「海賊とよばれた男」とトランプの栄光と転落(第842回)

 

 

 

 

 

 

 

映画「海賊とよばれた男」とトランプの栄光と転落 (第842回)2017・1・22

 百田尚樹氏の小説は出光興産の創業者・出光佐三氏の一生を描いた長編で、400万部を超えるベストセラー。「永遠のゼロ」と同じ山崎貴監督、岡田准一主演のコンビが映画化した。95年の生涯だから原作の省略がかなりあって、やはり映画は小説にかなわないのかな、というのが率直な感想。しかし「日本人はこれだけのことを成し遂げたのだ、もっと自信を持て」というテーマは、明確に打ち出されていると思う。

 

 前半は業界の閉鎖主義や官僚との戦い、中盤はセブン・シスターズと呼ばれる石油メジャーとの戦い。そしてヤマ場はイランのモサデク政権から世界でただ1社石油を買い付け、英国海軍の妨害を受けながら成功する。

 

 出光興産(映画では国岡商店)の草創期。まだ新参者なので製品を売りさばく先がない、ところが関門海峡を走る小型漁船向けに燃料油を伝馬船を漕いで売りつけた。同業者は「海賊どもが」と呼んで惜しがる。

 主演の岡田准一が35歳で60台から95歳まで特殊メークで老け役を演じたのだが、マーロン・ブランドや三船敏郎とは比べものにならない。映画としてはまずまずの出来なのだが。

 

 さて、先週は十数年ぶりに体調を崩してこのブログは休載。残念でしたが、びっくりするくらい多くの方々からお見舞いや激励の言葉をいただき、感謝感激でした。この間にトランプ・ラリーは一休みしドル高も反動安。もちろんツイッターやら大統領令やらで新大統領が指図したからだったが。

 

 でも、と私は思う。数多くの人がトランプ政策の矛盾を突き、何年か後に「破局」か「自らの誤りを認めて路線変更」を予測している。逆にいうと「このまま、少なくとも1,2年はトランプ・ラリーは、見かけはうまくゆくーと見ているのだろう。

 

 わたくしもそう思う。まず先進国も途上国もみな景気は好転中で珍しくいい環境だ。とくに米国は2018年前半ぐらいまでは相当に景気がいい。日本は日本で、短、中、長、それは超長期の景気循環がすべて上昇というゴールデンサイクルが今年から始まっている(嶋中雄二さんの研究による)。

 

 ではトランプ政策の何が米国景気のブレーキをかけるのか。

 公約のひとつの「10年間で2500万人の雇用創出」がある。米国の労働力人口は1億5~6000万人で失業者数の三倍を超える。

 労働力人口の六分の一もの雇用創出は、もちろんすぐに可能なわけではない。しかしその中途でも賃金の大幅上昇とインフレが発生するに決まっている。

 

 公約はまだある。「TPP脱退とNAFTA再交渉」「4%成長」「減税」「インフラ投資」。

 要するに保護主義+財政拡張+経済成長は望ましいことではあるが、可能ではない。大切なのは米国産業界に国際競争力も強化を促すことだが、トランプ氏にその気配はなく、その代わりに気候温暖化の虫が強行されようとしている。

 

 わたくしは先日の記者会見、またその前からメディアを軽視、敵視しているツケがいずれ回ってくると思う。私がCNNの社長ならば敏腕記者を選んで「トランプ氏が失脚するような材料を探してこい、動かぬ証拠つきで」と命令するだろう。ウォーターゲート事件はニクソン再選の選挙運動中に発生し、2年後の弾劾裁判直前の辞任で幕を閉じた。マスコミをバカにしちゃあいけない。

 

 為替の方も同じ。資金を世界中から集めるにはドル高は必須の条件だが、米国産業界が嫌がるに決まっている。これもどこかで限界が来るに違いない。要するにトランプ政権は、栄枯盛衰の言葉通り。春には花は咲くかもしれないが、すぐに急転直下、秋は木枯らしが吹く冬になるだろう。それでも、日本は大丈夫。私の最近作「恐慌化する世界で日本がひとり勝ちする」をご覧ください。

 

 映画のセリフから。イランに日章丸を派遣した出光佐三社主を評して部下が言う、「のるかそるかの大バクチだが、考えてみればウチの会社は創立した時からバクチを続けてきたんだなあ」。トランプ氏は選挙という大バクチに勝ったが、勝ち続けられるか、どうか。

2017年1月22日 (日)

お知らせです。

私のブログをご覧いただいている皆様へ。大変申し訳ございませんが、わたくしが少し体調を崩しましたので、今週のブログはお休みにさせていただきます。どうぞ悪しからず。今井澂

2017年1月16日 (月)

映画「沈黙―サイレンス」とトランプ会見とお年玉(第841回)

映画「沈黙―サイレンス」とトランプ会見とお年玉(第841回)2017・1・8


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遠藤周作の小説「沈黙」は、戦後日本文学の代表作の一つとして高く評価され、20か国語に翻訳。日本映画では篠田正浩監督が1971年に映画化、93年には松村禎三作曲でオペラにも。今回はマーチン・スコセッシ監督が28年かけて実施した映画化で、本年度アカデミー賞最有力とされている。試写会で見たが格調の高い力作だ。日米の俳優も熱演だし画面も美しい。遠藤周作の「弱者の神」「同伴者イエス」のキリスト教への解釈がメイン主題。日本の精神的土壌とキリスト教の背反がサブテーマだ。徳川政権の日本人のキリシタン、外国人神父に棄教を迫り、そのために踏み絵をさせる。そこがヤマ場となっている。

 島原の乱が終わって間もない1630年代。イエズス会の高名な神学者フェレイラが棄教した謎を追い、同時にキリスト教の灯を絶やさないため若い神父2名が日本に潜入する。

 ガイド役のキチジローの裏切りで長崎奉行所に捕われ、一人は命を落とす。主人公のロドリゴも神の栄光に満ちた殉教を求めていたが、問されている信者の命を自分の棄教で助けられると知る。またフェレイラが棄教したのも同じ理由だった。

 私はトランプ次期米大統領のツイッターによる企業攻撃は「踏み絵」だと思う。キャリア、フォード、GM、そしてトヨタに高率の関税をかけると脅した。一見自発的に見えるが何社も「棄教」した。自分はさぞいい気持ちだろうが、先行き、つまり高い人件費で販売させられる企業はたまったもんじゃない。

 11日の記者会見でもトランプ氏の「選挙モード」そのままで、1月20日の就任演説以降「統治モード」にキチンと移行できるのか怪しい。トランプ政権が大失敗に終わるか、レーガン大統領のような成功を収めるのか、まだ分からない。だからこそ投資家特にヘッジファンドは、ドル高是正とリスク・オンでトランプ銘柄(G、サックス、チェース、キャタピラー)が堅調だ。期待感は消えていない。

 日本のマスコミは自分の国の名前が2回出てきて、中国、メキシコと並べられたのに不安がっている。トランプ発言に今後も一喜一憂するに違いない。わたくしが見るところ「トランプ政権の大問題は外交・安保チーム(安全保障担当補佐官、国防長官、国務長官)の不調和だろう。フリンは事務管理能力に問題があり、マティスは国防総省内の人事でトランプ周辺と意見の不一致があるもよう、ティラーソンは議会の承認が親ロシア過ぎるとして、認められるかどうか疑問だ。戦略の一致とチームの機能開始に時間がかかるだろう。

 となると、対中戦略がどうなっても、日本としては防衛予算の増額は、やらなくてはなるまい。

 実は昨年11月から、防衛関連銘柄の株価は急上昇している。トランプ政権が①衝突するリスク②電撃的に和解して太平洋の安全保障を分担するリスク、どちらにしても防衛費が増大すること必至、とみてヘッジファンドが買い始めているためだ。

 三菱重工(7011)

 川崎重工(7012)

 新明和(7224)

 ついでに言うと防衛向けでは殆ど実績のない三井造船(7003)まで株価は上昇しており、前記三銘柄を含め40~60%もの株高だ。しかもまだ売る気配はない。

 米軍駐留費の負担増が3500億円、今後日本はGDP1%のワクを倍増させる、特に艦船(護衛艦、潜水艦)の建造が繁忙になる、という読みからだ。

 では、この安全保障の巨大な変化で財源はどうする?これも防衛予算同様、大変化をヘッジファンドは読んでいる。これはトランプ陣営の閣僚人事に絡んでいるので、来週に。お楽しみにしていてください。

 映画のセリフから。夜明けにロドリゴは踏み絵を強制され、足を擦り減った銅板に刻まれた神の顔に近づけた時、彼の足を激しい痛みが襲う。そのとき踏み絵の中のイエスが言う。「踏むがいい。お前の足の痛みは私がよく知っている。その痛みを分かつため私はこの世に生まれ、十字架を背負ったのだ。」またキチジローを通じて語りかける。「わたくしは沈黙していたのではない。お前たちとともに苦しんでいたのだ。」「弱いものが強いものより苦しまなかった、と誰が言えるのか?」私だけが感動したのではない。映画で全観衆が心を打たれたと思う。トランプは強いものとして全世界に君臨しようとしているが、弱い面も出てくるだろう。予測不可能性、暴力性はどの国も感じ警戒している。

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