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2017年11月20日 (月)

映画「絶壁の彼方」とトランプ大統領の危機と日・米株(第886回)

映画「絶壁の彼方」とトランプ大統領の危機と日・米株(第886回)2017・11・19


 1950年の英国の映画で、一流の映画通の中でメチャ評価が高い作品だ。和田誠さんと三谷幸喜さん共著の「それはまた別の話」の対談で12本取り上げ、その中にこれが入っている。

 小林信彦さんの「2001年映画の旅」で「20世紀の洋画100」に入っている。小林さんのコメントは「旧共産圏の国に連れ込まれた医師がいかにして逃れるか。ハラハラドキドキの連続で、意外性も充分」とある。

 久しくDVDを探していたが、米国でも日本でも見つからず漸く今月ジュネス企画が出してくれた。すぐ見たが評判通りの傑作だ。

 

 どうして「死ぬまでに観たい1001本」に入っていないのかなあ。サスペンス映画の傑作、と三谷幸喜さんが太鼓判を押しているのに。

 

 舞台は架空の国ヴォスニアで独裁者の将軍が重病にかかり、専門医で評価の高い主人公マーロウ博士(ダグラス・フェアバンクスJR)がひそかに呼ばれる。手術を行い成功したが10日後に将軍は突然死んでしまう。マーロウは国の機密を知るものとして警察は捜査、死に物狂いで逃げる。言葉もわからぬ街の理髪店に逃げ込み、偶然他人の上着を手に入れる。次に逃げ込んだ劇場で英語を喋る歌手リザを見つけ、強引に助けを求める。

 

 上着からロンドン行きの航空券と巨額の闇ドルを見つけ、その持ち主の闇屋をおどして国外脱出の手はずを整えさせ、国境近くの絶壁を超えて逃亡しようとするがー。

 

 最後に主人公は捕まって射殺されそうになるが、ラジオから群衆の前で偽の独裁者が暗殺されたことがわかり、警察は帰国を許す。もう本物の将軍の死を、機密扱いする必要がなくなったからだ。

 

 トランプ大統領は13日(月)に東アジアサミット最終日をキャンセルし、急遽帰国した。理由はトランプJRがウィキリークスとやりとりしたメールを「アトランティック」誌がスクープしたからだ。

 トランプJRはロシアからの情報の見返りとして、ウィキリークスの創設者アサンジ氏を、米国の駐豪大使に任命する密約を結んでいた。

 

一方、ロシアンゲートに絡んで、昨年大統領選の対策本部長マナフォート氏や前大統領補佐官フリン氏の捜査が進み、逮捕か司法取引が近いとみられている。

 

 加えて2州の知事選を含めた地方選の敗北で、共和党内でのトランプ大統領への憤懣が高まっている。11月7日のニュージャージー、ヴァージニア両州知事選でトランプ派の候補が惨敗。ほかの州議会連邦議会補選でも共和党は敗北した。6月の3州の知事選での共和党が勝利して以降、トランプ批判が高まったことを意味している。

 

 この知事選の結果が明らかになった117日は、トランプ大統領が国賓以上の待遇を受け、総額28兆円の米国製品の対中輸出増の契約成立ニュースが入った日。しかし、TVや新聞の扱いは小さく、トップは共和党の惨敗だった。

 

 同時に反トランプ系共和党有力議員たちが推進している税制改革が、成立する可能性が高まっている。逆にいうと、トランプ大統領の存在感がどんどん小さくなっていることを意味する。

 この反トランプ系議員の案とは「法人税率はトランプ案と同じく20%は下げるが、実施時期を中間選挙終了後の2019年とする」というもの。共和党への集票作戦にほかならない。

 

この政治情勢が、NY株式市場に微妙に反映し始めている。2018年の中間選挙は現状では共和党勝利=減税というシナリオは描きにくく、機関投資家の買い意欲にブレーキがかかり始めた。11月8日以降上がった日は2日、残りは下げだ。従前から懸念されていたハイイールド債市場の金利急上昇も始まり、0・5%以上も。ファンドの中には資金流出も始まった。基調は弱い。

 

 もちろん市場だけではない。米中関係で習近平がトランプと約束した対北強硬制裁が、大きく後退する懸念が生まれる。当然、日米、日中関係にも影響を与える。ここ1年の「シンゾー=ドン」の関係を中心に成立している日米蜜月関係も、仕切り直しになりかねない。

 

 弾劾は時間がかかるので、米国憲法修正第25条第4節による「合法的クーデター」でペンス副大統領昇格となるだろう。しかし、ペンス氏はトランプ氏以上の保守強硬派であることを、忘れてはならない。

 

ペンス氏によると気候変動は「神話」であり、進化論は「嘘」である。コンドームの着用ではエイズを予防できない、とも発言している。元インディアナ州知事として親日家であることは、確かに救いではあるが。安心していいものか、どうか。

 

別の懸念がある。近く「北」をテロ国家に再指定。これで再び緊張が高まる可能性だ。

 

 東京株式市場については、15日で底を打ってスピード違反の上げ相場の調整は完了した。そこで今後238000円を、いつ抜くか、に関心は集まる。しかし、上記の理由で、すぐ、というわけには、とてもじゃない、いかない。

 

 10月末の全世界株式市場への資金流入額の対ベンチマークからオーバーウエイトかアンダーウエイトを見る。米国はプラス9・9%、新興国プラス62%なのに対し、日本株マイナス4・1%,ユーロ株マイナス4・3%。逆にいうとNY株式市場にはあまり上昇余地はない。売りが先行しそうだ。

 

 

 逆に「北」の問題が対日投資の重石になっており、巷間いわれている「今年から来年12月」のヤマ場説が外国人機関投資家の出足を押さえている。近く「北」をテロ国家に指定する可能性があり、緊張感の高まりはあり得る。

 

 ワシントンで政変が(万一)発生したらー。NYダウは信用取引の残が空前の量に膨れ上がっていることもあり、下げ幅は大きいに決まっている。アト講釈としては①サウジの政情不安②中国の経済減速懸念③パウエル次期FRB議長の手腕不安④税制改革の支払利子控除制限など、いくらでもある。

 

 それでも日本株の下落はごく軽微にとどまるだろう。日銀のTF買い入れは55000億円もあるし、GPIFも買う。

 

 私は21500円の上値抵抗線を抜いた時、次は23000円と予想し、これは的中した。2万70000円まで真空地帯なので上がりやすい、とも主張し、これは変えない。しかし、もう一度23000円を抜くには前提がある、「北」だ。当分モタモタするのではないか。

 

映画のセリフから。主人公に対し、山登りの専門家が言う。「この山は想像するより高くてきびしい。危険を覚悟でお願いします。」NYの方は、企業収益に比べて、上昇率は高すぎる。危険は高まっている。

 

 

 映画の幕切れ。英国向け飛行機でグリニス・ジョーンズ演じた踊り子リザが言う。「実は私は高所恐怖症なの」。必死のときには絶壁もよじ登ったくせに空が怖いとは。主人公はそっと手を握ってやって、ジ・エンド。二人が結ばれる暗示だ。女が心配がるのは、男はかわいいもんです。

2017年11月13日 (月)

映画「ゲット・アウト」とサウジ内紛とオイルマネーの売り(第885回)

映画「ゲット・アウト」とサウジ内紛とオイルマネーの売り(第885回)2017・11・12

 製作費450万ドルで営業収入約2億ドルものヒット。ホラーというジャンルに人種問題を持ち込んだ、まことにユニークな映画だ。監督は差別ネタを得意とするコメディアンのデビュー作。実に面白い。拾い物の一本だ。

 

NYで写真家として活躍している黒人男性クリスは、白人の恋人ローズの実家に招待される。過剰なまでの歓待と差別主義者でないはずの家に、黒人の使用人が二人もいることに違和感がある。「何か、おかしい」。

 後半はホラー、サスペンス、アクションと怒涛の展開。最後のハッピーエンドでのシメも、音楽の使い方も気がきいている。

 

導入部の高級住宅地で一人歩きしていた黒人男性の拉致、クリスとローズが走行中に道路でシカをはねた時の白人警官のクリスへの態度などなど、伏線が効いている。意外や意外の展開だ。

 

11月9日(木)、高値は2万3000円台だったが、結局45円安の2万2868円で終わった。私の目先の目標値2万3000円の大台近辺の順当な押し目とみるのが妥当だろう。10日金曜日のQEもこれを裏付けた。私も2,3年以内に日経平均3万円以上を主張し続けてきたので、長期強気に変わりない。しかし、やはりごく目先は天井、と見た方がいい。理由はカンタンで、オイルマネーの売りが入っているからだ。(意外ですか?ロイターが伝えています。日経もようやく書きました。)

 

さる6月、サウジでムハンマド皇太子が王族と現職閣僚38名を汚職容疑で逮捕。リッツカールトンホテルに急仕立てされた監房に監禁し、資産の凍結を行った。目的は王室経費の圧縮と皇太子への権限集中である。

 

逮捕者の中にはアルワリード王子(運用資産190億ドル)、マスコミを支配するワリード・イブラヒム(同210億ドル)など。凍結された金融資産は2000億ドル(22兆6000億円)を超え、うち6割の13兆4400億円が海外資産と推定されている。(ロイターは90兆円、と。これは大きすぎるが)

 

 その内訳は4割が米国国債、社債で3割は先進国株式、残りは不動産。日本株は7300億円程度。

この資産を没収して売却、国庫に入れているらしい。サウジアラムコの上場による利益が延期によって入らなくなった分が、補慎できる。

 

これと別にサウジの財政赤字が拡大しているのはご存知の通りだが、このため54兆円にのぼるSAMAの資産の一部が売却される。これがヘッジファンドの売りストーリーだ。これによるとSAMAの日本株保有分6300億円がプラスされ、前記分と合わせて1兆3600億円に達する。

SAMAはシャリアジャパン150のインデックス主体だが、王族や高級官僚の投資は個別銘柄で、アルワリード王子のアップルやシティ、ツィッターへの投資は有名だ。

 

 以上が先週に入ってから売り仕掛けを始めたヘッジファンドの理由づけだが、売り玉はそれほど大きくない。しかしオイルマネーの売り注文を受けている証券会社のストラテジストほど弱気。年内ダメ説を言っている。「ゲット・アウト」説ですな。

 

 私の相場観はもう少し強気だ。

 

 日経平均225種のEPSが1500円を超え、増額修正が相次いでいる。安倍首相の支持率は50%を超え長期安定政権。PER14倍台は割安、などの日本株の買い材料のほか、まだ日本人特に個人投資家の先行きに対する弱気が「懐疑のうちに育つ」長期上昇相場の環境にある。

 

 記録的なカラ売り残は減る気配はないし、信用買い残は増えない。木、金の売りはボラティリティの上昇によるプログラム売買で値幅が大きくなったが、外国人機関投資家の短期売買によらない年金や投信は、この押し目をむしろチャンスと見ている。「ゲット・イン」だ。

 

「北」のリスクがどうなるかをじっと見ており、今回のトランプ=習、プーチンの会談で解決への示唆が得られれば長期資金が流入するだろう。今、来週こそ様子見だが、ワシントンから金正恩をどう片付けるかの情報が(もし)入れば、」私は買い出動をお勧めするつもりだ。

 

 映画のセリフから。恋人の母親は神経科の医者で催眠術をクリスにかける。コーヒーカップをスプーンでかき回し、注意をそこに集中させて、クリスを眠らせる。「特定のモノに注意させればいいの。別に懐中時計をブラ下げて振るだけじゃないわ」。個人の投資家はまだ、バブル崩壊以後の日本はダメという催眠術にかけられたまま。市場の方は、もうぬけ抜け出したというサインを出しているのに。

2017年11月 6日 (月)

映画「女神の見えざる手」と16連騰上昇相場の今後(第884回)

映画「女神の見えざる手」と16連騰上昇相場の今後(第884回) 2017・11・6

 ジェシカ・チャスティンはイマイチ美人じゃないが、意志の強い女性をやらせたら実にうまい。ロビイストのやり手、なんて実に適役だ。

 銃規制法案を通すべく巨大な銃擁護団体に対抗して、大きい会社から移籍して自分の信条を貫こうとする。銃保護派はあの手この手で主人公エリザベスを落とし入れようとし、彼女は闘い続ける。

 アカデミー主演女優賞にノミネートされた「ゼロ・ダーク・サーティ」のCIAの分析官と似た女性ヒーローだ。映画としてはアカデミー作品賞ものだと思った。銃がテーマだしまあムリだろうなあ。

 今回の急騰相場に乗り遅れました。イマイ先生どうしたらいいですか。急騰のあとだから急落があると思うんですが。まあこんなご質問が多いこと。お答えしましょう。前にも申しあげたとおり、日経平均2万7~8000円までは真空地帯。上昇が早すぎてスピード違反になり、下落することはもちろん市場の常識だから、十分にあり得ます。しかし、押し目は軽くすぐ上昇しますよ、と申し上げています。

 いまの証券会社の現役ストラテジストのほとんどは、上昇相場を知らないから、まだ上昇相場で弱気になることのコワさをワカっていないんです。

 2万1000円の大台を抜くのに4週間以上もかかり、はっきりと抜いたのが10月13日。そのあたりで2万1500円とか2万2000円で止まり、と言っているエセ・プロがいかに多かったか。

 テクニカル・アナリストで早くから「秋に2万2~3000円」を主張し続けてきた、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮田直彦さんは「旧TOPIX」を使って「天の岩戸がついに開いた」としました。

 宮田さんによると「過去4半世紀にわたる上限の1750ポイントを、明確にブレイクした。日本株は、バブル経済崩壊後の大停滞を離脱した」。(ここはものすごく重要です!)

 「11月1日には(旧TOPIXは)1858・5ポイントまで上昇、91年11月以来26年ぶりの高値となっており、短気的な調整をはさみつつも2055ポイントを目指すだろう。

 2055は12%上、2万4900円近辺になる。これは89年の歴史的高値の61・8%戻り(エリオット波動分析では大事な数字)に当たる。長期上昇相場は始まったばかり。目先の作戦は五ケタ株の押し目、2,3年の中期ではゼネコン大手。長期では自動運転、ロボット、フィンテック、リチウム電池、医療機器、夢を買いたい向きには海底熱水鉱床開発関連。

 FRB新議長が決まり、12月の利上げは固そう。ドル高円安で輸出比率の高い精密機器や建設機械もひと回転できるだろう。円の対ドルレート115円突破がメドになる。なかなか突破できないだろうが。

 ヘッジファンドは今回はカラ売りの買戻しを狙って、売り残の多い銘柄も日経225と一緒に買い上つた。まだドカンと売るには早いと考えているようだが。

 さて、イバンカさん、トランプさん来日で日本のTVは持ちきり。「北」が主題となるとの見方が多いようだが、中国党大会で親北朝鮮の石油閥の三人の首脳がパージされてから、中国による経済制裁は強化され、ミサイル発射で挑発、なんてとても出来ないだろう。(100%ない、とは言い切れないのがヨワいが)。やはり「北」は危機としてはヤマを越しつつあると見た方がいいのでは。

 逆に今回来日しているウイルバー・ロス商務長官が榊原経団連会長に示唆したとみられる「米国のTPPイレブンへの参加」はいい材料だ。トランプ大統領は当初の保護貿易政策をどんどん後退させており、先日、いったん脱退を宣言していたパリ協定へも残留が示唆された。トランプ政策の後退を余儀なくされている事情は、また別に。

 ところで12月中旬に私の42冊目の本が刊行されます。

 「日経平均3万円 だから日本株は高騰する!」(フォレスト出版)。ご期待ください!

 映画のセリフから。エリザベスは繰り返し仲間に言う。「必ず先手を取ること。しかし敵が攻撃して来たら、向こうの切り札を待って、それからこっちの最後の手を打つの」。映画ではこの話の通り、意表を突くドンデン返しがありハッピーエンドに。「見えざる手」は日本株の長期上昇を、はっきりと示しています。私にはよく見えます。

2017年10月30日 (月)

映画「アトミック・ブロンド」と中国党大会人事と「北」制圧(第883回)

映画「アトミック・ブロンド」と中国党大会人事と「北」制圧(第883回)2017・10・29

 「007」のジェームス・ボンド、「ミッション・インポシブル」のイーサン・ハントなど男性スターが独占してきたスパイ・アクションのジャンルに、シャーリーズ・セロンが挑戦した。私は彼女のファンで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の女戦士フユリオサ役なんて凄かった。今回の「アトミック」・ブロンド」は主役だけでなく製作にも加わった。

 

 主役ロレーンは英国秘密情報部M16に所属。KGBに奪われた世界中で暗躍するスパイのリストを取り返し、同時にM16内部の二重スパイを見つけて殺害するミッションを受け持たされる。時期は1989年、ベルリンの壁が崩壊する前後で、KGB、M16だけでなくシュタージ(東独)、CIA(米)DGSA(仏)などの諜報機関が入り乱れて闘う。

 

 シャーリーズ・セロンの見せ場は7分間のアクション・シーン。ワンカットでソ連側の刺客8人と格闘して倒す。私は大いに楽しんだ。

 

 ご存知の16連騰のあと10月25日は一日下がったが、27日には2万2008円に上昇した。私は以前から、2万1000円までは売買高は厚く、ここを突破したら2万8000円近くまで真空地帯。上昇ピッチは速く、押し目待ちに押し目はないことと見た。これまでの展開は予想通り。

 

 また株価が5ケタの値がさ株を狙うのが、投資作戦としてはベストなこと。決してバブルではないことを強調してきた。そこで注目しているのが2万2684円である。

 

 1989年12月29日の歴史的高値3万8915円87銭。当時私は警告を発し、イールド・スプレッドという指標から、市場でいわれている4万円だの5万円はトンデモない、2万円も怪しいと週刊東洋経済に書き、米ビジネス・ウィーク誌から「東京のビッグ・ベア」と評された。

 

 その後日経平均は20年間下落し、2009年3月10日に7054円98銭。これが最安値となった。

 この1万5930円もの20年間の下げ続けた相場が漸くアベノミクスの成功で回復し、これまで重かった天井を抜いているのだが、「半値戻しは全値戻し」という経験則の半値戻しが前記した2万2684円。そこで私は気が早いこと百も承知で言うが、目標値「3万円以上」といい続けている。

 

 さて、本題に入ろう。「北朝鮮有事近し」と桜井よしこさんは政府中枢と自民党幹部を取材して①米軍の攻撃は今年末から明年早々②米軍の攻撃は二日で完了するという情報を紹介しておられる(週刊新潮10月26日号)。

 

 私には違う情報ソースが、制裁強化で「北」にとって過去と比較にならない大被害をもたらし、和平交渉に応じる可能性がある、と。

 

 理由は次の通り。今回の中国共産党大会でチャイナセブンから外されたメンバーに「北」擁護派の三人が含まれていた。これで中国の対北朝鮮経済制裁に拍車がかかる。

 

 三人がパージされることが決まった北戴河会議の直後から習近平政権は「トンネル貿易」を禁止した。これは中国から「北」に素材を輸出し、縫製したりして製品とし、再度中国に輸入して「中国製」として世界に輸出する、というもの。中国企業1200社が2000億円以上、このビジネスをやっていた。その分、北朝鮮の輸出は減る。

 

 また9月1日以降はジェット燃料の輸出を全面禁止。11月以降さらに対「北」経済制裁の強化を始め、ロシアからの物資も海上臨検で不可能。そこに原油の中国が送っていたのを恐らく止めるので、来年

には燃料不足で和平交渉に応じる。これがティラーソン」米国務長官の読みで、日本の外務省に入っている情報だ、という。まあ、いつ攻撃するかを言うはずがないけれども。

 

 私は「鴨緑江に向かって中国が六車線の高速道路を建設中」という情報に注目している。攻撃用に決まっている。

 

 二日間で北朝鮮を落とせるというマティス国防長官の作戦は、米国が空中を押さえ、地上は中国に任せるという役割分担なら理解できる。

 

 昨年12月、まだ金正男が生きているころ、米国務省の高官でトランプ大統領がただ一人、クビにしなかった人が、北朝鮮を米中露で分割統治、日本は統合されたユナイテッド・コリアに再建資金を出すという案を持ってきている。ロシアの参加?と首を傾げたら、中国に日本海の軍港を管理させないため、という説明だった。「北の核にビクビクしなくてすむから、日本の資金提供は安いものでしょう、と言ったとか。

 

 まあ、どう展開するにしても11月中旬ぐらいまではコワーい動きはなく、日本株は日によって一高一低あっても上昇基調が続くだろう。好決算が株価の支えになり、安倍政権の長期安定を好感した外国人投資家が買うだろう。オイルマネーの売りは懸念されるが、日本株はすでにほとんど売り切っていると私は見ている。

 

 結論。今週から来週に「半値戻し」が達成されるだろう。「もう」はまだなり、である。

 

 

 映画のセリフから。ロレーンは一夜を共にしたフランスの女スパイが「こんなイヤな商売止めたい」と嘆くのを聞いていう。「詩人にでもなったら」。複雑なパワーゲームを読むのは難しい。私にわかっているのは、東京株式市場が重かった天井値を突破して進撃が始まっていることだ。

2017年10月23日 (月)

「危険な関係」と安倍おろしクーデターの敗北(第882回)

「危険な関係」と安倍おろしクーデターの敗北(第882回)2017・10・22

 玉木宏と鈴木京香の主演で渋谷のシアターコクーンで上演中。ド・ラクロの小説を私は映画でしか知らなかったのだが、劇も面白い。外国人の演出なので一寸ズレているところもあったが。

 ウィキペディアで調べたら映画だけで8本もあった。一番憶えているのが88年のジョン・マルコビッチ、グレン・クローズそれにみずみずしかったユマ・サーマンのハリウッドもの。それにペ・ヨンジュンの韓国もの。主演男優が美男じゃなくちゃならないので59年仏版のジェラール・フィリップが一番適役のはずだが、これは観ていない。残念。

 ストーリーは有名だから簡単に。社交界の花形メルトイユ侯爵夫人は自分を裏切った愛人が清純な少女セシルと婚約したと聞いて、以前から関係のあるヴァルモン子爵にセシルを誘惑し堕落させるよう頼む。プレイボーイのヴァルモンは貞節の評判高いツールヴェル法院長夫人と両面作戦に興味を示す。こうして退廃に満ちた恋愛ゲームが始まる。陰謀は成功するか。

 いま思い出しても朝日、毎日、TBSなどのモリカケ問題の攻撃はすごかった。国会での前知事の証言は全く記事にしないか、番組で放送しなかった。内閣支持率は29%まで下がり、稲田防衛相は辞任。永田町の噂では安倍さんは「オレは来年の自民党総裁選に出ない」といったとか。そこまで安倍さんは追い込まれた。陰謀は成功したかに見えた。

 この悪環境を安倍首相はある人の忠告を入れて、思い直して8月4日に内閣改造、そして9月18日には解散の意志発表。これも安倍おろし派マスコミは、やれ大義がないとか、モリカケ問題のごまかしだとか批判し、希望の党を大いに持ち上げて最初は凄かった。

ところが小池さんが議員に出馬せず、民進の議員を「排除」するとか、いろいろあって、結局野党側は分裂選挙になり、与党は有利。ひところ下野まで言われた安倍首相は長期政権と、求心力をさらに高めること確実になっている。自民公明合わせると全体の議席数が10減少するにもかかわらず、過半確保。維新や未公認も入れると憲法改正論者は議席の三分の二以上が固い。大型台風も安倍さんに味方した。

 いわゆる護憲派やかくれ中国派、アンチ安倍―どんな名前を付けてもいいが、安倍おろしメンバーは「時にあらずと声も立てず」だろう。クーデターの陰謀は今や完敗に見える。

 残る未練がらみの報道は「安倍反対」の方が「支持するより多い」こと。悪あがきというほかない。

 私は昔、防衛庁長官の経験者が言った「イマイさんね。東京湾に北朝鮮のミサイルが一発落ちたら、憲法改正なんて一晩でできちゃうんだよ」という言葉を忘れない。

 もっとも、今この原稿を書いているのは日曜の夕方なので、開票後に予想外れでアレレという可能性もゼロではない。しかし株式市場は安倍さんの勝利を読んで、10月20日で14日連騰。外国人機関投資家が買っている。

 安倍政権発足直後の2013年1月の金融専門家会合の再現が、2018年1月にある―。こんな観測が、ソロス氏あたりに流れたのではないか。2013年の会合では黒田日銀総裁の登場と、異次元金融緩和。今回は私が前から期待している無期限無利子の永久国債発行という、大転換を読んでいたとしか思えない。

 中原伸之・元日銀審議委員はこう言っている。

 「まず物価目標2%を維持しながら名目経済成長率を3%目標にする。そのために治山治水のためのインフラ投資を10年間年間10兆円規模で行う。

 財源は満期60年の建設国債で賄うか、日銀の保有する日本国債のうち50兆円を無期限無利子の永久国債に替えてもいい(週刊現代)」。

 

 私が強気なのは、これが総選挙後に現実の問題になるとみるからだ。

 ある講演会で私がこう言ったら「イマイ先生、それじゃ国の借金が一人当たり800万円もあるのに、全く減らさないでいい、ということですか?」と聞かれた。

 「そうじゃありません。国の借金と一緒に国の資産も考えなくてはならないのです。日銀も加えた連結バランスシートで見ると借金は1000兆円ですが、資産も1000兆円。だから問題はありません。」

 「でも、マスコミはそんなことを報道しませんね。」

 「財務省のお抱えエコノミストが悲観的なことばかり、エラそうな顔をして論文を書いたりTVで主張したりするからですよ。くわしくは私の著書をご覧ください」。

 で、今回の結論は?

 私は日経平均の1000円の大台ごとに株式売買代金を合計すると、2万1000円のカベが大きかったことがわかるところが2万2000円から上は「真空地帯」に入る。次は2万8000円。売買金額累積の数字で示すと2万1000円台はざっと200兆円、これが20兆に減る。

 

 日経平均の一株当たり利益は、1600円が2,3年のうちには相当高い確率で到達する。PER15倍なら2万4000円、16倍なら2万5600円だ。すぐ、とは言いませんが、このあたりまでなら、まあ、楽でしょう。

 選挙直後に一休みするだろうが、私の「とりあえず」目標2万3000円は変えません。

 「危険な関係」の小説が書かれたのは1782年。フランス革命の直前、またC・ハンプトンが劇化しロンドンで大ヒットしたのは、1985年で、サッチャリズムの格差拡大社会だった。と演出R・ドワイマンはパンフレットで書いている。そして2017年は「日本も世界も何もかも危ない。危うい一線をいつ超えてもおかしくない」。そして幕切れ。メルトイユ侯爵夫人は目隠しされ、何回も身体を回されて最後に正面を向き、不安そうな顔をして幕は降りる。異次元金融緩和も永久債も不安材料と取る向きもあろうが、そんなことはない。私は楽観的だ。

2017年10月16日 (月)

歌劇「ドン・ジョバンニ」と選挙と日経平均3万円の時期(第881回)2017・10・15

歌劇「ドン・ジョバンニ」と選挙と日経平均3万円の時期(第881回)2017・10・15

モーツアルトはこの歌劇の序曲でいきなり「最後の審判」を思わせる和音から始めた。続いて快活なメロディは主人公の女たらしならではのフットワークの良さを表す。この序曲をたった一晩で作曲したとか。天才らしいエピソードだ。

 

まず今晩の夜這いは相手の抵抗に会い、ドン・ジョバンニは逃げかけるが、襲われたドンナ・アンナの父親の騎士長がこの不届き者を成敗しようとし、剣を抜く。決闘。そして騎士長は死ぬ。村上春樹さんの近作の題ですな。

 

この死んだ騎士長が石像になり、幕切れのディナーに招待され、悔悛を三度迫る。懺悔すれば神はお許しになる、と。ドン・ジョバンニは三度拒否、地獄に落ちてゆく。

 私は第一幕一三場のドンナ・アンナのアリア「さあ、おわかりでしょう」が本当になんと表現していいか分からないくらい、すごい出来と思う。父を殺した犯人がドン・ジョバンニであることが、その声で分かり、興奮と恐怖で震えながら。

 

私の今回の神戸製鋼のアルミ製品、鉄粉、特殊鋼の偽装事件は、心から不安で恐ろしく思う。日本の自動車、機械、電機製品に広く使われているだけに、今後世界のどこかの国や機関が、規格外としたりそれをタネに弁護士が訴訟を起こしたり。こうしたスキャンダルを軽く見てはいけない。とんでもないところで逆風が発生するものだ。

 神戸製鋼の問題点は組織ぐるみで行った規制違反であること。いくつもの製品で10年も続けて不正があったのだから、問題にキリがない。

 

 この不安を除けば、東京株式市場の展開は私の想定した通りだ。このブログででは第八七七回は9月19日の休み明け火曜日に出して、この選挙が「買い」であること。また近くオイルマネーの換金売りがおさまるので、シャリア150の主力株(ファナック、ヤクルト本社、味の素などなど)と。上昇相場が始まると、五ケタの値ガさ株が狙い目と主張した。

 

 二番目のアィデアが株価上昇率が一番高かったが日経平均は連日戻り高値を更新中。ごく目先の選挙後は、一休みはあっても10月13日に2万1000円近辺を明確に抜けたので、売買量は少なくても上げ足の速い段階に入る。ここ3,4年の間に日経平均は「少なくとも3万円」と予想してきたが、そのあたりまでは軽くゆくだろう。目先目標は2万3000円。

 

選挙の結果待ちで外国人投資家は待機資金5000億円が戻ってくる。PERなどから見てまだ割安なので、次は出遅れ銘柄探しになってくる。もう一部は買い始めた。

 

 とりあえず10月11日の大新聞報道は自民党有利。これが万一、不利になったら、恐らくトランプ大統領は「シンゾーのために」、口先かスレスレの軍事行動で危機を演出して「北風」を吹かすだろう。もうツイッターなどで援護射撃をしている。

 

もうすぐに米原子力空母ロナルド・レーガンとセオドア・ルーズベルトは朝鮮半島近辺に着き緊張は高まる。トランプ大統領は対話路線を主張していたティラーソン国務長官を更迭、ポンペオCIA長官が後任になる、と10月6日付ワシントンの有力ニュースサイトは伝えている。ティラーソンvsトランプはバカ呼ばわりし、IQで勝負しよう、というやり取りがあり、やれ辞任するのしないのという大騒ぎがあったことは、ご存じだろう。

 

更迭となれば、対話路線が(一時的かもしれないが)終わり、米国は強硬路線に変わったという「金正恩へのサイン」ととられるかもしれない。緊張ムードは安倍首相に有利に決まっている。私は強気だ。

 

なんでイマイ先生、今回はオペラ?といぶかる向きもあるだろう。理由はカンタン。私はレーザーディスクやDVDでオペラを聞きながら「次の本」のプランを練って、メモを作ったり資料を読み直してサイドラインを引いているからです。

 

私が今聞いている録画はルッジェーロ・ライモンディ(ドン・ジョバンニ)とホセ・ヴァン・ダム(レポレロ)、これにキリ・テ・カナワやヴェルガンサが出るといった豪華版。特にレポレロの「カタログの歌」はすごい出来で六分間の長いアリアを飽かせない。

 

ここでびっくりさせられるのはドン・ジョバンニが口説き落とした女性の数で、イタリアで640人、ドイツで231人、スペインで1003人、トルコ、ドイツ、フランスを含め2065人!私はなぜイギリスやオランダが入っていないか不審に思っていたが「オペラ・シンドローム(島田雅彦著NHKブックス)」ではプロテスタントの女性はセックスの罪悪感として内に抱え込む傾向がある、と。なるほど。それにスペインが一番多いのは、ドン・ジョバンニがアラブの血が入っているからだとか、ユダヤ人だろうとか。分析は精細を極めており、まことに面白い。光源氏とドン・ジョバンニの比較は「似て非なるもの」で農耕民族と狩猟民族の違いがある、云々。

 

 今回は自分の投資見通しが大当たり、で気を良くしているので、トリビアを書きました。悪しからず。

2017年10月 2日 (月)

「アマデウス」と小池vs安倍、オイルマネーの日本株買い(第879回)

「アマデウス」と小池vs安倍、オイルマネーの日本株買い(第879回) 2017・10・1


 松本幸四郎が今サンシャイン劇場で演出。自ら主演している。私はこの35年で5回目の観劇だが、今回はモーツアルトをジャニーズの桐山照史が出ているので若い女性が殆ど。私は初演の江守徹の演技が忘れられない。パンフレットを見たら昭和57年、1982年だった。

 映画にもなり84年のアカデミー賞作品、監督賞など8部門を獲得した。161分の大作だったが圧倒されたことを覚えている。ピーター・シェーファーの名作を、実はNYブロードウエイでも観た。

敬虔なキリスト教徒のサリエリが下品で粗野で猥雑なモーツアルトのまぶしいほどの才能に嫉妬し、その才能を与えた神まで恨んでしまう。

モーツアルトの生活面での無能力にサリエリは付け込んで、次第次第に貧しく健康も悪くなってゆくよう悪だくみを繰り返す。最後には「レクィエム」の作曲を依頼するナゾの男にまで。

 しかし最後にサリエリは自分の限界を知る。モーツアルトの曲は世界中で永久に演奏されるが、サリエリの名は残らない。ついにサリエリは自分がモーツアルトを殺した、と叫び続ける。悪名でも名が残るだろう―。しかし誰も信じないで、ジ。エンド。

 いま「小池劇場」で連日メディアは大騒ぎ。ぎりぎりまで待って都知事を放り出して衆院へ出馬するのでは、という説が今日現在、一番ウケている。この人の度胸の良さと勝負カンの鋭さは男どものヤキモチの対象。そこでひところ自民党内で浮かされていたのだが、やはり都知事選以来、再び世間の注目を浴びるようになった。これまでのところ、作戦はまずまずの成果を挙げている。

 一番手近かな夕刊フジ29日付の選挙コンサルタントの予想では―

   自民党   287→230

   公明党   35→33

 これに対し小池さんの希望の党は148。現在の民進88、自由2だから、58の議席を増やすことになる。この見立てだとこの選挙は「安倍対小池」でまことに面白くなる。

先週のブログにも書いたが、幼児関連、教育関連株の株価を見ていると、選挙の行く末がある程度、ヨメる。

面白いことに96日が上昇スタート、その後急伸するが民進が「名を捨てて実を取る」(逆じゃないあないかなあ?希望が選挙資金をとったしリベラル派追い出しをしているんだから)を発表してから先週末まで急落という形の銘柄が多い、早稲田アカデミー(4718140018001700

学研ホールディングス(9470)3050→3460→3170

秀英予備校(4678)470→500→460

ステップ(9795)1430→1524→1460

 もっともリソー教育(4713)、LITLT100(6187)、ベネッセホールディングス(9783)、明光ネットワークジャパン(4668)などはまだ右肩上がりのまま。しかし9月26日が天井で27,8,9の三日は急落の形の方が多い。やはり小池さんのケンカ上手で、一応もうけは手にしておこう、という作戦に出た向きが多かった、のだろう。

 一番、希望の党の政策の「原発ゼロ」に反応したのは当然ながら電力株。東電9月27日494円が29日431円に。関電1564円が1426円。電力株は軒並み急落。ついでにガス株までかなりな下落になった。

 こんな少数の銘柄で選挙の行く末を占うのはムリだが、日経平均をみると9月6日1万9357円、9月29日2万356円で1000円、5%上昇だった。短期売買を得意とするセミプロは原子力ゼロと教育を材料にひと稼ぎしたのだろう。マーケットから見る限り、小池劇場は相当成功しそうだ。

今週のマーケットの動きには明るい動きもあった。872回のブログで指摘したオイルマネーの売りで、シャリア150の主力銘柄で市場上昇にもかかわらず下落していた一群の銘柄が、ほぼ一斉に上放れたことだ。目先は売り切ったのではないか。

ごく一例。ファナック、アステラス、ヤクルト本社、キーエンス、味の素などなど。

 

ただ、不安はある。サウジアラムコの上場がロンドン市場で主幹事証券がバークレイズらしいが資金調達の規模は小さくなった。一方原油価格はまだ50ドル台の下の方で、到底財政赤字を埋めきれない。明年には恐らく1月、2月に資金調達売りが、サウジの国営ファンドから行われるだろう。

来年は容易でない年になりそうだ。「北」の問題で何か起きそうな予感がする。中国だってハードランディングが起こりそうだし、米国の政変もあるかもしれない。中東も大変なことに、これは相当な確率でなりそうだ。ロシアも怪しい。私は今年「恐慌化する世界で日本がひとり勝ちする」という本を刊行したが、来年もおんなじ題にしたいなあ。日本は大丈夫なんだから。ただ、前提はある政策をすること。これで独り勝ちできる。

 サリエリのセリフ。「神よ。あなたは殆どの人間が決して理解できない唯一無二の存在(天才)

を認識させておきながら、私自身が永久に二流の存在であることを思い知らせて下さった。」

 モーツアルトと小池さんとはもちろん違う次元で語られるべきだが、私の「アマデウス」を見た夜、男の嫉妬を嘆いていた小池さんの不遇時代を想いだした。

 講演会のお知らせです。10月21日(土)13時第一商品大阪支店。06-6282-9411無料です。

2017年9月27日 (水)

映画「バリー・シール/アメリカをはめた男」と総選挙と株(第878回)

映画「バリー・シール/アメリカをはめた男」と総選挙と株(第878回)2017・9・27


 トム・クルーズの新作でダグ・リーマン監督の組み合わせは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が面白かったので観た。まあ凡作だからおすすめはしないが、実在した人物のストーリー―が面白かった。

 

 1970年代。天才的なパイロットのバリーは腕を見込まれてCIAから中南米の反米の国の基地の航空写真を、高速偵察機を使って撮る業務を依頼される。写真の次は反米国の政府への抵抗組織に武器を輸送。そこへ麻薬組織から「帰国便にヘロインを持ち帰れば1キロ2000ドルの手数料を出す」と持ち掛けられ運び屋に。栄華を極め、札束の隠し場所に困るほど。しかしその期間は短く、FBIなどから追及されてゆく。不安を抱えたままの栄華だ。

 

 いま、金正恩委員長が「老いぼれ」、トランプ大統領は「チビのロケットマン」とののしり合い、世界は息をつめて展開を見ている。トランプ氏は悪口と五大国同意の上の制裁で挑発している。北朝鮮が外相のいう「太平洋上で水爆実験」などやったらシメたとばかり、何らかの部分的軍事アクションを起こす。中国といえど今回は石油全面禁輸をせざるを得ないだろう。金正恩だってバカじゃないから、ここ2,3か月はお茶を濁す程度の近海ミサイルで様子を見る公算が大きい。10月8,10日は危険日だが。

 

 一方、米国は対話するにせよ、軍事オプションの行使にせよ、中国と調整してからでないと開始できない。ゲタを預けられた習近平は10月18日に開会の党大会で再選が決まり、北朝鮮シンパのナンバー3、5,7の江沢民派、上海閥、そして石油閥の幹部たちのクビを切らなければ始まらない。

 

 またトランプ大統領自身、11月4~6日の訪日、訪韓、訪中、そしてAPEC(11月10~11日)東アジアサミット(11月14日)。以上を済まさなければ行動を起こせない。どうしても「北」問題のヤマ場は12月、とみていいだろう。逆にいうと、ここ1,2か月は大したことは起きず、なにかあっても安倍首相には追い風だろう。

 

 トランプ大統領は人気を上げたい。何しろマッチョ好きの米国民の58%が「北」への武力行使にイエスといっている。となると、危険な時期は12月。遅くも1月。

 

 ここまで述べれば賢明な読者はお分かりだろう。

 

 安倍首相は11月4日のトランプ来日までに政権を安定させておかなければならなかった。そこで年末に何が起きても「日本は大丈夫」としておかなくてはならなかった!

 

 9月25日の記者会見で十分にこの事情はいえないから、アンチ安倍マスコミはまた「大義がない」と騒いでいるが。理由をはっきり言えないこともある。

 

 7月ごろの支持率低迷時に安倍さんは「憲法改正ができなければオレは来年の総裁選に出ない」と周囲に漏らしたこともあった。

 それが8月後半に内閣改造を行い「北風」が追い風になり、さらに某財界人の招待で来日したワシントンの有力者の助言もあってやる気になった。とくにトランプ大統領が衝動的に軍事行動を仕掛けた時に冷静に戻す助言ができ、日本に被害が出ないようにするのは安倍首相ひとり、と助言されたことは大きかったようだ。

 

 「20議席(現有286)以上減らしたら負け」とか、半数の233に行けばまずまずとか、立場、立場でいろんな発言がある。定数465に10議席減少するし、小池さんが絡んだ希望の党がかなり議席を獲得するから270で十分ではないか。政党支持率も上昇中だし。

 

 外国人投資家も過去の戦いぶりから見て「選挙上手」(代理戦争の意味合いが強い都議選を除く)と評価は高い。選挙の報ですぐヘッジファンドは「円買い株売り」の巻き戻しを行い、あっさり2万円の大台を回復し、その後も外国人買いが続いている。当分、一高一低はあっても強い相場が続くだろう。

 

 万一(ホントに万一)過半数に達せず、安倍退陣となったらー。

 選挙は水もの。しかし株式市場の動向で先読みすることはできる。大和証券の木野内栄治さんが言っている通り①幼児教育関連②学習塾関連の銘柄が下落するなら、市場は与党敗北を読んで動いている。

 私は勝つと思っているから①大手ゼネコン②超値がさ株③医療機器、を狙う。

 

 映画のセリフから。バリーはFBIの手入れですべての不正に取得した財産を没収されるが、夫人に言う。「アクセサリーは持っていかないから、指輪やネックレスをできるだけ身に着けるんだ」。私はNYの株価は以前よりも下がったとはいえ政変不安があるから持つ気はないが、日本の方は大丈夫。朝鮮半島で騒ぎが発生し、難民が発生したらそれこそ日本の実力を示すいいチャンス。永久国債をここで考えるべきだ。

2017年9月19日 (火)

スイッチ・オン!! 第877回

スイッチ・オン!!第877回 2017・9・19 

前回も書きましたが、この衆議院解散は「買い」です。このブログでいつもの週末の発行では遅すぎると考えましたので改めて強気の理由を書きます。

①この解散は自民党が必ず勝つ選挙であること。

②支持率は50%まで回復しており、不支持を上回っていること。

③民進党の混乱。

などなど。

 私のボイスメッセージ「相場ウラ読み」でも強調した通り、値がさ株が一番魅力的。

目標の日経平均は2万2000円以上。日経ブルの投信もどうぞご検討を。では皆様、

 

グッド・ラック!!!

2017年9月17日 (日)

映画「ダンケルク」と日米の政治危機 第876回

映画「ダンケルク」と日米の政治危機 第876回 2017・9・18

 ダンケルクとはフランス北端の港町でドーバー海峡に面している。1940年英仏連合軍40万人の兵士が追い詰められ、反撃の余力はなく、絶体絶命、救援を待つのみになる。英国軍はドイツ軍爆撃機とUボートの攻撃にさらされながら、一人でも多くの兵士を救出しようと決死の作戦を展開する。

 クリストファー・ノーラン監督のこの新作は戦争映画には違いないが、戦争賛美でも反戦でもない。まったく斬新な映画で、私はすさまじい映像体験に圧倒された。

 ノーランらしい演出は時間と場所をシャッフルして描いたことだろう。浜辺の陸上は1週間、英国の民間船がダンケルクに向かうのは一日、戦闘機が戦う空中戦は1時間の三つ、これが最後は同じ救出作戦の成功に向かってゆくという展開は素晴らしい。たしかにアカデミー賞有力候補といわれるだけのことある。

 40万の兵士のように絶体絶命、とまでゆかなくても、この6,7月、わが安倍首相もトランプ大統領も、政権を放り出すか、放り出さされる危険性があった。

 まず安倍首相。29%という低支持率の直後、周囲に「憲法改正ができなければオレは総裁選に出馬しない」と漏らしたという情報が飛び回った。やれ次はワンポイントで麻生副総理だが、明年9月の自民党総裁選には年齢制限に引っかかるので、岸田政調会長だろうとか。

 カギは支持率50%台。最新の世論調査では時事通信の41%、これだと外国人投資家は日本株に投資をためらう。安倍おろしの毎日新聞は39%。

 恐らく10月22日の衆院補選三つで全勝したら、朝日や文春といえども支持率の回復を認めざるを得まい。

 もちろん北朝鮮のミサイル、水爆の実験で米国や日本を挑発しているが、その都度安倍内閣が迅速に(文字通り分秒の差で)国民にメッセージを送ったことも支持率回復に寄与している。

 「安倍おろし」を企む一部官僚や朝日、毎日や文春などのマスコミは内閣改造後の新閣僚や昭恵夫人まで狙って内閣の力を削ごうとするだろう。民進党が内部分裂で全く頼りにならず、このままでは既得權益を失いそうな官僚が、10年前と同じく「自爆テロ」を年金がらみで少しでも足を引っ張りたいと演出中。しかし、前述の通りの地方補選で反対勢力が強調してきた「一強のおごり」を選挙民が問題にしていないことが判明し、支持率が上昇したら、ひところの危機説は消え去る。

私の見方と違って、まだ危ないと主張する向きもあるから世の中は面白い。一昨日(15日)政治担当の記者に会った。いわくー。

 これまで支持率が上昇したのは、お灸をすえた人々の回帰とし、「北風でタコを上げる」追い風のため。これ以上の支持率上昇は望みにくい。(そうかなあ?)

 9月28日に始まる臨時国会で「森友」は会計検査院の発表があり、「加計」も騒がれる(ホントかしら?)。要するに疑惑を乗り切っていない、とみる。

 自民党の調査では今解散すると35から40議席は減少する。(安倍政権が弱体化している、という意味?野党の支持率から見ると、私はそうは考えられないのだが)まあ以上である。

私は10月18日に始まる中国の党大会での人事、その直後の11月第一週のトランプ大統領の訪日、中、韓国(長くなるので説明しないが)、この二つの政治行事で、北朝鮮の核問題はカタが付く可能性がかなり大きいと思う。

一方、米国トランプ大統領は、なんと民主党と結んで、債務上限問題を片づけた。これでこれまで100日以内の公約の90%を阻害していた共和党保守派「フリーダム・フォーカス」の抵抗を少なくとも当分は骨抜きにしている。大丈夫、と思ったからこそ11月のアジア歴訪を決めたのだろう。

 さて、ダンケルクの40万人の英仏軍兵士と同じく、日米首脳の地位は、ひところの危機よりは相当に安定した。NYダウ、S&P500、ナズダックともに史上最高値更新、また日本の方も今年最大の週間株価上昇を見た。円レートは対ドルで101円から3円の円安、対ユーロは1年7か月ぶりの安値の133円になった。再び下押す株価というシーンはありうるが、政治の安定で日本株を買い戻すヘッジファンドが出ているのは事実だ。ただシャリア150採用銘柄でまだ下降基調の銘柄が結構あること、しかもこの日経225反発と同時期に、と考えると、まだオイルマネーの換金売りは終わっていない。ただ、10月中の総選挙は大きな買い材料だろう。

2万円の大台近辺には、まだ超えるべき売り玉が山のようにある。しかし、与党が勝利すること確実な選挙は、やはり「買い」だろう。問題がどのくらいの議席数なのか、だけのはずだ。

 映画のセリフから。ケネス・ブラナー演じる英海軍中佐で防波堤の責任者が言う。「皆は帰国してくれ。私は残る。英軍は帰国できたが、まだフランス軍兵士が残っている。」14万の仏軍のうち3万は取り残された。またトム・ハーディ演じた英空軍兵士もダンケルク海岸に不時着、機体を燃やして自分は投降する。政治の方も完全にスッキリ、とはなかなかいかないが、私は楽観的だ。

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